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天職のブライダルコーディネーターを手放す〜独立に至るまで【2】〜

こんにちは。ライフコーチ・植物療法士の岡野真弥です。
植物のチカラもとりいれながら 自分を愛し、奇跡であふれる 人生を送るためのインスピレーションをお届けしています🕊🍃

前回の記事はこちら↓


ブライダルコーディネーターとしての再出発

社会人2年目、念願のブライダルコーディネーターとしての仕事が始まった。最初は軽井沢サロンで、翌年からは軽井沢まで打ち合わせに行けないお客さま向けの東京サロンに勤務になった。

ブライダルコーディネーターの仕事は、以下のような内容について、各分野のプロフェッショナルと協力し、お客さまと対面の打ち合わせや、電話・メールを通して決めていく。

・結婚式のしきたり
・宿泊、交通
・招待状の作成
・衣装(洋装、和装)
・披露宴のお料理・飲み物
・テーブルコーディネート
・フラワーアレンジメント
・アルバムや動画撮影
・引き出物

一通りの知識と提案力が必要になった。

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しかし、私の頭の中には批判的な声が響いていた。

「世の中にはブライダル専門学校が存在するくらいだし、結婚式の出席経験もそんなにない私に、果たしてこの仕事は務まるのだろうか?新郎新婦さまだって、経験豊富なベテランコーディネーターが良いに決まっている!本当に大丈夫なの?」

自信のなさから、3ヶ月の研修を経たデビュー時には、不安と緊張で吐き気が止まらなくなった。

それでも、「新郎新婦さまと一緒に最高に幸せな1日を創りたい」という想いはあふれていた。確かに知識や経験は少ないけれど、真心込めて真摯に向き合えばきっと信じてくれるだろうと信じてみることにした。

ずっと探し求めていたものはここにあった

いざ打ち合わせに臨んでみると、時間が経つのはあっという間だった。新郎新婦さまと出会って間もないのだけど、徐々に信頼感が生まれ、心が通いあうような感覚。自分の内側にあるものを全身全霊でシェアして、お客様に喜んでいただき、そのエネルギーで自分自身が元気をいただく。その循環を創り続けるためなら、何だってできる!それは、お客様と共鳴するような感覚だった。

私が就職活動の時から探し求めていたのは、この瞬間だった。それは「仕事」という概念を超えて、私にとって理想の「生き方」そのものだった。

大学時代の友人ご夫婦の挙式も担当させていただきました♡

挙式後も、お客様とはお手紙を交わしたり、お食事に行ったりと、仕事という範疇を超えたお付き合いをさせていただき、心から喜びを感じていた。

いただいたお手紙は今でも読み返す宝物↓

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ブライダルコーディネーターの価値とは

会社でのブライダルコーディネーターは、いかに時間をかけずに、売上を上げ、顧客満足度を上げられるかという点で評価された。

顧客満足度は不思議と1年目から高い数値を得ることができたが、残業と売上は課題だった。年間150組近く担当していたので、最初の頃は終電近くまで働く日々も続いた。ストレスからか、食事も不規則で過食気味になってしまった。

このままでは身が持たない!

そこで、売上が高い先輩や、仕事が早い先輩にお願いして、打ち合わせに同席させてもらったり、個別にヒアリングさせてもらい、「売上・時間・顧客満足度が調和するための型」のようなものを模索していった。

その結果、徐々に成果が出始めて、ほとんど残業はしなくなり、余った時間で他のコーディネーターのサポートをするまでになった。やがて、全社的な情報効率化プロジェクトのリーダーも任せてもらい、新郎新婦さまからよく聞かれるQ&Aを共有し、他部署への電話・メール相談を減らすためのシステムを構築・導入していった。

担当するお客様の難易度もどんどん上がっていった。細部にまで強いこだわりをお持ちの方や、初期段階でクレームが起きていて不信感に溢れた状態でスタートする方、コーディネーターの担当変更を希望されているお客様がメインになった。休日も心が休まらず、不安で出社することも増えた。また、自分の担当外でもクレーム対応を担当するようになった。

さらに、挙式前の手配・段取り・他部署との連携の最終チェックをする役割も担うようになった。ここで一つでもミスがあれば大変なことになるので、責任は重大だった。

ストレスから過食気味になっていった。とにかく必死で走り続けていた。

そうこうしているうちに、3年目には、約30名いるコーディネーターの中で、顧客満足度1位、営業成績2位で表彰していただくこともできた。

しかし、素直に喜べない自分がいた。ブライダルコーディネーターになったばかりの頃の「純粋な喜び」が感じられなくなっていたのだ。

クレーム対応や、挙式前の最終チェックを担当するうちに、「絶対に失敗できない」という恐怖・不安のエネルギーが常にあふれるようになった。それが重石のように常にのしかかっていて、当初のような「喜びの循環」を感じられなくなっていたのだ。

このまま私はどこへ向かって、何を目指していくのだろう?

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心に余裕がなくなっていて、自分を労わる時間は皆無だった。

思い切って上司に相談したら、「岡野さんの心と身体の健康が第一だよ」と優しい言葉をかけてくれた。その場で涙がポロポロ溢れてきて、止まらなくなった。

ずっと自分の感情に蓋をして、自分を後回しにしていた。責任が増えることは成長の証だと思って、とにかく与えられた目標を達成するために必死にがむしゃらに頑張ってきた。やりたいか、やりたくないか、なんて自問する暇もなかった。周囲や上司の期待に応えて、評価されれば、いつか幸せになれるのだと思っていた。

でも、それは幻想だった。
私が欲しかったのは、自分に寄り添い、励まし、心の声を聞いてあげることだった。今の自分だったらこう伝えてあげられる。

「あなたは充分がんばっているよ、よくやっているよ!まずは、自分にとっての健康と幸せを優先してね。そうしなければ周りも満たせないし、喜びを循環させられないよ。もっと自分を大切にして、自分の心の声を聞いてあげてもいいんだよ。休みたいときは、休んでもいいんだよ。」

ブライダルコーディネーターの3年間で、かけがえのない経験をさせていただいた会社や心温かいメンバーには、心より感謝している。思いっきり伸び伸びと打ち込ませていただいたからこそ、見えてきた世界があって、満足感・達成感を感じることができたのだと思う。

ここで培ったホスピタリティの精神と全ての経験は一生涯の財産だ。

これまでの感謝と共に、新しいチャレンジをしてみることにした。

秘書への転身〜新しいホスピタリティの形〜

「ホスピタリティを他の形で追求してみたい!」と思ったときに、「経営者のサポート」が思いついた。星野リゾートではずっと現場にいたので、経営の最前線を学んでみたいという気持ちもあった。

転職活動を経て、フランス系のラグジュアリブランドを運営する会社でゼネラルマネージャーと営業マネージャーのアシスタントを兼務することになった。

しかし、ここでも、就職して約1年後に多忙なスケジュールにより、体調を崩してしまった。

これが私が独立する転機となった。

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