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昭和から令和へ、こどもから大人へ、感動をどう再現するか シン・ウルトラマン

※パンフレットを読み、2回目鑑賞をしたので追加してます(追加の方はネタバレあり)

Filmarksに感想を書いていたら、長文になったのでnoteにも。

1回目鑑賞の感想(ネタバレなし)


こどもの頃から慣れ親しんできたウルトラマン。
空想特撮映画として、改めて現実と空想を混ぜたものを鑑賞することで、自分の中で何が起きるのか。

こどもと大人の追体験の違い。
こどもの頃って、大人の会話パートはよくわからず、「怪獣をウルトラマンが倒す」という部分に絞って、ウルトラマンを見ていた。
「ウルトラマンになりたい」は、「ウルトラマンになって怪獣を倒したい」であって、「地球規模の責任を負う」といった面倒くさい面はあまり意識していなかったな。
巨人として身体を動かすだけで起きる破壊と死、怪獣と戦うことで起きる大きな破壊と沢山の死、ウルトラマンと地球人の2つの分人(価値観や常識が大きく異なる)。国家元首以上の重い責任と意思決定って、想像することすら難しい。
「ウルトラマンになりたい!」と言っているこどもに、「シン・ウルトラマン」を見せたらどうなるのか・・・。


昭和の常識、令和の非常識(時代が変わると常識も変わる)

「尻を叩く」言葉の意味:やる気を起こすように励ます。
現代ではあまり使われなくなった表現、女性が発言しやすくなったことによる反応。ソーシャルディスタンスの対義語としてのスキンシップ。

フジ隊員と浅見の巨大化
服装の違い、カメラ角度の違い、解像度の違い
人間の目線の高さを体験できるローアングルより、顔や手が巨大化サイズの高解像度で撮影されている方が恥ずかしい気がする。


昭和から令和へのグラデーション
音楽:宮内國郎から鷺巣詩郎、そして米津玄師へ
映像&メイク:昭和のような表現から現代の表現へ
長澤まさみの百面相のような表情の変化が興味深かった。
意図的なのか偶発的な部分もあるのか。


ごっこ遊びや変身願望の象徴としての「ウルトラマン」。
自分の中の「ウルトラマン」と向き合ういい機会になる。
うーむ。もう一度、観たくなってきた・・・。

パンフレットを読んで、2回目鑑賞(ネタバレあり)

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パンフレットを読み、2回目の鑑賞を。

パンフレットで触れた製作者の意図
・外星人として人間をみるウルトラマン、人間としてウルトラマンに人間らしさを伝える禍特対
・過去につくられたものの感動を、どう今の人達に伝えるか。ウルトラマンを今の物語と今の映像としてアップデート。
・画質の良し悪しよりもアングルの面白さ
・現在の技術でどうウルトラマンをつくるか

敵性大型生物第6号まで、ウルトラマン抜きで防衛しているのはすごい。消息不明の第4号ラルゲユウスは何処へ。

意識的にカメラアングルを見ていると、既視感を覚えない様々な遊びのあるアングルが盛り込まれていて、面白い。浅見の巨大化シーンも、アングルの面白さを考えると、自然とああいったシーンになりそう。
(シン・ウルトラマンをカメラアングルを意識して鑑賞した後に、シン・ゴジラのカメラアングルを観ると、違いが感じられて面白い)

浅見が自分の尻を叩くシーンも、アングル遊びがポイントになっているところ。外星人・神永の尻を、人間・浅見が叩くシーンのための布石のようにも受け取れる。

現在の映像表現として採用されたCG。特撮のようなリアルな表現(ウルトラマンにウェットスーツを着せたり)、人間ではありえない関節の動き。

本編冒頭映像を使って、カメラアングルの面白さを伝える記事を書きました。


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