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不動産・デベロッパー業界の中でも商業分野に興味がある就活生・転職をお考えの方へ

4月になり新年度が始まり、新社会人としての第一歩を踏み出した方、新しい会社、新しい部署、新しいメンバーとの仕事がスタートする方、今までと同じ環境の方、さまざまな形での4月1日がスタートしたことでしょう。
2022年(当時28歳)に初めての転職をし、現在は都内の大手不動産会社に勤務している私も、今の会社での2期目がスタートということで心機一転!

30歳も近づいてきたので、新入社員の時から今までのキャリアを振り返り、今後のキャリア形成について週末にサウナに入りながらゆっくりと考えていました。プロパー社員ではなくなってしまったため、就活生の方と面談をしたり、ウェビナー等でお話しさせていただく機会は当分なさそうなので・・・
就活時に意識していたこと」、「不動産業界の中でも商業分野に携わっている企業が求めている人材とは?」、「商業施設に店舗を誘致する仕事(テナントリーシング)って何?」「仕事のやりがい」
このあたりについてnoteに書かせていただきます。

私がどういう人間なのか興味ある方はこちらの記事をご覧ください。

年収アップに成功した転職方法やキャリア形成についてはこちらの記事で詳しく紹介してますのでもしご興味あれば。

業界について

就活生も転職活動をされてる方も絶対にやらなければならないのが業界分析。しかし、商業施設運営に携わっている不動産企業に関する業界まとめは、私もあまりみたことがないので、就活や転職に役立てていただければと思います。
※ららぽーとなどの三井不動産の商業施設運営は「三井不動産商業マネジメント」、ルクアなどの西日本旅客鉄道(JR西日本)の商業施設運営は「JR西日本SC開発」が行なっていますが、まずは業界の全体感を把握してもらいたいのでAM・PMの観点は一旦除いてまとめている点、ご了承ください。

総合デベロッパー系

商業施設だけでなく、マンションやオフィス、ホテルなども絡めた大規模な複合開発も行なっているのが特徴

・三井不動産(ららぽーと、ミッドタウン、ららテラスなど)
・三菱地所(仲通り路面店舗、丸ビル、新丸ビル、マークイズなど)
・森ビル(表参道ヒルズ、麻布台ヒルズ、虎ノ門ヒルズなど)
・東急不動産(オモカド、ハラカド、109、ヒカリエ、スクスクなど)
・野村不動産(カメイドクロック、GEMS、MEFULLなど)
・NTT都市開発(ウィズ原宿、新風館など)
・住友不動産(有明ガーデンなど)

引用
三菱地所が「万年3位」に定着も!?三井不動産と住友不動産の財閥系デベで序列逆転の現実味

鉄道系

自前の駅ビル開発や駅周辺、沿線の賑わい創出が求められる(鉄道の利用者数をどう増やしていくかがミッション)

・東日本旅客鉄道(ルミネ、NEWoManなど)
・アトレ(アトレ、アトレヴィなど)
・西日本旅客鉄道(ルクア、天王寺ミオなど)
・小田急電鉄(新宿ミロード、フラッグス、シモキタエキウエなど)

百貨店系

従来の売上仕入れの収入形態から床貸しによる不動産賃貸業にシフト中で、百貨店×〇〇といったハイブリットビジネスで差別化を図っている

・Jフロントリテイリング(大丸、松坂屋、パルコ、GINZA SIXなど)
・東神開発(玉川髙島屋SC、流山おおたかの森SCなど)
・阪急阪神(グランフロント、HEP FIVE、西宮ガーデンズなど)
・丸井(マルイ、モディなど)

商社系

収益の母体は商社の本業で確立できているため、商業施設事業に注力している訳ではないが、施設評価も高い代表的な企業は下記の2社

・三菱商事都市開発(横浜赤レンガ、MARINE&WALK、コピス吉祥寺など)
・住商アーバン開発
(テラスモー湘南、GYLE、コレットマーレなど)

その他

・イオングループ(イオンモール、レイクタウン、OPA、ビブレなど)
・八重洲地下街株式会社(ヤエチカ)

売上について

自分が志望している企業の主要施設がどれくらいの売上規模で、競合施設と比べてどれくらいの位置にいるのかは把握しておきたいところです。
就活や転職の面接でも「最近行ってよかった商業施設とその理由」「弊社の施設の良いところと、改善点があれば教えてください」といった質問は聞かれることが多いので、毎年8月頃に繊研新聞が公表している「全国主要SC(商業施設)売上高ランキング」や「百貨店店舗別売上高ランキング」は業界研究をする上でチェックしといて損はないでしょう。

売上が非公開の施設も多いため、このランキングが全てを網羅している訳ではないが、売上上位を比較してみると百貨店>アウトレット・商業施設といった順位になります。

引用
百貨店「店舗売上高ベスト10」 東京・大阪・名古屋の一番店が過去最高更新、2022年度

百貨店業界は東の「伊勢丹」、西の「阪急」と言われるように、新宿伊勢丹と阪急うめだの2強時代(新宿伊勢丹1強という声もあるが•••)です。日本の百貨店特有の"外商"と呼ばれる部門の売上が非常に大きな割合を占めているのも商業施設やアウトレットとの違いです。

引用
三井不動産 不動産統計「全国商業施設売上ランキング 」

行ったことがある人も多いであろう"御殿場プレミアム・アウトレット"が1位に君臨している全国商業施設ランキング。ちなみにコロナ前の2017年・2018年の売上高ランキング1位は「成田国際空港」。2018年の売上高が1400億円を超えていたというのだから驚きです!(ちょうど中国人による爆買いを中心にインバウンドが凄かった時期ですね。)

収益構造について

自分が入社したいと思っている企業がどれだけ商業事業に注力しているのかは事前に確認しておきたいところです。直近の決算資料を確認してみて、事業収益と利益の何割くらいをどの分野が占めているのかチェックしてみるといいでしょう。(余裕があれば競合他社との比較も)

このように三井不動産の2023年度決算資料を見てみると、グラフで非常に分かりやすい収益構造が載っています。こちらのグラフより、全体の33%を占める賃貸事業の中の35%(つまりは全体の11.5%程度)がららぽーとやミッドタウンなどの商業事業による収益ということが読み取れます。「自分が所属している事業がどれだけ会社の利益に貢献しているか」という点が仕事をする上での、やりがいやモチベーションに繋がる方もいると思うので大事な指標といえます。

引用
三井不動産 2023年度(通期)決算説明資料

中長期経営計画について

大きな企業だと5~10年先の成長戦略をステークホルダー向けに開示していることが多いです。

インターンでありがちな題材として「もし〇〇(既存の商業施設や今後予定されている新規プロジェクト)をあなたならどんな施設にするか」というものがあります。私の場合は、新卒で入社した会社の新入社員研修時にこのような題材のグループワークがありました。

転職の面接でも「将来どんなことに携わりたいか」「なぜ弊社を志望しているのか」といった質問は鉄板で聞かれるので、その際の返答においても今後どんな新規事業を計画していて、企業としてどんな成長戦略(ビジョン)を描いているのかは把握しておきたいポイントです。

このような大型プロジェクトを控えている企業を受ける際は、開発概要や公表されてるフロア構成等を事前に把握し「今までの学生生活やキャリアといった背景から、こういう点に興味関心があり、このプロジェクトに携わり、そしてこの部分で貴社、プロジェクトに貢献したい」という枠組みで説明できるとGOODだと思いますので、リリースが出されているものに関しては目を通しておきましょう!

やりがいについて

就活中の学生さんからも質問が多い"仕事のやりがい"について

  • 自分が誘致した店舗がオープンして、そのお店で食事や買い物をしてる人が笑顔になっている瞬間

  • 誘致したテナントの担当者から「出店して良かった!」「念願の店舗を構えることができた!」と感謝された瞬間

  • トレンドの最先端、日本1号店のお店を誘致できた時

  • 担当している商業施設の売上や客数が過去最高を更新した時

私含めてですが、商業周りの営業や運営の仕事に携わっている方々と話をしていると上記のような仕事のやりがいを語る方が多い印象です。
単なる商業施設の賑わいではなく、周辺の店舗の売上に寄与したり、商店街が賑わったり、周辺で暮らす人の生活が豊かになったり、商業を通じて街づくりに貢献できることが最大の魅力だと思います。商業単体での開発というのは少なく、他の事業も絡んだ複合開発が多いため住宅やマンション、オフィス、ホテルといった事業を展開している方々との協力も必要不可欠です。

最後に

この記事を見つけていただき、そして最後まで読んでいただきありがとうございます。不動産企業への就職を考えている学生の方・転職をお考えの方で、「もっと詳しく話を聞いてみたい!」という方がもしいましたら、下記にSNSアカウントも掲載してますので直接ご連絡いただければお時間ある時に返信させていただきます。


Gratitude for the meeting!!!

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