見出し画像

世界は「関係」でできている: 美しくも過激な量子論 カルロ・ロヴェッリ

量子力学の知見から、世界のすべてが「関係」としてだけ現れる/存在するという洞察、さらにそこから世界の一部である我々の意識/実存、または意識の中での意味の在りようが描き出される。

非常にスリリングに感じた。内容が自分の考えにとてもあっている、納得できるということからかもしれない。
書籍にもあるが、哲学で多く論じられている実在論とはややレイヤが違い一概に比較できないとも思うが、あらゆる実在が相対的(関係)であるという著者の考えは、実在の理解として、とても納得できる。

さらに著者は、相対的といったときの我々の存在については、意識は世界の一部であり、ただただ自然であるという。分かっていると言いたいが、「自分の存在」の特別さを探してしまう気持ちを、まだ捨てきれないでいると感じる。

また、著者は言う、量子力学から考えた自分の考えは、仏教の「空(縁)」につながると。
ここで、我執を断つことは仏教のめざすものの一つであったなと思い、自分の気持ちに納得する。

改めて考えると、おそらく自分は、我執を含む執着から離れたいと思いから本を選び読んでいるのだとおもう、だから、本書をスリリングに感じたのかもしれない。

・量子力学から考えるに、すべての物の属性は関係を持った時にだけ立ち現れる(2者間の関係のみ。3者の場合は、2者間の関係を位置?変換することで共有できる)。
・意味もダーウィズム的な進化論から物理的な相互関係から基礎づけられる(超越的なものはない)。
・意識は自然の一部であり複雑な相互関係といえる(超越的なものはない)

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?