[最終回] 概念化力の強化に取り組むなら、書籍の内容を概念化することから始めればいい

皆さん、ブログ「正解のない問題を解くための力」をご愛読いただき、ありがとうございました。このブログも、今回が最後となります。
そこで今回は、皆さんが「正解のない問題を解くための力」=「概念化力」を身に付け、高め続けるためのお手軽な方法を紹介して締めたいと思います。

概念化力を強化するには基本を理解することが大切です。

 ・ 概念化の目的は何か?
 ・ 概念化とは何か?
 ・ 概念化はどんなシーンで必要なのか?
 ・ 概念化はどうやればいいのか?

概念化力を高めたいなら、概念化や概念化手法の基本を理解した上で、自分の経験や自分なりのアイディアをそこに当てはめられるようになることが大切です。これを何度も繰り返しているうちに概念化力は向上し、いつしか、皆さんなりの概念化理論ができ上るはずです。

ところが、これが簡単ではありません。そこに高い壁があるのです。
職場で重責を担い、時間に追われている皆さんにとって、仕事中に概念化を試みる機会はどれほどあるでしょうか。ビジネスの現場を概念化力鍛錬の場として利用するには限界があります。
私は特定のお客様を対象に概念化力講座を提供していますが、このような有料講座は皆さんにとって身近な存在ではないはずです。

そこで今回は、概念化力強化の秘策を伝授しましょう。

「書籍の内容を概念化する」

これが秘策です。
順を追って解説します。

概念化の最初の作業は、散在するキーワードを拾い集めることでした。
キーワードは、このような場所に潜んでいます。

 ・ 会議の席での発言
 ・ 上司や有識者からのアドバイス
 ・ 顧客や市場関係者の発言
 ・ 書籍や文献
 ・ 過去の調査レポート …

ところが残念なことに「会議の席での発言」「上司や有識者からのアドバイス」「顧客や市場関係者の発言」などには難しさがあります。メモをとっておかなければすぐに忘れてしまいますが、議論の場であるはずの会議の席で、あるいは上司やお客様と真剣に話をしている最中に、メモをとることに熱中しているわけにはいきません。これらの時間は、後日の概念化訓練に備えてキーワードをとりためるための場というよりは、むしろ、身に付けた概念化力を鍛え上げるための実践の場として絶好なはずです。

それに引き換え、書籍は便利です。逃げません。何度でも読み返すことができます。1度読んで全体を理解し、2度目に読み直してキーワードを拾い、3度目に読み直してキーワードの相互関係を理解するといったこともできます。

まずは書籍の内容を数枚のスライドにまとめ、それを仲間に説明してみてください。概念化がうまくいき、本質を見抜いていれば、仲間はきっとあなたの説明に共感してくれることでしょう。
この程度なら、明日からでも始められます。

私は以前に、クレイトン・クリステンセンの著書「イノベーションへの解(翔泳社)」の内容をスライド1枚に概念化し、仲間とその本質について議論しました。その後、このスライドは多くのお客様の心に刺さり、いまだに活用頻度の高いスライドのひとつとなっています。

まずは愛読書を開き、キーワードの拾い出しからスタートしてみてはいかがでしょうか。


さて、冒頭で書きましたが、このブログも今回が最後となりました。
そんなわけで、私のほうでは次の仕込みを始めています。
次のテーマは「計画力」です。

私は2013年に計画の本(「実行に効く」計画の技術)を著しました。
あれから6年、私は計画力で多くのお客様の課題を解決し、お客様の計画力向上にお役に立ってきました。
そんな私がいま、改めて、自ら著した本を振り返ります。
目的は、計画の技術を以前よりもわかり易く、整理されたカタチで皆さまにお届けすることです。

ビジネスシーンでは、「概念化」よりもさらに身近なのが「計画力」です。
計画力は概念化力の代表選手でもあります。
始まるまでに少しのインターバルをいただくことになるかもしれませんが、ご期待ください。

浦 正樹

★★★ 概念化.com を立ち上げました ★★★
https://www.gainenka.com/
★★★  ぜひ、お立ち寄りください  ★★★



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