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日伊通訳者になる前の僕の切ない恋

こんにちは。日伊通訳者マッシ(@massi3112

イタリア人男性はプレイボーイと言われることが多いけど、イタリア人男性以上のプレイボーイな日本人男性を知っている。
僕が大学生の頃の話。1年生から付き合っていたイタリア人女性はとても気が合って、仲が良かった。彼女も日本語学科で、学ぶ分野は同じ。いつか日本語を使って仕事がしたいという共通の夢もあった。お互いの家に行ったりお出掛けしたり一緒に過ごす時間が増えて、このままうまくいけるかもと感じはじめた。

2年生になりお互いの授業や留学に忙しくなって、ちょっとずつすれ違う時間が増えてきた。彼女が日本へ留学して帰ってきたときから、様子が変わってきた。
なんかいつもと違うな、と感じていた。「大丈夫?変わりない?」と聞いても、「うん、大丈夫よ。」「変わりないよ。」と言うだけ。でも、僕はそうは思わなかった。
ある日とうとう彼女が、別れたいと言い出した。理由を聞いたら、気持ちが変わったと言う。好きじゃなくなったことがショックだった。「新しい好きな人ができた?」と聞くと、できてない。気持ちが変わっただけ、とのこと。
話し合いは一旦終わったけど、悲しい気持ちとなんで?の気持ちがずっとあった。別の日にまた話し合ったとき、大学の日本語学科の駐車場で。イタリア人らしく大声で言い合っていた。周りを歩く人も、なんだ?と視線を送ってきていた。こんなに好き合っていたのに、相手のことがわからなくなっていた。とうとう彼女ははっきりと、「新しい好きな人ができた。」と。

出会いは日本へ向かう飛行機の中だったらしい。座っていると隣からイタリア語でアジア系の男性から声を掛けられた。どうやら日本人らしく日本に着いてから案内してもらったり一緒に遊んだりしていくうちに好きになっていったそうだ。
彼はイタリアに住んでいたので、帰ってきてからも何回も遊んだり出掛けたり一緒に過ごす時間が増えて、彼女の中で僕との時間より彼と過ごす時間が大切になっていった。彼女からしたらイタリア人同士で当たり前なことが多いけど、相手が日本人となると新しいことだらけで毎日が刺激的でワクワクだったのかもしれない。

今はその日本人の彼と結婚して子供もいるらしい。幸せになっているのだったら安心。僕の恋愛は上手くいかなかったけど、彼女との思い出は綺麗だからいつまでも大切にしたい。
あの頃の僕に言いたいのは、将来は日本で日本人のように暮らしているから当時の日本人プレイボーイのチャレンジの気持ちはきっと分かる、ということ。
とにかく話して言葉を使って学んで。その流れにたまたま彼女がいて、気が合って幸せになっただけ。
今でもその時の話を思い出しては、悲しい気持ちよりもイタリア人男性を負かせたあの日本人スーパープレイボーイの行動力に関心するのだった。

たまにはこんなどうでもいい話を書いてみたが、読んでいただき感謝します。
Grazie!

Massi

みなさんからいただいたサポートを、次の出版に向けてより役に立つエッセイを書くために活かしたいと思います。読んでいただくだけで大きな力になるので、いつも感謝しています。