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雨の日には、カーテンを開けて。

今月に入ってから、私の部屋の外では外壁塗装の工事が行われている。
そのため、1日の大半は窓やカーテンが閉まっている状態の日々を送っている。

しかし雨の日には、工事がお休みだ。

朝、目が覚めて、雨音が聞こえると
私はそっと、カーテンを開ける。


どんな光よりも、自然光が一番好きだと思う。
照明よりも柔らかくて、目に優しい感じのする、自然の光。

晴れた日に、カーテンと窓を思い切り開けた外の景色を、ここしばらく見ていないからか
雨が降っている、どんよりとした天気でも
カーテンを開ければ、やっぱり明るいなあ。と思う。

あいにくの雨。
それでも、久しぶりに外の景色が見られて嬉しい。

…そんなことを考えていたら
私の暮らしの中にいた“カーテン”と“光”の思い出に、心を持っていかれてしまった。


いつでも夕方の部屋


実家にある私の部屋は
同色で小さな花と葉、ツタのようなデザインが施された、“落ち着いた黄色”のカーテンがかかっている。
小さい頃、初めて自分で選んだものだ。

西向きの部屋ということもあって、朝日があまり入らない。
その代わり、夕方になると、カーテンの色が最大限に活かされ、夕陽と黄色いカーテンの融合は、とても明るく美しい。

その部屋が、日中もカーテンが閉まっている様子を見ると
私は必ず「いつでも夕方の部屋」だ、と思ってしまう。


レースのカーテンと、夕日。


そういえば
これまで一人暮らしをしてきた部屋を思い返すと、割と共通点がある。

運のいいことに、最上階の角部屋に入居することが続いた。
学生時代のマンションが一番、居心地が良かったかもしれない。

そして…ほぼ毎回「窓が西向き」だった。

そうは言っても「南西」や「北西」と言えるくらいには、日中も暗すぎることはなかったけれど。

美しくも、鋭く熱を持った夕日は
直に浴びたら日焼けをしそうだと感じるほど、結構なパワーを感じる。


一番最初に一人暮らしをした時。

夕方。
白いレースのカーテンに、突然「もみの木」が映し出された。

驚いてベランダに見に行くと
そのマンションのベランダの、手すり部分の中央はフェンスになっていて、もみの木のイラストがデザインされたものだった。

そこに夕日が差し込み
レースのカーテンはスクリーンとなって、もみの木が映し出されたのだ。

特に「もみの木」に対して特別な感想はなかったけれど
その光景自体はとても癒されるもので、夕日が落ちるまで眺めていた日があったことを、今でも思い出す。



…次の引越し先では、前回と窓の大きさが違ったので、新しいカーテン。
「白」ベースに、「色とりどりの花のイラスト」がプリントされたレースカーテンを使っていた。

刺繍ではなく、プリントをされたレースのカーテンは、
外から光が入ると、一番その魅力を発揮できるのだと思う。

一つ一つの色が、“ステンドグラス”のように綺麗に輝くから。


そのカーテンには長らくお世話になった。
全体的に少し色が舞っていたので、西向きの部屋であろうと、雨の日であろうと、一定の明るさを部屋にもたらしてくれていたと思う。

カーテン自体が、優しくもカラフルなため
日中の優しい光とのバランスがちょうど良かったし

何より夕方。
部屋の電気をつけずに、窓から刺す光だけで日が暮れるのを待つのが一番好きな時間帯だった。
部屋の中に、大きな花柄のステンドグラス。

…夜には雰囲気が明るすぎるので
遮光カーテンを閉めてようやく、目も心も、夜にシフトできた。


初めての、東に窓


最近使っていたのは、白地に白い糸で、膝のあたりから草花の刺繍が施されたレースのカーテン。
まるで本当に床から草花が生えてきているかのような、リアルな刺繍。
色がついているものも販売されていて、それは本当に草原を歩いているようなデザインだったけれど
白い布に、白い糸という組み合わせが今の自分的には好みで
自分史上、一番今の自分らしいカーテンに出会えた。と思う。


そして、初めて東向きの部屋に住むことができて
朝がこんなにも明るいなんて!と感動した初日の朝を、今でも覚えている。


夕陽の降り注ぐ西向きの部屋も
朝日の降り注ぐ東向きの部屋も

どちらもそれぞれに情緒があって素敵だけれど
今は、できるだけ明るい気持ちで朝を迎えられる、東に窓がある部屋の虜だ。


暗い部屋に長時間いると
なんとなく、少し気分も落ち込んでしまうような気がする。

窓から入る優しい光は癒されるけれど
やはり太陽の光は、全身で浴びるのが一番だ。


晴れた日の空を見るために
カーテンをシャーッと開ける日が、待ち遠しいな。


…そして、おそらく私は

窓が好き。
窓から差し込む光が好き。
その光を通す、レースのカーテンが好き。
それらを眺める時間が好き。

自分のことで一つ、新たな発見をした。



2024.10.17

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