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2023年に観た新作映画107本から10選

ドラマ10選はこちら↓

2023年に公開された映画が対象です。
ただし、2022年末の時点で既に海外メディアから高評価されていた作品は外しています。
なので例えば日本では軒並み2〜3月に公開されたアカデミー賞ノミネート作品とかは入っていません。

ちひろさん

今泉力哉監督×主演・有村架純。
撮休シリーズでのタッグはあったものの遂に映画でのタッグが実現。

これまでは「好き」という気持ちの正体を描こうとする作品が多かった印象の今泉監督だが、本作ではそこから一歩進んで人間の中に潜む一種の不穏さが描かれる。
コメディタッチではあるんだけど、ただ笑うだけでは終わらない人生の色々というか。
間違いなく日本を代表する女優でありながらどこか陰がある(≒この時代に珍しく私生活があまり見えない)有村架純も適役。

くるりの歌う主題歌『愛の太陽』も良かった。

Netflixで配信中

テトリス

今年は企業ドラマが豊作だった。
『AIR/エア』はその中でも王道どストレートなアプローチの1本。

もちろんこれはこれで良いのだが、本作『テトリス』は企業ドラマに旧ソ連崩壊を絡めてスパイ映画のようなサスペンス味を加えた脚色が素晴らしかった。
音楽や映像の遊び心も◎

Apple TV+で配信中

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース

アニメには実写では到底不可能なぶっ飛んだ映像表現で魅せてもらいたい。

そう考えている自分にとってアニメ的快楽の塊のような作品だった。
1つの作品内でテイストをどんどん変えながら異常に膨大な情報量をこれでもかと溜め込んだ絵。
それを巨大スクリーンでひたすら浴びる至福の映像体験。

各種配信サービスで購入・レンタル可
【追記】2024/2/2(金)からAmazonプライム見放題で配信開始

ちなみに『君たちはどう生きるか』も同じ理由で自分は肯定派です。

宮崎駿の脳内から溢れ出るイマジネーションの大洪水。

オッペンハイマー

まだ日本公開が未定だった頃にメルボルンのIMAXシアターにてフィルム上映で観てきました。
鑑賞後は絶対に日本でも公開すべきと思いましたが、無事に決まって良かったです。

日本公開は2024年(詳細時期未定)

BAD LANDS バッド・ランズ

原田眞人監督は昨年『ヘルドッグス』を泣く泣く10選から外したので、合わせ技1本で今年は入れた側面が正直ゼロではないw

今回も『ヘルドッグス』と同様に原作からの大胆なアレンジや変なアングルにスピーディーな編集と持ち味全開。
原作には一切登場しない完全オリジナルキャラを演じた宇崎竜童が良かったなぁ。
そしてサリngROCKの抜擢!

なんとこれを書いてる12/29(金)からNetflixで配信開始

ザ・キラー

ここに挙げた10本は順不同の同率1位タイぐらいのテンションなのですが、強いて1位を選ぶならこれかなー

とにかく冒頭のパリのシークエンスから編集のリズム・テンポが最高!
撮影もバキバキに冴えている。
そして“あの”音響設計。
あの約30分間は今年映画を観ていて一番ワクワクしていた時間かも。
「ヤバい!ヤバい!ヤバい!ヤバい!これはすげぇ映画だ!」みたいなw

  • この物語は中身があるのか無いのか?

  • 主人公は一流なのかドジっ子なのか?

  • Amazonではあんなものまで本当に買えるのか?

そんな疑問を隅に追いやるレベルで「映画ってのは洗練された画面と音があればそれで十分傑作になるんだよ。重厚なストーリー?それはテレビシリーズの得意領域だ。例えば『マインドハンター』とかね」と教えられた1本。

Netflixで配信中

ゴジラ-1.0

山崎貴、よくやった。
どう考えても負け戦で爆死してもおかしくない「シン・ゴジラの次」にきちんと自身の作家性で応えてみせた。
ゴジラや特撮怪獣映画のファンとして本当に嬉しかった。

この年末年始も映画館で公開中

ちなみに私が今年泣いた映画は本作と『グリッドマン ユニバース』だけであるw

ブラックベリー

日本でのBlackBerry端末の普及率や知名度を考えると致し方ない気もするが、本作が配信スルーなのはもったいない。
企業ドラマでもあるけれど、それ以上に1人のエンジニアが何者でもないところから世界を変える可能性を持つ何者かになり、そして破れ去るまでを描いた人間ドラマ。

各種配信サービスで購入・レンタル可

哀れなるものたち

ベネチア国際映画祭2023で金獅子賞(最高賞)に輝いた1本。
10月に東京国際映画祭で観ました。

R18指定も納得の大怪作w
生と死、格差社会、男性性といったイシューをSFコメディでシニカルに笑い飛ばす。
めちゃくちゃ笑えて、でも笑っている内に観客は未体験ゾーンにいざなわれる。
いやー、面白かった。

ヨルゴス・ランティモスらしい圧巻の美術と独特な撮影(広角レンズ、アングル、カメラワーク)は今作でも健在。
つくづく変な映画(※褒めてます)

日本公開は2024/1/26(金)

終わらない週末

2010年代後半にテレビドラマ畑で頭角を現してきたサム・エスメイルによる映画。
変態的なカメラワークが全編に渡って炸裂する映画の醍醐味が詰まった1本。

Netflixで配信中

おまけ

2024年の日本公開作で一足先に観れた中では『パスト ライブス/再会』と『リンダはチキンがたべたい!』がオススメ。

前者は賞レースで躍進中でアカデミー賞にも絡んできそう。
後者はアヌシー国際アニメーション映画祭2023でクリスタル賞(最高賞)を獲った1本で、これまた新たなアニメ表現を見せてくれた。

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