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仏教

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日本にはなぜ即身仏が居るのか?

日本にはなぜ即身仏が居るのか?

みなさん即身仏(そくしんぶつ)をご存知ですか?

即身仏とは、飢饉や病に苦しむ人々を救済するために、自ら土の中に入って仏となることを言います。

即身仏になるには、山に籠り、1000日から5000日かけて五穀(米・麦・豆・ヒエ・粟)を断ち、山草や木の実だけを食べて、ひたすら肉体の脂肪分を落とします。(体に余分な脂肪が残っていると、死後に肉体が腐ってしまうから)そして、死期が近づくと、自ら土の中の石

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禊ぎと穢れから神道を考えたうえで、仏教と神道を比較してみた。

禊ぎと穢れから神道を考えたうえで、仏教と神道を比較してみた。

さてさて。

手水から神道を考えみるの続き。

手水が時短禊ぎだったということが分かったのですが、そもそも禊ぎ(みそぎ)は何ためにするのかを考えてみたいと思います。

まずは定義から。

罪や穢れを落とし自らを清らかにすることを目的とした、神道における水浴行為

汚れたものをキレイにするって感覚は分かる。

だけど「罪」ってのがいまいちピンとこない。近代的な感覚のような気がして。古代日本における「

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今更ながら「史上最強の哲学入門 東洋の鉄人たち」を読んだ感想

今更ながら「史上最強の哲学入門 東洋の鉄人たち」を読んだ感想

史上最強の哲学入門 東洋の鉄人たち

を読みました。2016年発売の本なので今更感はありますが、とても面白い本なので感想を書くことにしました。

Amazonで購入しましたが、既に読者レビューが山ほどあって、世の中の知的レベルとアンテナの高さに感服する一方、この本に今頃たどり着いた自分にちょっとがっかりするような、、まあ、5年前なら今ほど熱心に読まなかったかもしれないので、今この時に、この本を手に

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日本一危険な国宝 投入堂

日本一危険な国宝 投入堂

日本一危険な国宝とも言われる投入堂は、鳥取県東伯郡三朝町にある三徳山にあります。

投入堂への道のりは片道1時間の険しい道。

道というか、ほぼ崖。

結構危険な道なので、1人での入山が許されていません。

お1人の方は、登山入り口のところで、一緒に登ってくれる人が現れれば登れるので気長に待ちましょう。

さて、投入堂とは一体何なのか?

それを紐解くために、仏教伝来に遡って考えてみたいと思います

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寺なの?神社なの? 平泉寺白山神社編

寺なの?神社なの? 平泉寺白山神社編

寺なの、神社なの?どっちなの?

というややこしいお名前の平泉寺白山神社は、福井県勝山市平泉寺町に鎮座する「神社」です。

「神社なのになぜ平泉寺?」とお思いかと思いますが、その理由は、ここが明治時代まで「霊応山平泉寺」という天台宗の有力なお寺だっからなのであります。

もう少し歴史を紐解いてみたいと思います。

この辺りには、昔から白山(はくさん)信仰と呼ばれる山岳信仰がありました。白山とは、福

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親鸞さんの教え 本願寺食堂でハンバーグを食す編

親鸞さんの教え 本願寺食堂でハンバーグを食す編

親鸞さんの教えは「絶対他力」という思想です。

他力本願というと、自分で努力せず、人のことをあてにするという否定的な意味で使われますけど、親鸞さんはむしろ「全力で他力本願」なのです。

誰の力なのかというと、阿弥陀如来さまです。阿弥陀如来さまに全てを任せ切ることで救われる、そう説いたのでした。

また、親鸞さんは「悪人こそが救われる」と説きました。

その理由は、善人は自らの善を誇り、阿弥陀如来さ

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