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#エッセイ

限界の足音

「Twitterのフォロワーがひとり減って、あれ、と思ったらインスタもひとり減ってて、2日前のLINEも既読にならなくて、あ、切られたって思ったの」 アイスココアをストローでぐるぐるとかき混ぜながら彼女は言う。「切られた」と私がつぶやくと、「うん。音信不通」と射抜くような目でこちらを見た。 よく陽の当たるテラス席だった。友人は彼氏が1年間の交際のなかで一度も怒ったことのない温厚な人だったこと、学生時代のバイト先の先輩であったこと、激務で鬱病を患ってからも変わらずに優しかった

One of them であること

“自分”という人間を一つのものとして考えるから、自分探しや自己実現なんてものを追い求めてしまう。見せ方なんて気にしてしまう。何者でもない自分、なんて現実を受け入れられず目を背けようとする。”本当の自分”なんて幻想で、あるのは自分という人間の生きてきた時間と状況の変化の積み重ねだけ。 “自分らしさ”みたいなものを内側から描こう描こうとするから、自意識や承認欲求ばかりが肥大化して、破裂しそうになる。逆に、他者のために何が出来るか、今いる居場所で何が出来るか、など自分の”外側”を

"理想の選択肢"と"最も自分が成長出来る選択肢"は違うのかもしれない

2021年1月、オーストリア1部のFC Wacker Innsbruckというサッカーチームに所属することが決まった。 そう、私は夢だったプロサッカー選手になったのだ。 しかし、幼少期の頃の私はプロになれるような人間ではなかったと思うのです。4つ上の兄とはよく殴り合いの喧嘩をしていたし、母のアドバイスに耳を傾けることすらできない。周囲からは問題児と評されることも珍しくはない子供だったからです。 では、なぜ問題児だった私はプロサッカー選手になれたのか。今日はこれについて書

自分が無い。

「どうしたい?」と聞かれても、どう答えてほしいんだろう?と、考えてしまう。 「どう思う?」と聞かれても、どう答えたらどう思われるだろう?と、考えてしまう。 どこへ行きたい?なにが食べたい?何時まで居られる?いつ会う? どこへ行きたがったら喜ばれるか、なにを食べたがったら気に入られるのか、いつまでなら居てほしいのか、いつまでには帰ってほしいのか、いつ会いたいって言うのが正解なのか。 疲れるからあんまり歩きたくないけど、つまんない人間って思われたら嫌だな。お金かかる所だと迷

人気者で行こう

いろんな人を見てきて想うこと。 努力が好きな人って、気が付いたらずいぶん前に進んでいる。大きな飛躍に必要なのは「運」だけど、「努力」には確実な一歩前進がある。一つひとつの足し算。そこに「運」が鉢合わせすると、今までの「努力」はかけ算に変わる。 当たり前のことをあえて言うと、「運」は人と関わっていった方が訪れやすいんだ。自分が生み出すものではないからね。「運」は、誰かが運んでくれるもの。 世の中で活躍している人というのは、単純に「誰かを幸せにしている数が多い人」のことだと思

20歳で起業した僕が、うつ病とチーム崩壊を経験した話。

先日、個別育成ツール「Aruga(アルガ)」を公式リリースしました、Aruga代表の木村です。 19歳でトレーニング共有サイト「シェアトレ 」を思いつき、筑波大学在学中に起業。昨年社名を「Aruga(アルガ)」に変更。現在は24歳です。 サッカーしかしてこなかった学生が、ビジネスの世界に足を踏み入れてからの5年間、本当にたくさんのことがありました。 一番辛かった出来事は、自分がうつ病になりチームが崩壊したことです。正直、地獄のような日々を経験しました。 会社を立ち上げて

才能に悩んだら、ぜんぶ物語のせいにしてしまえばいい (#教養のエチュード賞)

「君って心が安定してるよね」 会社の考課面接にしては、ずいぶん曖昧でゆるい言葉だなと苦笑いしていると 「あ、一応、褒めてるんだよ?」 と申し訳程度のフォローをいただいた。 いろんな企業で、やっぱり社員のメンタルヘルスが課題となっているようです。仕事量はそのまま、責任もそのままに部下を働かせられる時間は激減・・・管理職は大変そうだなぁ。できることなら、なりたくない。 「心が安定」しているのが良いことなのかは分からないが「秘訣は?」と聞かれると、コツはやっぱりひとつしかない

特徴を"直す"よりも"活かす"。自分と上手く付き合うために #コミュ力なんていらない

「みんな違って、みんないい」 金子みすゞ「わたしと小鳥とすずと」の詩の一節です。 ただ個人が持つ"特徴"が場合によっては本人を苦しめてしまうケースもあります。 「みんなが出来る事が自分に出来ない」と思い込み、特徴を直そうとして上手く行かなかったり。特徴は”直す”よりも”活かす”方が楽なのかもなあ、と「コミュ力なんていらない」を読んで気づきました。コミュニケーションの本ですが「自分と上手く付き合うための本」でもあると思います。 人見知りだから、SNSを起点とするコミュニケー

防具がないのに突っ込んで行くタイプHSS型HSPの話

HSPという言葉をご存知でしょうか。 とても敏感なひとたち、という意味です。病気ではなく人の気質のことで、日本人の15〜20%がこのHSPらしいです。 心当たりがある人が5人に1人?“HSPあるある” ・周囲の微妙な変化にすぐ気づき、空気を敏感に読む ・相手がどういう気分なのか、気になってしかたがない ・人にどう思われているか、とても気になる ・間違いを指摘されると傷つき、なかなか立ち直れない ・忘れ物やミスがないか、何度もチェックするほうだ ・ちょっとしたことにも

都市という巨大コミュニティのあり方で戦った二人 ージェイン・ジェイコブズ ニューヨーク都市計画革命ー

大学時代に少し地図にまつわる研究をしたこともあって、都市計画にまつわるこの映画ずっと興味があったのだけど、Amazon primeでレンタルできるということで、ついにみた!👀 ざっくり映画のあらすじや、印象に残った一言をまとめてみる 登場人物 これまでの名誉や建築の経験をバックにニューヨークなど大都市の都市計画を進めていくロバート・モーゼスと、建築関係雑誌の編集者で、街を深く理解しながらあるべき都市の形を論じていくジェイン・ジェイコブズ この二人の対決が、知人(主にジ

結局、自分にしかなれないなら「不完全さ」を含めて愛するしかないじゃない

SNSを見ると、知人の活躍が目立つようになり、羨ましい一方比較して落ち込む事がかつてはありました。ただ、どれだけ足掻こうと、「誰かにはなれず、自分にしかなれない」んだなと最近は思っている話です。 意図的に作る「自分との対話時間」年末にcotreeさんのコーチング感想対談イベントに出させていただくことになりました。 感想noteを書いているもののイベント登壇にあたって、cotreeさんで受けたコーチングの内容と性格特性の資料を見直しています。 https://as.cotr