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【栄養士が解説】~人気の夏野菜10種類の栄養効果と食べ方まで~おすすめレシピも紹介

酷暑の夏の季節がやって来ました。「体がだるい」「食欲がない」「頭痛がする」など夏バテの症状に悩まされている方も多いのではないのでしょうか?

そんな蒸し暑い夏を快適に過ごすために、夏バテを防止するパワーを秘めた夏野菜をご紹介いたします。
夏野菜を食べて暑い夏を乗り切りましょう!

夏野菜とは

夏野菜とはトマト、ピーマン、キュウリ、枝豆、オクラ、ナス、カボチャ、ズッキーニ、ゴーヤ、トウモロコシなどの夏に最盛期を迎える野菜のことです。夏野菜は種類が多く、彩り豊かで食欲をそそり、食卓を明るくしてくれます。

夏野菜の効果

旬の野菜は、その時期の体に必要な栄養素がたっぷり含まれています。
夏野菜には、水分やカリウム、不足しがちなビタミンなどが豊富に含まれており、体の調子を整えたり、暑さで疲れた体を元気にしてくれたりする働きがあります。

また、多くの夏野菜には、シミやしわ、生活習慣病などの活性酸素を除去する抗酸化作用の働きがあります。夏の強い紫外線のダメージが気になる方や美容に関心がある方も積極的に夏野菜を摂取して、健康な体作りを目指しましょう!

人気の10種類の夏野菜に含まれる栄養

ここからは夏の人気野菜について、含まれる栄養と特徴についてそれぞれ説明します。

トマト

画像出典:pixabay.

栄養素と働き

ヨーロッパでは「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるほど、栄養がたっぷり含まれています。

トマトの赤い色はリコピンという成分でβ-カロテンの約2倍といわれるほど、強い抗酸化力を持っています。ビタミンCも豊富に含まれているので、夏の強い紫外線のダメージから肌や髪を守ったりと美肌、美髪作りに役立ちます。

効果的な食べかた

トマトは加熱することで甘みやうまみがグッと増します。ビタミンCもリコピンも熱に強く、加熱しても安定した効果が得られます。特にリコピンは油に溶けやすい性質もあいまって加熱することで、吸収率が3〜4倍にアップすると言われています。

ビタミンEを含む植物油やナッツ類の食品と組み合わせることによって、ビタミンCやリコピンの抗酸化力も高めることができます。

ピーマン

画像出典:pixabay.

栄養素と働き

ピーマンにはビタミンCがたっぷりと含まれており、含有量はトマトの約4倍といわれています。

ビタミンCは夏の強い紫外線でダメージを受けた肌のコラーゲン細胞の生成を助けたり、シミやソバカスの素となるメラニン色素の合成を妨げ、美肌作りに役立ちます。また、ピーマンに含まれるβ-カロテンは暑さでバテ気味な体の免疫力も高めてくれます。

効果的な食べかた

ピーマンは、組織がしっかりとしているのでビタミンCが壊れにくいのが特徴です。

油でピーマンを炒めると、体内吸収が高まったり、かさが減るので量もたっぷり取ることができ、油との相性が抜群です。また、加熱することで香りも抑えられるため、食べやすくなります。肉や魚などの良質なタンパク質と組み合わせることで美肌効果もアップします。

キュウリ

画像出典:pixabay

栄養素と働き

キュウリは成分の約95%が水分です。夏場に汗をかいて不足しがちな水分を補ってくれ、脱水症状を防ぐ効果があります。

利尿作用の高いカリウムも豊富に含まれているため、体にこもった熱を排出し、体を冷やすのにキュウリが役立ちます。また、同時にむくみやだるさの解消にも効果があり、夏バテの疲労回復にも役立ちます。

効果的な食べかた

キュウリはカロリーも低く、食欲のないときでも手軽に食べやすいところが魅力的です。

ビタミンCを壊すアスコルビナーゼという酵素が含まれていますが、お酢と組み合わせることによって、この働きを抑えることができます。サラダや和え物などにはお酢を使うと良いでしょう。

枝豆

画像出典: pixabay.

栄養素と働き

枝豆は“畑の肉”と呼ばれるほど、豆と野菜の両方の特徴を持った栄養価が高い野菜です。タンパク質はもちろん、ビタミンA、C、E、B1、B2も豊富に含まれているため、抗酸化作用も期待ができます。

枝豆に豊富に含まれるビタミンB1とB2は糖質や脂質を分解しエネルギーを作りだすので、夏バテ防止や疲労回復に役立ちます。

また、枝豆に含まれるアミノ酸の一種メチオニンやオルニチンはアルコールの分解を促し、肝臓への負担を軽くしてくれることから、夏場のビールの飲みすぎ防止や二日酔い対策に効果的です。ビールと枝豆はアルコール分解の観点からみても理にかなった組み合わせです。

効果的な食べかた

枝豆は枝から切り離すと一気に味が落ちてしまうので、ひと手間かけても枝付きのものを購入するのがおすすめです。

また、枝豆に含まれるオルニチンやビタミンなどの栄養成分は、長時間冷蔵保存するとその効果がどんどん失われていくので新鮮なうちに食べきることで効果が期待できます。

オクラ

画像出典:pixabay. 

栄養素と働き

オクラの食欲をそそる独特の粘りの成分は、水溶性食物繊維のペクチンです。動物性の粘質物である成分のムチンは、免疫機能がアップすることに加えて、夏の弱った胃腸を整えたり、食欲を改善する効果も期待できます。

カロテン、ビタミンB1、B2、ビタミンC、カリウム、マグネシウムなども多く含まれ、夏バテ気味の体の免疫力を高めてくれる力強い野菜です。

効果的な食べかた

オクラに含まれるβ-カロテンは油と一緒に取ることで吸収率が高まり、油との相性が良いことから素揚げにしたり、豚バラ肉で巻いたりして焼いて食べるのがおすすめです。

水溶性であるペクチンはゆですぎるとお湯などに溶け出てしまうため、ゆで時間を短くしたり、できるだけ生で食べると吸収率を高めることができます。

ナス

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栄養素と働き

ナスの成分は水分が90%以上あります。汗をかくことによって、体内から失われやすいカリウムや赤血球、貧血を防ぐ葉酸が多く含まれ、夏バテ予防に効果的です。

ナスの皮に多く含まれるポリフェノールの一種である、“ナスニン”は強い抗酸化作用を持っており、夏の強い紫外線から守ってくれる働きがあります。

効果的な食べかた

ナスはぬかに漬けることによって、ぬかのビタミンやカリウムがナスに染み込み、効率よく取ることができます。ぬかの効果でビタミンやカリウムが約2倍にアップします。

また、皮に“ナスニン”の成分が含まれることから、皮付きのまま調理するのがおすすめです。

カボチャ

画像出典:pixabay.

栄養素と働き

カボチャはカロテン、カリウム、ビタミンA、C、E、B1、B2などが含まれ、栄養価の高さは野菜の中でもトップクラスです。特にビタミンA、C、Eの3つの栄養素が揃うことで高い効果を発揮します。

ビタミンAは粘膜や皮膚を強くしてくれる働きがあるため、夏の日差しで痛んでいる肌には強い味方です。ビタミンCは夏バテで弱った体の免疫力を高めてくれます。ビタミンEは若返りのビタミンとも呼ばれ、夏のクーラーで冷えてしまった体の血行を促し、老化を防止してくれる働きがあります。

効果的な食べかた

カボチャに含まれるβ-カロテンは油と組み合わせることによって吸収率が高まります。脂質を多く含む肉類やナッツなどと一緒にとるのもおすすめです。

また、わたにはβ-カロテンが果肉の約5倍も多く含まれているので、新鮮なものは捨てずに活用してみましょう。

ズッキーニ

画像出典:pixabay. 

栄養素と働き

ズッキーニはクセがなく、あっさりとした味わいの低カロリーな野菜です。
カロテンやビタミンC、B1、B2、B6が豊富に含まれており、夏の暑さによる疲労回復や食欲減退を抑制する働きがあり、夏バテ防止に役立ちます。

ビタミンCも豊富に含まれているため、夏の強い紫外線によるダメージを防ぎ、美肌作りに役立ちます。

効果的な食べかた

オリーブ油との相性も良く、一緒に調理することでカロテンの吸収率もアップします。

ズッキーニには、ほとんどタンパク質が含まれていないため、肉類やツナや卵などのタンパク質と組み合わせるのがおすすめです。

ゴーヤ

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栄養素と働き

ゴーヤはビタミンC、カリウム、カルシウム、マグネシウムなども豊富で夏バテ解消にうってつけの野菜といえます。

ゴーヤの独特の苦味成分である“モモルデシン”には胃液の分泌を促して食欲を増進させる働きがあり、食欲の落ちやすい夏にぴったりの食材です。

効果的な食べかた

卵や豚肉、豆腐などのタンパク質と組み合わせて調理をすることで、ゴーヤの苦みを抑えることができます。また、豚肉と組み合わせることによって、豚肉に含まれるビタミンB1が食欲を増進させてくれます。さらに食欲が増すようにするには甘辛い味付けがおすすめです。

トウモロコシ

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栄養素と働き

含まれる糖質は消化吸収が非常に速く、夏バテによる疲労回復やエネルギーチャージに効果的です。体の機能の調整役となるビタミンB1、B2、代謝を高める亜鉛、鉄分などのミネラルも含まれており、夏バテへの効果に役立ちます。

効果的な食べかた

トウモロコシの栄養素であるビタミンやミネラル類は水溶性で水に溶けやすいため、蒸す、電子レンジを使用するといった調理方法を行うと流出を抑えることができます。

~10種類の夏野菜まとめの表~

夏バテ予防にも効果抜群!夏野菜を使ったおすすめレシピ【栄養士監修】

ここからは夏野菜を使った、夏バテ予防に効果的なおすすめのレシピをご紹介いたします。

夏野菜のスタミナカレー

ナス、トマト、ピーマン、オクラと夏野菜をふんだんに使用したカレーです。鶏モモ肉のタンパク質とビタミンCがたっぷりの夏野菜と組み合わせることによって、スタミナ効果や美肌効果も期待できるメニューです。

材料(4人分)
トマト2個
ナス2本    
ピーマン2個
玉ねぎ1個
オクラ4本
鶏もも肉250g
水600ml
カレールウ(市販)100ℊ
オリーブ油大さじ4

作り方
1.鶏肉は一口大に切る。
2.トマトはくし形に切る。
3.ナス、ピーマン、玉ねぎはそれぞれ一口大に切る。
4.オクラはゆでて、一口大に切る。
5.鍋にオリーブ油を熱して鶏肉を炒める。肉に火が通ったら、トマト以外の野菜を加えて炒め、全体  に油がなじんだら水を加える。沸騰したら、弱火~中火で約5分煮込む。
6. いったん火を止め、ルウを入れて溶かし、トマトを加えて再び弱火でとろみがつくまで約10分煮込む。

豆腐とササミのさっぱり冷や汁


ナス、キュウリと水分がたっぷりの夏野菜の組み合わせが夏場の水分補給にぴったりなメニューです。食欲がないときでも、あっさりヘルシーに食べることができます。

材料(4人分)
鶏ササミ4本
酒小さじ2
キュウリ1本
ナス1個
みょうが2個
大葉3~4枚
白ごま 大さじ1
豆腐  300g
 (A)水2・1/2カップ
 (A)みそ大さじ2
 (A)  顆粒だし小さじ2
白ごはん茶碗4杯分

作り方
1.耐熱皿にササミを入れ、酒をふって電子レンジ(600W)で1〜2分加熱する。粗熱が取れたら、食べやすい大きさに裂く。
2.キュウリは小口切り、ナスは薄い半月切りにする。みょうがはタテ半分に切って、斜め薄切りにする。大葉は千切りにする。
3. ボールに2のキュウリ、ナス、みょうがを入れて、塩を加えてもみ、5分ほどおいてしんなりしたら水気をしぼる。
4.別のボールに(A)を入れて混ぜ合わせ、1のササミ、豆腐、3を加えて冷や汁を作る。
5.器に冷や汁を入れ、白ごまと大葉をトッピングして出来上がり。温かいご飯にかけて食べる。
 

完熟トマトと夏野菜たっぷりで作るラタトゥイユ

ズッキーニ、ナス、カボチャ、トマトと夏野菜たっぷりで作るラタトゥイユ。

冷やしても美味しく食べられるので夏場の食欲がないときにもおすすめのメニューです。

材料(4人分)
完熟トマト3個
ズッキーニ1本
ナス2本
カボチャ1/4個
ナス2本
玉ねぎ2個
ニンジン1本
ニンニク1片
オリーブ油大さじ4
トマトケッチャプ大さじ1
固形コンソメ1個
塩、こしょう適量

作り方
1.ズッキーニ、ナス、玉ねぎ、カボチャ、にんじんは1.5㎝角に切る。
2.トマトは湯むきをしてざく切りにし、ニンニクはみじん切りにする。
3.鍋に油を熱しニンニクを炒めます。香りが立ったら玉ねぎを炒め、カボチャ、ズッキーニ、ナスの順に加えて、炒め合わせる。
4.固形コンソメ、ケチャップを加えて、野菜が柔らかくなるまで約20分煮込む。
5.最後に塩、こしょうで調味する。

まとめ

夏野菜について栄養素からレシピまでご紹介しました。
夏バテの予防、改善には積極的に夏野菜を取り入れて栄養バランスが整った食事をすることが大切です。夏野菜の栄養素を効果的に取りながら、夏バテに負けない体作りを行い、暑い夏を乗り切りましょう!














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