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久しぶりの就職活動を一先ず終え、私にとっての夢の職場へ

ついに働き始めました。数か所に履歴書を送って反応がないので「ふむ」と、前にボランティアをさせて頂いていた保育園に履歴書を送ると、なんと三分後くらいに電話が掛かって来た。

「久しぶりー!元気してた~?今はフルタイムのポジションは空いてないんだよね。でもサプライで働いてみたい?今なら結構、時間数保証出来るよ」

とすっかり採用前提なお話。supplyと呼ばれるそれは、代替教師と訳されるだろうか。substituteともいう。

Supplyとは

当地の保育園は大体お抱えの代替職員を持っていて、職員の急な風邪や用事、リフレッシュ休日などの有給等をカバーしたり、夏休みなどの長期休みに代わりに出勤する感じである。お抱え職員が出勤出来ない場合は、保育士斡旋業者に連絡を取り、派遣してもらうイメージである。

この仕組みは、日本の保育園で働いていて有給の取れなさを嘆いていた私には、目から鱗であった。前に働いていた所は10時半の出勤シフトなら遅くても8時半までに欠勤メールを入れてね、と言われていた。え!二時間前?とお思いでしょうか。私もかなり驚きました。もちろん、早め早めが好まれると思いますがね。(それから小学校などの担任の先生も学期中にガッツリ休んだりする。そこもサプライが活躍するのだ。)

本当はフルタイムで働きたかったが、サプライから本採用にポーンと行けることもある&とりあえずもう働きたい&お気に入りの園なのでその案を飲むことにした。

コネは強し

その園は2年ほど前に住んでいたアパートから近く、職場からも近かったので毎週金曜日にボランティアとして訪れていた。

カナダの就職には「コネ」が大事だと、よく聞くが、コネを自分で作っておいて良かった!

カナダの…と申し上げたが、実は日本でも二つの保育園で働いていたが、一件目は高校時代のボランティア先。(通学時の途中駅で、ホームから園庭で子ども達の遊ぶ姿が見れて「ボランティアしてみようかな」とピンポーンと突然訪ねて行った。受験時のアピールとしてもおかげ様で役立った)二件目は、一件目の元同僚に誘われコネ入社。どちらも面接はしたが、そんなにガッツリ就職活動をした経験がない。

当地の保育園就活(コロナ前と今)

トロントにはワーキングホリデービザで入国したのが最初で(※ビザのコンディションチェンジが必要だが)保育園でも少し働いた。たまたま出会った日本人の方でトロントの保育士として働いている方が「顔を売るためにも、直接園に出向いて”あなたの園で働きたいです”と履歴書を手渡すといいよ」とアドバイスをくださり、本当にその通りに4件ほど巡ったらちゃんと仕事をゲット出来た。

ちなみに「売り込みのピンポーンは出ない主義です」と掲げている園もあった。四件のうちの一件は対面面接をしてもらったけれど、もう面接時から相手の求めているものと私の能力で違う感満載で結果もダメ。もう一件はフルタイムの仕事を募集していなかった(パートタイムなら、と言われたがガッツリ働きたかったので断った)もう一件は電話面接でごめんなさい。最後の園は、丁度ダウンタウンに新園がオープンする予定で、そちらでクラスサブ担任として雇ってもらえた。とてもラッキーだった。働いている人々は素晴らしかったが、大きな会社という事もあり、ちょっとその色々な経営方針が私とは合わなかったので、今回の就職活動では見送った。

その新園とボランティア先の経験から、今回就職活動をするに当たって、考慮した点がある。ワーホリ時代には知らなかった点がこちら。

ありがとう、監査

まず、監査の情報が市民に公開されている。

私は一度だけ、ボランティア先で監査日に遭遇した事がある。

日本の監査と基本は何も変わらず、市の職員がやって来て、施設や保育をチェックして点数を点けていく。日本では「全体的に良いでしょう、この辺は改善した方がいいですね」みたいな感じで、ふわっとしている。具体性に欠けるとも言える。

当地のそれはもっとシビアで、一項目毎に点数が付けられる。例えば「プログラムプラン(カリキュラム設定)」「オムツ替えルーティーンの完璧さ」「壁面構成のダイバーシティさ」などである。クラス毎にそれが、その場でピッチリ点数化され、現場も反省・見直し・改善がしやすい。

(参考までに、上は乳児クラスの壁面構成:Displaysの評価目安)

ボランティア先はかなりの高評価を例年叩き出していて、その日も「よっしゃー!」と職員みな、喜んでいた。

そうして弾き出された数字が、親御さんらが保育園を選ぶ基準として市のホームページで公開されている。とても明白でいいシステムだと思う。

(例として、こちらアルファベット順で一番初めに出た園)

やっぱり質のいい保育をしている所、質のいい保育が出来る同僚と一緒に働きたいものである。こうして、レイティングがチェック出来るのは就活にも役立って大変有難い。

私は、今回求人サイトもチェックしているが、基本はGoogleマップで保育園を検索し(乳幼児保育専門としてずっとやって来ているので)infant:乳児がいる保育園で絞込み→市のホームページに飛び、監査の点数が良いところ、だけに更に絞込み…と、していると近所で残るのは結局片手で収まる園くらいしか無かったりした。

その他

それからトロントの冬は長くて寒いので、室内ジム(いわゆる体育館のようなスペース)を併設している所を選びたかった。私はこれまで、いわゆる都会の駅前保育園でも働いたが、悪天候では遊べない園庭だけだと正直子どもだけでなく、大人もとても消費する。(トロントは雨でも雪でもそれ用の装備をして戸外に出るが)

施設の充実はこれまでの経験上、とても重要だった。

施設、と言えば窓が沢山あって解放感がある事も私的に大事。勤務中、外、見たいですよね。

また、職員の多様性具合も結構分かりやすく見て取れる。監査のサイトで、職員が話す他言語の詳細も載せられている。例えば上の例で出したA & A Child Care Centreでは、Cantonese, Dari, Mandarin, Spanish, Tagalog (Pilipino, Filipino) and Tamilを話す職員が在籍している事が明記されている。

これまで、トロント市内であまり偏った様子の園は見た事が無かったが「何故かヨーロッパの言語ばっかり…?」という園を一園見つけた。

あと、これは完全なる私の好みですが、 Before- and After-School programをやっていない(小学校等の敷地内にある園に多い、学校が始まる前後の学童的なもの)、規模が小さめの園でも探しました。

そうした点も、今回働き始めた園は最高である。

コロナ禍の面接

多くの園が面接はオンライン、と求人票に書いているものの、園長から電話を貰って「じゃあ明日朝来れる?」と言われた私。当地の保育園で働くには、救急救命受講済証明書無犯罪証明書、更に結核ワクチン等の証明も必要だったりする。

ワクチン、と言えばCOVID-19ワクチンもある。電話で既に「ワクチン打った?」と聞かれ「Fully vaccinatedっす!」というと「wonderful!」と返された。そう、保育園で働いているとワクチンはもう友達である。

日本でもインフルエンザ予防接種は毎年打っていました。

そんな環境で働いていた事もあり、アンチワクチンの存在は知ってはいたが、近年ネットなどでその醜態を見ると度肝を抜かれる。医師免許を持っている人なんかはもう、医師免許はく奪されればいいのに。

そうして出向いた面接。

聞かれた質問は

「得意な年齢グループはいる?」(これはよく聞かれる質問。私はいつも「乳幼児期だけをずっと見て来たのでその年齢グループに対してスキルと経験があります。でも子どもは皆大好き!」と答えている)

「保育の現場で一番心掛けている事」

「保育で一番難しいと思う事」を聞かれました。

面接、というかお互い知っている仲?なので近況を伝え合ったりして大変和やかムードだった。以前よく聞かれたのは、シチュエーションを言われ、それに対してどんな対応をしますか?みたいなのが多かった気がする。こうこうこんな状況で噛みつきが発生しました、どう対応する?みたいな。

あとは、チームプレイな職業なのでそういう点についても聞かれたりしたな。

Tell me about yourself」自己紹介して、も今回聞かれた!え、今更?とも思ったが。これも一番有名な文句とも言えるだろう。

あんまりこれといった面接準備をしていなかったけれど、その後に全クラスを回り「みんな~、こちらはMay(筆者)これからサプライで働くから~。知ってる人もいるかな~」みたいな感じで職員に紹介してもらい(あ、採用されたんだ?)と気付いた。

八割方は顔見知りで、ハグをしたくなった人も何人かいたり。特別大好きだったうちの二人は他の園に移ってしまったけれど、みんな私の事を覚えてくれていて感激した。中には「ついに大学卒業したの?」みたいに声を掛けてくださる方もいて(していない)この空白の二年を思い出して白目剥いたりもした。そして、今日も出勤していたがお一人に「あ~ん、サプライなの?あなたの事が大好きだから、本採用されるよう祈ってるわ」とまで言って頂けた。

カナダ移民局からは軽くあしらわれているが、こうしてウェルカムされると気苦労が吹っ飛ぶ。思わず泣いてしまいそうになった。

期待値が高いので(いや、保育士は口が上手いからなんとも言えないが)その期待を超すようなパフォーマンスを目指して精進したいと思います。

そうそう、普通は面接の後に Reference checkが行なわれると思う。いわゆる信用度チェック。元雇用主や元同僚、教授等に面接官が電話して採用者の人となりや働き具合を聞く、というもの。今回は面接の最後に「Reference letter持ってる?」と聞かれたが、手紙は持っておらず(ある事はあるが、古いもの)「ないけど、前雇用主に電話したい?電話番号渡す」と返すと「あー、うん、まあいいや!」と言われた。いいんかい。でもボランティア終了時も彼女に「リファレンス先になってあげるから、必要だったらいつでも電話かメールしてね」と言われており、彼女が私の第二のリファレンス先であった。まさかの出戻り。

***

あ、そうそう、面接時のこぼれ話を最後に!すいません、長くて。

当日朝はギラッギラの晴天、夏真っ盛り。サングラスをして行きました。服装はなんとなく綺麗目。

ピンポーンとチャイムを鳴らし、最初に扉を開けてくれたのは見覚えのあるキッチンスタッフ。でも彼女はとっても忙しそうで、開けてくれただけ。次に現れた主任。彼女もよく知っている。彼女のクラスによくお世話になった。主任に「何か御用で?」と聞かれたので「園長とアポイントメントがあり、参りました」と伝えると、内線で園長に「あなたとアポイントメントがあるという”誰か”が来ているわよ」と電話。”誰か”ああ、名乗った方が良かったかしら。私の事忘れているか、残念。

その後、主任はオフィスに通し、検温をし、新しいマスクをくれ退室。

そして園長登場。すぐに「May!久しぶり!ハグ出来ないからヒジタッチ!」というノリ。(当地ではハグの代わりにヒジタッチが推奨されている)

そして「彼女、内線で”誰か”って言ってたけど、気付いてなかったの?も~彼女らしくないわね」と園長。そうなのだ、主任はチャッキチャキの出来る女性。私も内心、大分傷ついていた。

「ところで、それ、サングラス?」

!!!!!!えええええ!!!!

という、なんと面接の場でサングラス掛けたまま来園。いつもお家生活で眼鏡掛けてるし、度入りのサングラスだったこともあり、すっかりサングラスを掛けていた事を忘れていた。

サングラス+マスク、そりゃ誰かと分からなくて当たり前…てか自分のドジっぷりに引いた。

まだまだ話したいことは山ほどあるが、これにて一度おしまい。最後まで読んでくださりありがとうございました♡これからは保育ネタが増えることと思います!




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