見出し画像

真夏の「怒り」エネルギー

果たして夏は、イライラすることが増えるのだろうか。

怒っている人を見かけた時。
自分が怒りを感じた時。

良いか悪いかは別として
「怒り」という感情から、大きなエネルギーを感じた昨日のこと。


ピリついた雰囲気


昨日の午前中、病院の皮膚科にて。
私は、名前を呼ばれるのを待っていた。

いつもとても混雑している病院のため、ある程度は覚悟して行ったのだが、やはり午前中がまるっと潰れてしまった。

朝一で行って、トータル2時間半。
そのうち1時間は外で時間を潰したけれど、それでも1時間半、座る場所がなかったので立ちっぱなしでの待機となり、暑さも相まってバテてしまった。


その時の病院の空気感。そこには

「(院内が)暑い
「(呼ばれるのが)遅い
「(待ち時間が)長い
「(待っている人が)多い

誰もがこの“4つの形容詞”を頭に思い浮かべていたことだろう。
…なんともピリついた雰囲気が漂っていた。


皮膚科とリハビリテーション科がメインの病院であるため、風邪などの症状がある患者さんはあまりいなかった。
つまり皆、何かしら不調はあるものの、ある程度は元気なのだ。

…だからだろうか。“怒る元気”もあるのかもしれない。


その病院は、受付や事務の看護師さんたちがとても塩対応なことで有名だ。

実際私も、言葉選びや表情、態度にムムッと思ったことはある。
また、5名ほど並んで受付しようとした際に、なぜか私の前で突然締め切られた時。まだ受付中だけれど、午後から手術があるので今日はここで締め切ります、と。
もしも会社を休んだり、わざわざ半休を取って来た人がいたら可哀想だ…と思った記憶がある。


さらに、ご高齢の方が多く、どうしても会計や診察室への移動などに時間がかかってしまうこと。

事前予約を受け付けていないので、状況が読めないこと。

節電なのか、換気する窓がないからか
いつもこもった空気があり、蒸し暑いこと。


…どうしようもないことだとわかっていても
あまり穏やかな空気感ではなかった。


それでも
先生は物腰も柔らかくとても優秀な方で、薬もよく効く。困った時はいつもここ。という場所なのだ。きっと、私以外のみんなもそうなのかもしれない。


そしてその空気感は、やはり“暑さ”も原因の一つなのかな、と思ったのだ。


「怒り」のイメージ


例えばゲームやアニメなどで

舞台が「怒り」をテーマにした“国”だったり、
「怒っているキャラクター」“敵”として登場することがある。

背景は「火山」「マグマ」が爆発している様子だったり
“敵”は叫び、怒り狂い、暴力的にこちらに向かってきたり。


…そんな様子を見ていると、私はいつも思う。

暑い。

熱い。

怖い。

声が大きい。

血圧高そうだな。

どこかに水はないだろうか。

一旦落ち着いて…。


それから、元気だな。…とも思っていた。

現実で怒っている人を見かけた時も同じだ。

誰かの怒りを見ると、一緒に加熱する場合もあるかもしれないけれど
基本的には逆に熱が冷めていくというか、自分は冷静になっていくことが多い。


怒っている時の“イメージ”として

頭から、湯気。

鼻息が荒い。

血圧、脈、体温が上がる。など。

…なんだかどれも、“熱”を発している。


そのため、近くでその熱を感じると
“水”や“冷静さ”など、“熱を冷ます何か”をいつも探している。

ゲームで敵と戦う時に
おそらく弱点であろう「水」や「氷」を探すかのように。


夏はエネルギーで満ちている。


「元気」があるから、「怒り」を「パワー」に変えられるのか
「怒り」があるから、「パワー」が生まれるのか。

…どっちなんだろう。


そういえばよく映画やアニメなどで

「その“怒り”を“パワー”に変えるんだ!」

みたいな場面を見たりする。

するとキャラクターは声をあげて、身体中燃え上がって、大きなパワーを発揮する。


…一理あるな、と思う。

もはや「怒り」そのものが、「パワー」なのかもしれない。
そして「暑さ」はそれを少し加速させるような気がする。

だから夏は、
イライラする人も増えるような気がするし
だからこそ“生命力”を感じられる季節のような気もするのだ。

“火山”なんてまさに、生命。という感じだ。


そういえば…と、理科の授業を思い出す。
熱量とか、エネルギーとか、なんか色々あったっけな。


…そんなことを考えていた、1時間半の待ち時間。


夏は暑い。
エネルギーで満ちている。


木漏れ日からも熱を感じるほど、照りつける“太陽”。
原色が鮮やかな“植物”たち。
ピカっと光って、ドーン!と轟音を響かせる“雷”。
会話を妨げるほどの“蝉の合唱”。

…「怒り」を差し置いても、パワフルなものばかりだ。


でも、暑さに関しては
暑くて体が“疲れやすい”のも事実だ。
疲れていると、怒る元気さえなくなることもある。
体がだるくなって、早く休みたくなって
それなのになかなか休めない状況にイライラして…ということもあるかもしれない。

怒る時は「元気がある」とは限らないと、ここまで書いてみて思った。


暑いから、人はイライラしてしまうのか。
イライラしているから、人は暑く感じるのか。

「暑さ」は直接エネルギーに変わることはないかもしれないけれど
少なくとも「イライラ、怒り」には繋がりやすい。

どちらにしても
そのおかげで夏は活気があるのも事実なのかもしれない。
…それにしても暑すぎる。


もしも
目の前で受付終了と言われたたあの日が“真夏”だったら、感情は「怒り」に変わっていたかもしれないし
“真冬”だったら、寒さと悲しさで、心が縮こまっていたかもしれない。

あの時の季節は、いつだったっけ。
…まあ、どうでもいいか、と思いながら


とにかく今は
冷静さと、水と、爽やかな空気。


あらゆる熱を冷ますため
「冷却」を求めた半日だった。

…やはり暑い時は
体の内側からも外側からも
冷やす何かをいつもそばに置いておこう。



2024.7.25

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?