見出し画像

【人材育成】おばちゃん最高!

店長時代、店のスタッフには、
自称53歳のおばちゃんが一人いました。
(多分、実年齢は、もっと上)

その他のスタッフは10~20代

このおばちゃん、料理を提供する際
普通は、両手に2個持ってお出しするのだが、

重いからと言って、
1個ずつしか運べません

来店したお客さんに席を案内する際も

「12番テーブルへどうぞ。」って、

お客様はどこが12番なのか、分からない。

レジは目が見えないからと言って、触ろうともしない。

そんなおばちゃんがフロアにいました。

一見すると、ツカエナイおばちゃん

でも僕は、このおばちゃんの時給を
誰よりも先に、誰よりも高く
上げる事に決めました。

周りのスタッフからは、

なぜ?どうして?の猛攻を受け、
ちゃんと説明することにしました。

画像1

おばちゃんの時給を上げた3つの理由

1、お客さんが来店するのを見ると、
  ドアを開けてあげるから

渋谷という繁華街で、
しかも定食屋ごときで、
ドアを開けてお客さんを迎える
帰る時もドアを開けてくれる

そんな店はうちしか無い。

2、一度来たお客さんの顔を、
  忘れずに覚えているから

渋谷というドライな街で
店の人に顔を覚えられている
というのは、ステータスに似た
優越感を感じられるから

しかも、一回来ただけで覚えるのは
神業❗

ドアを開けながら、「あ~ら、久し振りね。」
「最近来ないから心配しちゃった」
「今日は何食べる?前と一緒?」

「いらっしゃいませ。」だけではない、
お客さんとの会話が、自然に行われていた。

3、お客さんから呼ばれるとき、
 「すいませーん」ではなく、「おばちゃん」
 と愛情込めて呼ばれているから

「おばちゃん」がニックネーム化し、
お客さんからも、
「そこで、たい焼き売ってたから
買ってきた。食べて」とか、

「これ、出張のお土産」などと、
お客さんとの信頼関係を作ってくれた

僕は、この店をこんなアットホームな店に
したかった。それを実現してくれたから
おばちゃんを最高時給に上げた。
と説明しました。

みんなが出来ないことを、
おばちゃんがしてくれている。

だから、おばちゃんが出来ないことは
みんなでフォローして欲しい。

そう言って納得してもらいました。

画像2

店長ウザい!ハエか?

その結果、フロアスタッフが
ホスピタリティーに目覚めてしまった。

おばちゃんの休みの日は、他のスタッフが
ドアを開けたり、
セルフサービスなのに、お茶を汲んで
席を回ったり。

店長の僕は、その分、
フロア内を走り回って、
オペレーションの鬼になるしかない。

当時お客様アンケートを行っていたが、
「接客」の項目は9割以上「大変良い」
に〇がついていた。

「その他ご意見」の欄に書かれていたのは
「店長ウザい」「店長ハエか?」「動きすぎ」

それでも良いと思った。

僕への批判は、大いに結構
その反面、アンケートには、
「○○さんのサービスは素晴らしい」
「△△さん、お気遣いありがとう」

そんな名指しの書き込みが
目立つようになってきたから。


後日、僕の店舗は社内で、
ホスピタリティNO.1の表彰を受けました。


人材育成のコツ

おばちゃんを味方につける。
但し、おばちゃんに作業能力を
求めてはいけない。

1人のスタッフの長所を全員に波及させる
1人の短所は全員でフォローさせる
このことは、スタッフ全員に伝える
納得すれば、自ら成長する。


ウラ話😁

おばちゃんとサシで話したことがある。

「どうして、一回で顔を覚えられるの?」

「そんな~。覚えられないわよ」

「え?」

「久しぶりって言っても、この店
常連さんが多いから大体当たるのよ」
「外れたら外れたで、気にしないのよ」

「お客さんから、おばちゃんって
呼ばれれば、その人、常連さんでしょ。
そしたら、少し雑談するだけ。
それで、ようやく顔覚えるかな」

おばちゃん、恐るべし!

そして最高!

ありがとうございます。100円で、6本増やせます。 あ、増毛の話です。