「なんたら長」はリーダーでなくパサー1
前回、「なんたら長」はサッカーで言うとパサーである、と述べました。
今回、もう少し詳しく述べます。
組織に長を置くのは何のためか
そもそも、組織に長を置くのは何のためか。
上司と部下を生じさせるためでしょうか。
日本語の悪いところで、組織に上下をつくると、大震災時に全滅します。
宮城県の石巻市立大川小学校のように。
上司に「上」という文字が入るのは日本語の悪いところなんです。
組織を取りまとめるためでしょうか。
確かに、取りまとめて裏山に避難できていたら、大川小学校は全滅していません。
けれども、きちんと取りまとめて待機をさせて、その結果、全滅しました。
組織を管理するためでしょうか。
大川小学校は、校庭で待機を命じ、部下と児童を管理してしまったため、教頭も教員も児童も全員死ぬことになりました。
上から押さえつけなければ死なずに済んだのに。
文科省の瑕疵
「校長のリーダーシップ」というのは、文科省の瑕疵なんです。
校長がリードをして裏山に避難する、なんていう机上の空論が出来るわけがないでしょう。
勿論、「津波てんでんこ」であるため、真っ先に校長が避難し、そこから教員や児童に呼びかけるのは、正しいことです。
けれども、正しいけれど正しくない。
老いた校長が真っ先に避難していようと、体力のある教員が追い抜くからです。
船長や艦長のように、全員を避難させ、そして、最後に校長が避難することになるでしょう。
リーダーシップを発揮するべき人間であるのに、老いてリード出来ないのですから、文科省による机上の空論は、行政上の瑕疵なのです。
総大将は斬り込み隊長ではない
そもそも、校長はリーダーシップを発揮するべき人間ではありません。
リードする、我先にと先導するのは、あくまでも斬り込み隊長です。総大将ではありません。
総大将は斬り込み隊長ではないのです。
※桶狭間は例外だから特筆されているのです。
前にいるべきでなく、後ろにいるべきです。
そういう意味で、リーダーでない。
戦国時代で言うと、後詰めです。
サッカーで言うとパサー。
ワントップでなく、ゲームメイカーです。
FWではないのです。
パサーは足よりも首を動かせ
パサーは、要所要所で走れば良いんです。
率先して走るなら、ポジションを変えるべき。
足よりも首を動かし、目を凝らし、声を出す。
GKでもCBでもDMFでもOMFでも。
後ろから声を出し、パスを出すのがパサーです。
ボランチです、と私が言わないのは、DMFに限る話ではないから、というのもあるんです。
※勿論、「つまり舵取りだろう。」と、早合点してしまう老害にウンザリしているのもあります。
良いパスには観察が要るんです。
良いパスには練習が要るんです。
良いパスには信頼が要るんです。
自分よりも前の選手の能力を観察し、その上で、練習では位置を指示し、試合では位置を把握し、そして、信頼をしてパスを出す。
パサーの「なんたら長」がどれだけいますか。
目よりも口が動いていませんか。
口でリードするより先ず、目で観察するのが先、耳で傾聴するのが先、じゃないんですか。
観察力、或いは、傾聴力、これ抜きで長を名乗るのが間違いなんです。
大川小学校の教頭は、地元の区長の意見だけしか傾聴できず、全滅の原因となりました。
待機をリードしたからです。
時には判断さえパスして、徹底的にカバーする。
これぐらいの組織のほうが、全滅せずに済む。
大川小学校でもそれが出来ていたなら、どれだけ良かったでしょうね。