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手帳【エッセイ】六〇〇字

(ちょっと長いつぶやき)
「八王子市民、アメリカ国民に続いて兵庫県民。まさかでした」と、友人のSさんからLINEが。

 何を言わんとしているか、わかりますよね?(笑 ワタクシの周辺では、ほとんどのひとが同じ感想を持ったでしょうね(「八王子」は、アベ何某の別荘での写真に写っていた、“裏金”でも有名人の選挙区。(◎_◎;))。
 今回の兵庫での出来事については、「判官びいき」「義憤」(いずれも歪みのある)と、「デマゴーグ」がキーワードと、思っています。

「よく知らんけど、なんかテレビや新聞でイジメられているじゃないか」
「まじめそうな顔しているじゃないか」
「ひとり駅前に立って、弁解しているそうじゃないか」
「可愛そうじゃないか」
「イジメは許せん」
「ひとりイジメの構図」と受け取り、「正義感」がメラメラと燃え、「義憤」にかられ、「奇兵隊」というSNS(X)を立ち上げた。それが他のSNS(YouTube等)にも飛び火し、(当人たちも)想定外の展開になった。
 この背景には、新聞各紙(購読している朝日、毎日、東京)は、既成のメディアや政党への(「隠している」という)不信感と、反して、ネットへの(「本音」で語れる)親近感がある、と分析する。
 「既成のメディアや政党への不信感」というのは、程度の差はあれども、最近の腰砕け状態を見せつけられると、わかる気もする。しかし、誹謗中傷や根拠のない発信が多いネット、SNSを信じる社会には、「デマゴーグ」の危険性を感じざるを得ない。今回も、デマ、フェイクが飛び交っていた。
都知事選での石丸フィーバー、総選挙での国民民主の躍進、そして、今回の出来事。共通しているのは、SNS、とくにYou Tubeを活用している点。SNSを使えば必ず成果があるとは限らないが、低コストで個人レベルでも発信できるので、今後ますます拡がっていく。そして、BPOのような倫理規制がないので、言いたい放題(立花のような「援護」が有効になる)。テレビなど既存メディアのように歯にものが挟まったような言い方じゃないので、インパクトがある。
 その効果か、投票率が、2021年の前回選(41・10%)を14・55ポイント上回ったらしい。その増加分全てとは言わないが、これまでのような普通の選挙戦だったら、投票所に行かなかっただろうひとが足を運んだとも言える。それらは、「X」のようなフェイクを含んだ「本音」SNSに慣らされたひとたちと想像できる。

 来年の参院選では、SNS、とりわけYouTube等での(フェイクも含めた)動画合戦、さらにAIを駆使した展開となると思うので、後日、あらためてまとめて書きたい。ただ、今回の選挙で一つ言えるのは、投票率が上ればいいということではない、その中身が問われるということと思う。

 ちなみに、私のnote仲間で兵庫県民の一人に今回の出来事の感想を訊いたところ、こう述べている。健全な市民の発言と思う。

何にせよ、斉藤さんにはこれから演説で言われたとおり「謙虚な気持ち」で県政に取り組んでいただきたいと思います。
人の言葉、特に耳に痛いことを言ってくれる人の言葉をよく聞いて、任期を務めて欲しい、絶対に「民意」を振りかざして調子に乗るのだけはやめて欲しい。
これから、あなたの進む道はイバラの道。当選しないほうがよかったと思うかもしれないけど、それがあなたの選んだ道だから、どうか逃げないでください。
そんなふうに思っています。
くなんくなんさん

手帳【エッセイ】六〇〇字

(おまけ)に、ワタクシのエッセイをば。(◎_◎;)
 
 早大EC「エッセイ教室」秋講座(全8課題)、六回目の課題。今回は、「手帳」「手帖」。
 「今年こそは日記をつけよう」と誓いながら、何度、三日坊主になってしまったことか。しかし手帳だけは、(社会に出てからだけど)使い切った。三十冊以上が手許に残っているのだが、ときどき、日記代わりに見返すことがある。
              ※
 彼女は、秘書を立派に勤めてくれた。日々の業務はもちろん、出張や私的な旅のときもたえず一緒だった。分単位とは言わないけれど、三十分刻みで決まっていないと落ち着かない質のワタクシ。きめ細やかな対応だった。
 一時期は、タイムシステムというブランドものの、タイトミニがよく似合うキャリアウーマン風に浮気もしたけれど、結局は元の鞘に。
 スマホを使うひともいるけども、デジタル系の商売をしていた私でも、やはり紙がいい。手書きは、気のせいか忘れない。終えたら横線で消す。すると、「やってやった!」という達成感もある。
 しかし、七年前、四十七で興した会社を二十年を機に整理。念願の「サンデー毎日」ならぬ「サタデー毎日」(翌日が常に日曜日なので、そう言っている)が始まった。すると忽ち、彼女も暇になってきた。
 今は、線を引くほどは、ない。せいぜい、持病や歯科の通院、散髪、そして、週一で通っている早大エクステンションのエッセイ講座ぐらい。
 予定が少なくなると、曜日感覚が薄れると言われる。だが、それだけは、週間タイプのピルケースでしっかり管理できている。
 やっと辿り着いた、「サタデー毎日」。そろそろ時間に縛られることなく、気ままに旅してみようと思っている。これからは、白紙で。そのほうが思わぬ発見があって、むしろ楽しいと、言う。なので、
「秘書よ、長い間、大儀であった」

(おまけ)


 参議院選に向けて憲法改正論議が活発化することが予想されます。世論調査でも、「現実に合わせて改正すべき」と回答するひとが徐々に増えています。日本維新は前のめり、今回の総選挙で躍進した国民民主も憲法改正には前向きです。まずは、賛成が得やすい条項「緊急事態」から、と考えているようです。
 しかし、私は反対します。現実に合わせるのではなく、あくまでも理想を貫くことにこだわりたい。なので、憲法問題については、これから何度も書こうと考えます。

<ニュース>

東京新聞朝刊(2024年10月30日)

「ここから9条を広め、世界を良くする」 
東京・杉並に「9条の家」がオープン カフェや動画配信スタジオ

 戦争の放棄を掲げた憲法9条を守るための活動や発信の拠点「9条の家」が30日、東京都杉並区梅里2にオープンした。9条の関連書籍を置いたカフェや動画配信スタジオを設け「お茶を飲みながら9条を語れる憩いの場」を目指す。立ち上げた市民有志らによると、こうした活動拠点は全国で初めてという。
◆同じく平和憲法を持つコスタリカの博物館に似ていて…
 名誉館長に元朝日新聞記者の伊藤千尋さん(75)、顧問に慶応大名誉教授で法学者の小林節さん(75)、理事長に平和運動家の金野奉晴(こんの・ともはる)さん(75)が就任。各地で9条を守る活動をしてきた有志らが理事として加わり、計26人で運営団体を立ち上げた。
 9条の家は洋風外観の木造2階建ての元民家。所有していた金野さんの親族が亡くなり、相談を受けた伊藤さんが活用方法を提案した。建物の外観が、日本と同じく平和憲法を持つコスタリカの博物館に似ていたことから思いついたという。
◆「9条は崖っぷちにある」
 この日はオープニングセレモニーがあり、集まった約50人がテープカットし、合唱が披露された。伊藤さんは「憲法改正議論があり、9条は崖っぷちにある。武力に対して武力ではなく、ここから9条を広めることで世界を良くしていこう」とあいさつした。
 開館は午前10時~午後6時、水曜定休を予定。東京メトロ丸ノ内線の新高円寺駅から徒歩8分。問い合わせは金野さん=電080(5499)0612=へ。(浜崎陽介、写真も)


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