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「出雲そば」と普通のお蕎麦は、なにが違うの?


出雲蕎麦は、風味と旨味を同時に楽しめる至高のグルメです。
出雲に観光にいらっしゃるなら、必ずおすすめしたい名物料理。

香川といえば「うどん」、秋田といえば「きりたんぽ」くらいに、
島根ではメジャーなご当地グルメが「出雲そば」です。

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一般的なお蕎麦との大きな違いは、2点。

①蕎麦が黒っぽい
②つゆをつけるんじゃなくて、「ぶっかけて」食べる。

これだけ聞くと、ワイルドな食べ物です。笑


出雲そばの詳しい製法

通常、蕎麦の原料となる蕎麦粉は、蕎麦の実を挽いて製粉します。このとき蕎麦の実の真ん中を1番粉として、外に向かって2番粉3番粉と各層で取り分けることができます。

1番粉はいわゆる「更科(さらしな)」というもので、更科蕎麦と呼ばれるあの真っ白くてツルツルした、上品そうなお蕎麦になります。それに対して出雲蕎麦は、外側の甘皮まで全部一緒にガーッって挽いてしまう「挽きぐるみ」っていう蕎麦粉で作ります。

だからビジュアルはちょっと黒っぽくて、蕎麦に「ホシ」と呼ばれる黒い点々が見られますが、風味が豊かで旨みのある蕎麦ができあがります。
※ちなみ「ホシ」の正体は甘皮や蕎麦殻の破片です。


一言で表現すれば、いわゆる「田舎蕎麦」ですが食材の美味しい環境で育った蕎麦のブランドってことで、よろしくおねがいします。


その昔、更科好きの江戸っ子が田舎蕎麦を見て「てやんでぃ、こんな蕎麦のカスが入ったモンなんか食えるかってんだ」と言ったことが「そばかす」の語源となったとかならないとか言われています。(雑)


出雲蕎麦って出雲大社の近くでしか食べられない?

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そんなことはありません。

島根県東部のそば処エリアは、大きく分けて「松江」「大社」「奥出雲」とあって、出雲蕎麦の定義は同じですが、蕎麦つゆにはわりと地域色が出ています。

だいたい魚介ベースの出汁にはなりますが、大社エリアは「アゴ(飛魚)」の出汁を使っているところが多いせいか、比較的甘めの印象です。


出雲蕎麦は、「割子(わりご)蕎麦」と「釜揚げ蕎麦」があって、割子の方はあの丸い三段の容器に入った、出雲では定番のビジュアル。

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釜揚げ蕎麦は、蕎麦を湯がいた後に水洗いせず、そのまま茹で汁と一緒に器に入れていただく温蕎麦のことです。割子と同じく、つゆをかけていただくのが特徴です。

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◎釜揚げそば
割子蕎麦の発祥は松江市と言われますが、釜揚げ蕎麦は出雲大社周辺が発祥と言われています。釜揚げ蕎麦は温かく、蕎麦が溶け出した蕎麦湯と一緒に食べるので、そばの風味を損なわずに食せると定評があります。


ズルルっと喉越しを楽しむのが更科なら、出雲蕎麦は噛んで風味と旨味を楽しむ感じです。「野趣に富んだ」とよく表現されてますが、荒削りな魅力のある蕎麦のひとつです。

ここ数年で、出雲大社周辺にも一気に蕎麦屋が増えました。
お気に入りの蕎麦屋さんを求めて食べ歩くのも、出雲の楽しみ方のひとつです。


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