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秋の温水プール

朝一、公営の温水プールに行ってきた。夏休み中は、検温チェックに並ぶ人で溢れかえったエントランスもすっきり。並ぶ人の日除け用に張られたテントも、月末に撤去されると貼り紙があった。もう秋ですね。

オープンから10分後、夏は朝から芋洗い状態だった25mプールに向かうと、まだ2人しか泳いでいなかった。子どもたちと喜び勇んでジャブンと入水。

目の前には誰もいない。透き通った水面がキラキラと輝いている。すると気分が高揚して、子どもは夫任せに勢いで25m泳ぎ切った。そのほんの数分間、完全に無心だった。誰もいない大きなプールがあまりにも気持ち良くて、ここまで本能的に体が動いたのは久しぶりのことだった。

壁にタッチして、後ろを振り返ると、夫と子どもたちがキャッキャッと泳ぎ始めていた。それを見て、現実に引き戻される。折り返し25m泳ぎ、私も子どもの監視業務に舞い戻った。あー気持ち良かった。

広々使えるので、子どもたちの泳ぎもダイナミックになる。兄はビート板を持ち、弟はアームヘルパーを着けて保険はバッチリ。決して上手とは言えないバタ足で、兄も弟も思い思いのところへ進んで行く。そのうちに兄が、クロールの練習を始めた。バタ足の膝が曲がっているので、息継ぎのたびに体が沈み、今にも溺れそうなクロールである。それでもずっと笑顔でいるから笑えた。

夏のnoteにも書いたが、この人は水の中にいるだけで楽しい人である。本人が気乗りせず、水泳を習わないまま小4になり、夏が来るたびに学校の水泳の時間で苦労しているが、誕生以来、水が好きなことには変わりがない。泳法は、本人が危機意識を持ったときに身に付ければいいかと思っている。

一方の弟は、なぜか背泳に味をしめ、天井を向いてひたすらプカプカ浮いていた。アームヘルパーの浮力は本当にすごい。弟も絶大な信頼をおいているので、親が少し離れたところにいても、怖がらずに泳ぎ続けていた。

弟は夏の終わりに突然「プールやりたい」と言い出し、最近プール教室に通い始めた。弟は努力家である。教室で渡された進級表のすべてに目を通し、「何ができると何級」というデータを頭に叩き込んでいる。弟が次に目指すのは、『ヘルパー付きけのび』だそうなので、それもちゃっかり練習していた。この人は多分、小学生のうちにそれなりに泳げるようになるだろう。

今日は肌寒く、天気も芳しくなかったので、その後も利用客は増えずに終始のびのび泳ぐことができた。夏は禁止されていた時間の延長も許されたので、1時間半のんびり泳いで帰ってきた。

プールを出たときはポツポツだった雨が、強くなり始めたのはちょうど帰宅した頃。全てのシチュエーションが絶妙に良く、皆、上機嫌の一日だった。





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