サッカーで例える「なんたら長」の動き1
「なんたら長」はリーダーでなくパサー、という私の記事をきっかけに、こへいさんが連続記事を御執筆されました。
IT業界、SE業界における実感、体感を踏まえて、さらに選手としても述べられた、とても良い記事だと拝察いたします。
良い刺激になりましたので、私見を述べます。
「ラストパス」でなく「起点となるパス」
「なんたら長」はリーダーでなくパサー。
そして、パサーはMFという意味ではない。
上記拙稿の執筆時に、私が「SBでもSMFでも」を入れなかったのには理由があります。
サイドは優れたドリブラーが多いからです。
後ろからドリブルでぶっこ抜きにしてアシスト、というラストパスのパサーを想起されてしまうと、私の趣旨からは程遠くなります。
また、優れたドリブラーが多いため、ドリブルでなくても、サイドの駆け上がりが注目されます。
オフザボールでも攻めの注目度が高いんです。
「足よりも首を動かし」と述べているというのにサイドのイメージが混ざると、「足も」になってしまわないかな、と思いました。
私が「なんたら長」に期待しているのは、また、期待されないといけないと強く思っているのは、「ラストパス」でなく「起点となるパス」です。
起点となるパスを出せ、という意味合いで述べる時に、ラストパスのイメージを混ぜたくなかったので、サイドは敢えて入れていませんでした。
サイドから起点となるパスを出す、という理解が出来る方には、パサーで通じるかな、と思ったという側面もあります。
守りから攻めに転ずる時
起点となるパスは、どこからでもつくられます。
サイドからも。センターからも。GKからも。
その中でも特に、守りから攻めに転ずる時こそ、起点となりやすいです。
これはボールの奪取時に限りません。
味方が良い場所に上がった時。
相手が良い場所からズレた時。
試合を変えるプレイがあった時。
パサーが最もしないといけないのは何か。
パスを出すことです、と言いたいところですが、違うんです。
パスを出せる場所にいることです。
味方の場所を把握し、味方が行くであろう場所を把握し、パスを出せる場所にいることです。
良い場所にいるから起点となれるのです。
攻守に効くのが大前提
ただし、起点となることが目的化してしまうと、攻守に効くことが出来ずに負けます。
目的は起点となることでなく、勝利すること。
「なんたら長」が起点となるパスで賞賛されて、敗北するようでは話になりません。
「なんたら長」の場合には、賞賛を仲間に譲ってでも、チームの賞賛を狙わなければいけません。
良いパスは出来るけど、守備が疎かであるという状態は、長として望ましくはありません。
攻守に効くのが大前提であるということ。
マネジメント業務の大前提です。
元FWで老害化してしまったDFは、守りを欠き、過去の攻め自慢をするから論外なんです。
大前提を述べた上で「なんたら長」の「守り」を述べていきます。
「なんたら長」はカバー
この文脈における「守り」は、悪用されると困るので、慎重に述べたいと思っています。
「自己保身」や「組織保身」に悪用出来るので、今まで述べにくかったところですから。
けれども、踏み込んで述べようと思います。
私が「なんたら長」に必須だと思っているのは、カバーと埋めです。
1stDF(デュエリスト)を「なんたら長」が自らする組織は、小さいか、弱いか、のどちらかです。
攻めの時にストライカーを「なんたら長」がするようなものだと思います。
「なんたら長」がやるべきは、カバーリング。
2ndDFだったり、そうでなかったりします。
この時に、1stDFのせいにして、あいつが上手ならカバーなんて要らないのに、と言うようならば、「なんたら長」の存在意義はマイナスです。
そんな「なんたら長」なんて、組織にいさせてはいけません。
カバーリングを1stDFのせいにしてごちゃごちゃと言う2ndDFのほうにこそマイナスがあります。
「みんな1stDFを悪く言っている」と言うならば、そのチームにいてはいけません。
「なんたら長」は埋め
「なんたら長」本人が2ndDFにはならなくても、誰かを2ndDFに行かせたほうが適切な守備であることもあります。
ただ、その場合は、行かせた人間によって出来たスペースを埋めなければいけません。
老害に最も出来ていないのはここです。
1stDFが上手ければ行かなくて良いだとか。
1stDFのせいで2ndDFになってもらっただとか。
そういう老害はいてはいけません。
2ndDFのスペースを埋めるのが最優先。
1stDFを責める作業なんて、マイナスです。
行かせたら埋める。行くなら埋めさせる。
強い組織は必ずします。義務としてします。
現代サッカーは攻めも守りもスライドが多いのでわかりにくいですが、埋める守りは義務です。
けれども、弱い組織の老害は、1stDFを責める。
2ndDFを責めることさえある。
愚かな作業、組織を弱体化させる作業です。
カバーも埋めもやらずに、「俺だったら」では、勝てるものも勝てなくなります。
地味で良い
また、DFが奪取した後の動きも大事です。
パスをもらえる場所にいなければなりません。
良い場所にいる能力のないパサーなんてものが、良いパサーになることなんてありません。
スペースの埋めで相手の攻めを消す時も。
ラストパスでないパスが起点になる時も。
地味であろうとも。
いつでも良い場所にいて、攻守に効く動きをするのが、良い「なんたら長」です。
「なんたら長」の動きなんて、チームの総合力が発揮出来さえすれば、地味で良い。
私はそう思っています。
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