描かれた夢の先で(4)
僕が三歳のとき、当時の父、秀雄は消防士をしていた。もともと運動神経が良かった上に、人を助ける仕事がしたかったことから、高校を卒業後すぐに消防士の道へ進んだらしい。僕の母、まさこはそんな僕の父と二十五歳の頃に出会い、五年後に結婚した。当時は、自慢の旦那として周りに紹介していたらしい。また、母はよしこさんのところに行くと、いつも父の活躍を話していたそうだ。また人を助けたんだ、秀雄さんのおかげで延焼を防ぐことができたんだ、と。よしこさんはそんな僕の母を「幸せ者」と呼んでいた。僕の