いつもと違う景色を見ることの大切さ

今日は弟の園外保育の日だった。弟の幼稚園では年長になると、電車で行ける範囲の様々な施設へ社会科見学に連れて行ってくれる。行き先は、先生方が設定する学年の研究テーマに沿った場所。今年はおそらく、宇宙とオリンピックであると思われる。今日の行き先は、宇宙に関する展示がなされている施設。行きしなに、新国立競技場の周りを歩いて見学することも行程に組み込まれていた。

時が経つのは本当に早い。今年度の園外保育を実施するか否か、先生と保護者の間で喧々諤々していたのは3か月も前のこと。以前のnoteに書いた石拾いは、時期を1か月送らせて実施した。それを皮切りに、自転車で行ける範囲にあるプラネタリウムや、以前の東京オリンピックの会場となった公園などにも足を伸ばし、ついに今日、電車を使って遠征に出ることになった。

正直、不安もあった。我が家の週末は、外出自粛期間中と変わらない生活を送っている。夏にランドセルの試着に行った以来、子どもたちを電車にも乗せていない。そんな感覚でいるので、今回の件に戸惑いがないわけではなかった。しかし、そんな親の不安をよそに、弟はとても楽しみにしていた。電車に乗って遠出ができるウキウキと、親の手を離れ、友だちと一緒に出かけるワクワクでいっぱいなご様子。先生方には経験があり、常に子どものことを最優先に考えてくださるお気持ちに信頼も寄せている。これは笑顔で送り出すしかないと、腹を括った。

通勤ラッシュが終わったころ、駅の広場の片隅で、我々保護者たちは静かに手を振り、マスクをしながらも満面の笑みで改札を通過する子どもたちを見送った。

夕方、あいにくの霧雨の中でも、万事順調に見学を済ませて帰ってきたとの報告を受け、子どもたちが帰ってきた。周囲に迷惑がかからないよう、ピックアップ後は速やかに散り散りになる。弟はいつもの幼稚園からの帰り道でも、今日一番に印象的だったことを速攻で報告してくるので、何が来るかと耳を傾けていた。

「あのね、ハンバーグおいしかったよ!でも、こどもようだからちいさくてさ、おなかぺこぺこだったからすぐにぜんぶたべちゃった!」

あれま、お昼ごはんの話か。昼食は、宇宙の展示施設の近くにあるファミレスを貸し切り状態にして提供してくれた。たくさん歩いたからお腹ペコペコだったのね。美味しく食べれたようで、よかったよかった。

その後は、大好きな宇宙の話が止まらず、どのような施設だったのか、何が展示されていたのか、ということを事細かに教えてくれた。新国立競技場もその大きさに圧巻だったようだ。

半年前から遠出を控えるようになり、弟が普段見る景色は、変わり映えがしないものになっている。好奇心を絶やすことのないよう、絵本や図鑑を増やしたり、生き物を飼ってみたりして補完しているが、やはり百聞は一見にしかずだ。体感することの重要性を再確認する。

コロナを正しく恐れる判断基準は本当に難しいが、東京のGoToキャンペーン開始も目前に迫る。徐々に行動的な生活も取り戻していきたいと思う。

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