滑稽で愛おしい日々
最近、近所に住む小学生の少年が
毎日のようにバスケットボールの練習をしている。
一人の時と、誰かと一緒の時。
その「声」と「音」が、そろそろ私の生活の中に侵食しつつある。
滑稽で愛おしい日々
平日は、夕方以降。
土日は、午前中から。出かける予定がなければ一日中。
「自宅に立派なバスケットゴールがあったら、私もバスケにハマっていたのだろうか。」
なんて考えたりする。
同時に
「そういえば私もとりつかれかのように毎日テニスやバレー、ドッジボールの練習をしていた時期があったなあ」
ということを思い出す。
学校が終わったらすぐに練習。
学校がない日も練習。
部活動もなかった小学校時代。
試合もないのに、「もっと上手にならなければ…!」という思いに掻き立てられて深刻な面持ちで必死に自分を鍛えていた。
…なんだか滑稽で、ほんの少し愛おしく思う。
彼は、バスケットボールのチームに所属していたりするのだろうか。
それとも昔の自分と、同じ気持ちなのだろうか。
中学生になったら、何に熱中するのだろうか。
わからないけれど、とにかく陰ながら応援している。
一人の時の音
ダン、ダン、ダン。
ザッザッザッ。
ボールの弾む音と
地面が“砂利”のような足音がする。
時々、ガコン!
その後また、ダン、ダン、ダン。
ボールの弾む音。
「ガコン!」というリングに当たった音が聞こえると
今のは入ったのだろうか、と、一瞬考えてしまう。
誰かとの音
「音」だけでなく、「声」がよく聞こえる。
「あ゛あ゛あ゛ーーーーーーー!!!」
「もう!!!」
「なんで?!!」
「マジで次、決めるわ。」
シュートを外したらしい時。
叫び声に近いボリュームだ。
悔しいのはわかる。しかし家で静かに過ごしている時に突然訪れると、
私は時々驚いて、数分間、心臓がバクバクしてしまうことがあるので、できればもう少しボリュームを抑えてほしい。
でもどこかで、
決めると言っていた「次」の音を聞きにいってしまう自分もいる。
「イエーーーーー!!!」
シュートが決まったらしい時。
拍手やハイタッチの音と共に。
「よかったね」と思う。
他のメンバーの声も聞こえて、とても楽しそうだ。
今日は、誰か大人の人にレクチャーを受けていたようで
いつも以上に生き生きとしていた。
一人で練習して、自分と向き合ったり
誰かと練習して、楽しかったり
誰か大人の人に教わって、教わったり、見守ってもらったり。
…それぞれ色々な楽しみ方、良さがあるよな、と思った。
冬は寒かったからか、あまり聞こえなかったその「声」と「音」に
気温や植物以外の角度から、
春の訪れを感じた今日である。
2024.4.9
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