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リゾートバイト体験談

先日、約2週間静岡県の伊豆でリゾートバイトをしてきました!

私は4月中旬からインドネシアのスラウェシ島へJICA海外協力隊員として2年間活動する予定ですが、2023年12月に訓練所での派遣前訓練が終わってから派遣まで4ヶ月間の期間がありました(インドネシアだけビザの関係で毎年派遣が他の国よりも2ヶ月ほど遅れます)。
4ヶ月間暇だな~何か今しかできないことをして過ごしたいな~って思っていたら、同じインドネシア隊員の人から「おてつたび」というサイトを教えてもらいました。

「おてつたび」とは「株式会社おてつたび」が運営する「お手伝い」と「旅」を組み合わせた造語で、人手不足に悩む地域現場(旅館や農家など)と働きながら旅をしたい旅行者をつなぐ人材マッチングサービスです。
お金も稼ぎたいし、いろんな体験をしたい、旅行好きな私にぴったりな仕事じゃん!と思い、思い立ったら即行動!ということで応募しました。
今回縁があり、伊豆の旅館「かぎや」で約2週間働くことに決まりました!


伊豆急下田駅前のロータリー
旅館「かぎや」の前で作業着を着て記念撮影

【私の一日のスケジュール】
6:00〜7:00
起床・朝食・出勤
7:00〜9:00 
朝食準備・接客・配膳・食器洗い・テーブルセッティング・夕食準備
9:00〜11:00(日によっては12:00)
客室の清掃・ベッドメイキング・お茶菓子のセット・ポットのお湯の入れ替え
11:00〜17:00
昼食・休憩
17:00〜21:00
夕食準備・配膳・接客・片付け・食器洗い・朝食準備
21:00〜23:00
夕食・お風呂・就寝

一日8時間勤務です(1〜2時間の残業たまに有り)。
2週間のうち、間に一回休みがありましたが(旅館の休館日)、他は上記のような勤務スケジュールでした。
休憩は5〜6時間と長かったので、その間は寮に戻って洗濯やスーパーヘ朝食の買い出し、昼寝などをして過ごしました。
ちなみに時給は1,000円でした。

寮の宿泊代&光熱水道代は無料です。
個人負担は「往復交通費」「仕事後の昼食と夕食(一食約200円)」「朝食」「その他必要物品」のみでした。


寮は旅館から徒歩3分くらいの場所にありました。
一人で住むには広すぎるくらいでしたが、浴室とトイレが別であること、電子レンジと冷蔵庫が付いてあること、洗濯機と洗剤があること(乾燥機はありませんでした)、冷暖房完備ととても条件の良い寮でした🏠

2週間過ごした寮の中
8畳のキッチン1部屋、和室が2部屋(6畳と10畳)、
トイレと浴室が別の一人で住むには広すぎる寮でした🏠
10畳の和室。ここだけエアコンがあったので
寝たりごはんを食べるのに使っていました。


初日は仕事がなかったので旅館のマネージャーから仕事の説明を聞いたり、スーパーで夕食の買い出しに行ったりしました。

一通りマネージャーからの説明が終わり、明日からかぎやで仕事だ〜!と思っていたら、マネージャーから「明日から3日間だけ別の旅館のヘルプに行ってほしい」と言われてしまい、かぎやから車で一時間程離れた姉妹館の「喜久多」へ行くことに。3日分の着替えだけ持ってマネージャーと一緒に車で喜久多へ行きました🚙

翌日からリゾバ初出勤で初の旅館での仕事が始まりました!

獲れたて地魚がいただける旅館「喜久多」
旅館「喜久多」の夕食🍴
お客様が来る前に前菜と調味料はセットしておきます。
お客様が席に着いたら飲み物、御櫃と汁物、鍋物、
デザートなどを持っていく。
旅館「喜久多」の朝食🍴
お客様が席に着いたら御櫃・味噌汁・鯵の干物・
茶碗蒸し・温かいお茶などを持っていく。

喜久多では中居さんから接客・配膳・料理の説明など細かいマナーやルールをたくさん教わりました。
私は接客業はほとんど経験が無く、旅館やホテルでの仕事は未経験だったので、最初は仕事を覚えるのに必死でしたし注意されることが多かったです。「喜久多」は「かぎや」よりも指導や決まりが厳しいと聞いていたので、最初に喜久多で仕事に慣れておいて良かったと思います。

喜久多の隣にある稲取文化公園に咲いていた桜🌸
桜が見頃の時期だったので、お客様も多かったです。
稲取文化公園には足湯もありました♨
午前の勤務後に桜を見ながら足湯に入るのは至福でした!
喜久多の近くの海

3日間喜久多で働いた後、かぎやに戻りました。
勤務3日目の午前は喜久多で働き、午後17時〜かぎやでの仕事を始めました。

かぎやでは私の他に私と同い年のミャンマー人の技能実習生の女性とベトナム人のインターン生の女性2人、石川県から来た同じくリゾバ中の女子大学生2人と一緒に働きました。大学生たちは私よりも一週間早くリゾバを始めたため私よりも先に帰ってしまい数日間しか一緒に働きませんでしたが、外国人の女の子たちとは終始毎日一緒に働きました。

人手不足の業界はどこも外国人労働者の力が欠かせないなと思いました。
これから日本は超少子高齢化でますます働き手として外国人労働者は増えていくことでしょう。

旅館「かぎや」
旅館「かぎや」で夕食の準備🍴
お客様が来る前に前菜・食前酒・鮑の踊焼き・
漬物・茶碗蒸しなどを用意しておく。

【配膳&接客】のルールは、
・料理の説明を簡単にする
《例》「こちらの海老は、海老の刺身をマリネ風にしたものです」「ソースは少しだけ付けた方が美味しく頂けます」

・空いたお皿が出たら、お客様に「こちらお下げしても宜しいでしょうか?」と確認する。
・熱い汁物や煮付けなどの料理をお客様に出す時は「お熱いのでお気をつけください」と一言言って出す。
・「鍋物」の火の点火はチャッカマンで「火を付けても宜しいでしょうか?」と聞いてから点火する。
・料理と飲み物は必ずおぼんを使って持って行く。
・料理を運ぶ時はガチャガチャと音を立てない。
・お客様に料理を出す時は、両手を添えて持つ。お皿に指を入れないこと。
・おぼんはおヘソから胸あたりの高さで持つ。

【料理のセッティング】のルールは、
・メインのおかずがお客様の方(手前)になるように置く。
・鍋の蓋の穴は煙がお客様に当たらないようにお客様と反対側に穴を向けるようにする
・きゅうすの蓋は穴が空いている方を注ぎ口に向きを合わせておく。
・きゅうすの注ぎ口は出入口の反対側に向けて置く(出入口の反対側にするとお客様が出ていかない、という言い伝えから)
・コップは絵柄が手前になるように伏せて置く。
・袋に入っているおしぼりは袋が長く余っている部分を折りたたんで置いておく。

などがありました。他にも細かいルールはありましたし、ルールや料理の配膳の仕方は旅館によって違うのですが、大体こんな感じだと思います。

お客様が席に着いたら飲み物の注文を聞き、鍋物に火を付け、最初に御造りの刺身を持って行きます。
御造りを運んだ後は20分おきくらいに料理を運びます(お客様の食べるスピードに合わせて料理を運ぶタイミングは異なるので、様子を見ながら配膳します)。

御造りの刺身。わさびの左隣から右回りで
『金目鯛』『しめ鯖』『カンパチ』『ホタテ』『鯛』
かぎや名物『金目鯛のしゃぶしゃぶ』
しゃぶしゃぶはゆずポン酢で食べると美味しい😋

客層は「喜久多」も「かぎや」も50〜70代が多かったです。多くは子育てが終わったり定年退職して時間に余裕ができた5、60代の夫婦でしたが、60代の女性4人組、60代の母親と30代の娘、90歳のお婆さんと60代の息子、30代の夫婦と小さい子ども2人の4人家族などいろんな方が泊まりに来ていました。個人旅行で来られたお客様もいれば、団体ツアーで来られたお客様もたくさんいました。

リゾバ中に一度、若いカップルが泊まりに来たのですが、彼氏の要望で夕食後に客室で彼女の誕生日サプライズをケーキでお祝いしたいという話があったので、夕食後に客室にホールケーキとシャンパンを持って誕生日サプライズをしたこともありました🎂

若いカップルが泊まりに来た時に、
彼女さんの誕生日サプライズで用意した
ケーキ🎂とシャンパン🥂


仕事終わりの楽しみの一つに賄いがありました🍴
リゾバ中に一度4人分のキャンセルが出たため、仕事後にミャンマー人とベトナム人の女の子たちとワイワイ楽しくキャンセル分の賄いを食べました(笑)

当日キャンセルが出た時の余った料理を
夕食としてくれました😊
リゾバ中、一番豪華な夕食でした(笑)
普段はこのような料理を板長が作ってくれました🍴
余った蟹の味噌汁と目玉焼きと焼きベーコン
美味しいけど野菜不足に悩まされました😂
ある日の昼食「親子丼」
余った金目鯛と大根の煮物が美味しかったです😍
デザートにプリンが出た時は大喜びでした(笑)
ある日の夕食のオムライス
食べきれなかった分はラップに包んで翌朝の朝食に🍴

片付けと食器洗いと朝食の準備が終わったら勤務終了です。勤務後は旅館のお風呂に入れました♨

旅館「かぎや」の温泉♨
仕事後の旅館の温泉が楽しみでした😍
バイト含む従業員は毎日無料で入れました♪


翌朝、寮で朝食と着替えを済ませて7:00に厨房で朝食の準備をしました🍴

お客様が来る前にセッティングを済ませておき、お客様が来たら鍋物に火を付け、御櫃・味噌汁・鯵の開き・鮪の山かけ・温かい緑茶を出します。
まだ寒い時期だったので、おしぼりは温めておき、お客様が来る5分前にセットします。煮物もお客様が来る5分前に置きます。

朝食の準備🍴
お客様が来たら御櫃・味噌汁・鯵の開き・
鮪の山かけ・緑茶を出します。

お客様が全員食べ終わって客室に戻ったら使用済み食器の片付けと食器洗い、次のお客様の人数に合わせたテーブルセッティング、タオルの洗濯、食事処の掃除をします。


それらが終わったら、客室ヘ行き、客室の清掃とベッドメイキング、お茶とお茶菓子の準備をします。

ベッドメイキング後のベッド

ベッドメイキング後はお茶とお茶菓子の用意をします。かぎやのルールですが、使用済みのきゅうすと湯呑みは洗い、新しい湯呑みときゅうすを客室に運びます。お茶パックの補充と湯呑みは4つ揃っているか確認します。

客室のお茶の準備🧉

お茶とお茶菓子の用意が終わったら浴衣とバスタオル、アメニティグッズを予約された人数分用意しておきます。
ポットの中のお湯は未使用でも毎回新しいお湯に変えておきます。
最後にゴミ箱のゴミを捨てて、客室と廊下に掃除機をかけたりテーブルや窓、洗面所の鏡をアルコールで拭いたりします。トイレットペーパーが足りなければ補充します。

かぎやの客室の中でも最も値段が高い部屋。
露天風呂が客室にあるなんて贅沢!!
たまにはこういう露天風呂付きの客室に泊まって
贅沢な時間を過ごしたい〜!

客室の清掃とベッドメイキングが終わったら、次は旅館のフロントの掃除、客室の鍵のアルコール消毒、お客様が使用したトイレと浴室前のスリッパのアルコール消毒を行いました。それらが全て終了したら午前の勤務は全て終了です。

昼休憩は5時間もあったので、天気の良い日はかぎや周辺を散策しました。

かぎやの近くには、メロン農家がありました。
なんとこのメロンは『温泉の熱』を活用した栽培を行っているらしいです!

詳しく調べてみると、下賀茂の地域には昔から、多くの場所に温泉の源泉があります。源泉の温度は100℃近くあります。この温泉の源泉で水を温めて、そのお湯を温室ハウス内に配置したパイプに流します。このパイプを通じてハウス内が一年中、温められ、メロンがすくすくと育っていきます。温泉水を直接メロンに与えているのだと思っていましたが、そうではないのですね!

かぎやの近くにあるメロン農家🍈
温泉で栽培しているらしい!
ハウスの中のメロン🍈

温室メロンには様々な健康効果があります。脳血栓・心筋梗塞・高血圧を予防したり、カリウムが多く含まれているため体内の塩分を排出したり利尿作用があります💡また、便通を良くしたり肌を綺麗に保つ効果もあります✨

佐藤さんの温泉メロンについての詳細は下記のHPに詳しく掲載されているので、詳細は下記をご覧ください🍈


かぎやから15分くらい歩いた先に道の駅「湯の花観光交流館」がありました。

道の駅「湯の花」
農林水産物直売所には
柑橘類がたくさん売られていました!

農林水産物直売所にはたくさん野菜や果物、農産物加工品やお土産が販売されていました。

乾燥青パパイヤが販売されていたので、珍しさで家族のお土産用に購入してみました!
帰宅後に水に浸して、細長く切ったきゅうりとトマトのサラダの中に混ぜて和風ドレッシングをかけて食べてみました。味はほとんどしなくて、固く、サラダよりも中華炒めや切り干し大根みたいな濃い味付けで加熱した方が美味しいのではと感じました。

乾燥青パパイヤ
水に20分間浸して柔らかくして、
サラダや煮物、野菜炒めなどに使う。

道の駅から徒歩10分くらいの場所に「下賀茂熱帯植物園」があったので、訪れてみました。
中は植物園の他にカフェやお土産ショップがありました。

下賀茂熱帯植物園

下の写真の植物は「アンスリウム」で、ハートの形をした熱帯植物です。
ギリシア語で「花の尾」という意味で、ハワイではHeart of Hawaiiと呼ばれておりバレンタインデーに贈る花として有名です。ちなみに赤色の部分は花ではなく仏炎苞と呼ばれるものです。花はその仏炎苞の先の紐状となります。

「アンスリウム」ハートの形をしていて可愛い❤
園内はこんな感じでした!

下の写真は「アカリファ ヒスピダ」という熱帯植物です。和名は「紅紐木(ベニヒモノキ)」。
西インド諸島が原産で、トウダイグサ科アカリファ属(エノキグサ属)の常緑低木です。
葉幅が広く赤くて長い花穂を垂下します。

アカリファ ヒスピダ
小さい熱帯植物園でしたが、いろんな熱帯植物が
栽培されていて面白かったです。
インドネシアにありそうな植物が多かった!


勤務最終日に従業員の方が「お疲れさま!」と伊予柑と紅はるかの焼き芋をくれました😊

焼き芋と伊予柑は道の駅で買ってきてくれました!

最終日は仕事は行わず、寮の掃除と荷物の整理をしました。昼前にマネージャーの車で駅まで行きました🚙
一緒に働いたミャンマー人とベトナム人の女の子たちがお見送りしてくれて嬉しかったです😊
駅に到着後、電車に乗る前にお土産を買い、駅近くのインド料理店でカレーとナンを食べてから電車で帰宅しました🚃

バターチキンカレーとマトンカレー


【リゾートバイトまとめ】

旅館で働いた経験が無く、接客業もほとんど未経験で苦手意識がありましたが、今回リゾバで体験してみて想像以上に楽しくできてとても良い思い出になりました!人と話すのは好きなので、やりがいがありましたし、お客様から「美味しかった」「朝早くから(夜遅くまで)お疲れさま、頑張ってね!」と声をかけられたのは仕事をする良いモチベーションになりました☺️
料理のマナーや配膳・接客のルールをたくさん学び、ベッドメイキングの体験もさせて頂き、良い経験&勉強になりました✨リゾバでの経験はこれから始まるインドネシア生活で役立つ可能性は低いですが、今後の長い人生の中で活かせると良いなと思っています。
ホテルや旅館で働いてみたいという願望が今回叶って嬉しかったです。

今回、外国人と一緒に働きましたが、母国を離れ、知り合いがほとんどいない日本で日本語を使って頑張って仕事をする彼女たちの姿を見て、4月から外国で外国語を使って働く身として学ぶことがたくさんありました。今まで勤めていた会社でもベトナムやインドネシア、タイなどの外国人労働者と一緒に仕事をする機会が多かったですが、改めて彼らが如何に努力家で凄いと思いました!!

また、旅館をはじめ人手不足の業界はどこも外国人労働者の存在が欠かせないなと改めて痛感しました。今後、日本は超少子高齢化でますます働き手が不足していきますし、外国人労働者は増えると思います。日本で学んだ技術を自国に持ち帰り、途上国や地域の経済発展に寄与しようという国際貢献が目的でスタートした「外国人技能実習制度」ですが、実習生を奴隷のような扱いで働かせる日本企業が多く、ますます日本に働きに来る外国人は減り、悪循環だと思います。日本では人手不足が深刻化する中、実習生にとって日本は行きたい国ではなくなりつつあるといいます。私が働いたかぎやは従業員の皆さん本当に良い人たちばかりで、外国人が働きやすい環境でしたが、日本社会全般の外国人労働者に対する労働環境をまずは見直さなければいけないと強く感じました。

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