林昌弘,Masahiro Hayashi

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林昌弘,Masahiro Hayashi

IT企業で働く会社員(投稿内容は個人の見解であり、勤務先の立場・戦略・意見を代表するものではありません)

最近の記事

【感想】劇場映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』

2010年代のアクション映画史を前に進めた金字塔『ジョン・ウィック』シリーズ。 ガン・フー(銃撃×カンフー)に代表される斬新なアクションで観客の度肝を抜き、ジョン・ウィック以前以後で歴史を分断してしまうほどの衝撃をもたらした。 1作目公開当時の2014年というと日本でも実写版『るろうに剣心』の第2・3作連続公開で谷垣健治がアクション映画の歴史を前に進めていたわけで、日米のシンクロニシティが興味深い。 もちろんこれらの作品の先駆者としてゼロ年代に革命を起こした『ボーン』シリ

    • 【感想】Netflixアニメ『GAMERA -Rebirth-』

      ガメラ新作の製作が発表されたのは2022年11月17日。 遂に、遂にという感じであった。 奇しくも1年後の2023年11月17日にはApple TV+でゴジラも登場するドラマが配信予定。 さて、ガメラといえば昭和版と平成版に大きく区別されるわけだが、日本映画史における重要性という観点から考えるとより外せないのはいわゆる平成ガメラ三部作。 ここで平成ガメラを語ろうとすると「何がどう凄いのか?」という客観的な話から先日亡くなった祖父との思い出話といった個人的な話まで右往左往

      • 【感想】NHK夜ドラ『わたしの一番最悪なともだち』第1週

        テレビドラマ好きなら知らぬ人はいない稀代の脚本家、坂元裕二。 今年は是枝裕和とタッグを組んだ映画『怪物』でカンヌ脚本賞を獲得。 しかし直後にNetflixとの5年契約が発表され、地上波で新作を観られるのは当分先に。 最近では「坂元裕二作品っぽい台詞・会話」なんてのがネタになるぐらいだし、それこそ生成AIが「坂元裕二っぽい脚本」を書ける日もそう遠くないのかもしれない。 (まぁそのAI脚本の作品を観たいかどうかは別の話だが) とはいえ坂元裕二の過去作の脚本を全部学習データと

        • 【感想】書籍『偽りなきコントの世界』

          キングオブコント2013王者であり、『しくじり先生』の企画『キングオブう大』では的確な審査コメントを連発。 遂に(?)第44回ABCお笑いグランプリで審査員を務めたかもめんたる岩崎う大。 構成・執筆はナイツ塙の『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』を手がけ、2022年11月に出版された『笑い神 M-1、その純情と狂気』も記憶に新しい中村計。 本書も質問が提示されて、それにう大が答えるという構成は『言い訳』を踏襲している。 ただ、M-1という賞レースや競技漫才に特

        【感想】劇場映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』

          【感想】Nintendo Switch『バベル号ガイドブック』

          暑くて外に出たくない。 映画館で観たい新作が今週末は無い。 ドラマは録画も配信も溜めずに消化できているから週末イッキ見の予定も無い。 何か面白そうなインディーゲームでも探してみるか。 そんなわけで任天堂のサイトを眺めていたら気になるソフトを見つけた。 たった2文の中に敬体(ですます調)と常体(である調)が混在している…! この拙さが私の心を掴んで離さない。 まぁ冗談はさておき昨今のエンタメ界隈のトレンドであるタイムリープをシステムに組み込んだゲームというのが気になった。

          【感想】Nintendo Switch『バベル号ガイドブック』

          【感想】Disney+ドラマ『季節のない街』

          原作は山本周五郎の同名小説(1962年出版) 1970年には黒澤明が『どですかでん』のタイトルで映画化している。 クドカン自身もこの映画の大ファンだそう。 ただ、出来上がった作品を観ると「黒澤明の映画のリメイク」よりは「山本周五郎の小説のドラマ化」だと感じた。 (念のため書くと本作は別にリメイクを謳っているわけではない) まず劇中で描かれる様々なエピソードはほぼ全て原作小説から拾われている。 よって鑑賞後の第一印象は「なるほどこれは紛うなき『季節のない街』の実写ドラマ版

          【感想】Disney+ドラマ『季節のない街』

          【感想】カンテレ月10ドラマ『転職の魔王様』第3話

          夏ドラマも大体3話ぐらいまで出揃ってきた今日この頃。 (と言いつつこれを書いている8/6(日)の夜には野島伸司オリジナル脚本の『何曜日に生まれたの』が始まるのだけど) 6月末の時点では競馬風に言うなら 本命:最高の教師 対抗:VIVANT 単穴:転職の魔王様 という感じで予想していた(ちなみに先日noteに感想を書いた『The Bear/一流シェフのファミリーレストラン』シーズン2はガチガチに堅い=面白いに決まってるからわざわざ予想に挙げる意味が無いという位置付け)

          【感想】カンテレ月10ドラマ『転職の魔王様』第3話

          【感想】FXドラマ『一流シェフのファミリーレストラン』シーズン2

          本作の原題は『The Bear』 シンプルにバシッと決めたタイトルに対してパッとしない邦題への不満をどうしても言いたくなるところだが、それは一旦横に置いておいて超面白い傑作。 シーズン1はゴールデングローブ賞やエミー賞など賞レースでも多数ノミネート。 シーズン1の時点ではレストラン立て直しのお話=三谷幸喜の『王様のレストラン』みたいな感じか?と思ったが、まぁ当たらずとも遠からず。 語り口が近いのは映画『ボイリング・ポイント/沸騰』か。 忙しい厨房内での人間関係の温度がじ

          【感想】FXドラマ『一流シェフのファミリーレストラン』シーズン2

          【感想】HDリマスター版『ゴースト トリック』

          本作の存在を初めて知ったのは『勇者ああああ』の2019/6/20(木)放送回。 企画は『平成ベストゲームを決めよう!』 『逆転裁判』は大好きなシリーズだったので、その生みの親である巧舟がまた新たなミステリーゲームを手がけてきたとは! (自分は2010年当時はゲームという趣味自体から完全に離れていたので全くアンテナに引っかかっていなかった) とはいえその時点で即プレイしたわけではやく、3年半後に『ゲームゲノム』の2022/10/19(水)放送回で『逆転裁判』が取り上げられて

          【感想】HDリマスター版『ゴースト トリック』

          2023年上半期映画・ドラマ10選

          ピークTV時代の終焉もぼちぼち見えてきた感がありますが、とはいえ今の時代に「映画だけ」もしくは「ドラマだけ」観るというスタイルは目が節穴になってしまうので両方併記で行きます。 映画10選この半年間での新作映画の鑑賞本数は55本でした。 2022年度のアカデミー賞や国際映画祭で既に十分評価されたと思ったものは敢えて外しています。 例えばこの辺り。 イニシェリン島の精霊 別れる決心 ボーンズ アンド オール 逆転のトライアングル フェイブルマンズ EO イーオー

          2023年上半期映画・ドラマ10選

          【感想】月刊ヤンマガ新連載『大怪獣ゲァーチマ』第1話

          私事だが、先日祖父が亡くなった。 (94歳の大往生だったのと昨年7月・12月に会って話せていたこともあり、そんなに「悲しい」というテンションではないのだけど) そんな祖父が私に遺した最大の功績(?)が1995年3月、小学2年生になる直前の春休みにある映画に連れて行ってくれたことである。 『ガメラ 大怪獣空中決戦』 平成ガメラ三部作の1本目。 怪獣映画という意味では1992年の『ゴジラVSモスラ』から毎年ゴジラ映画に父が連れて行ってくれていたのだが、父はガメラはスルーだっ

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          【雑記】Netflixドラマ『ブラック・ミラー』シーズン6と…

          SF色の濃い『世にも奇妙な物語』みたいなNetflixアンソロジーシリーズ『ブラック・ミラー』 (厳密には今シーズンに限らずSFがそこまで濃くないエピソードもあるのだけど) 配信開始と前後してNHKで『藤子・F・不二雄SF短編ドラマ』やフジテレビで『世にも奇妙な物語'23夏の特別編』が放送されるというシンクロニシティ。 現代より少し先の近未来のテクノロジーが引き起こすちょっとダークな物語。 決して荒唐無稽ではなく「あり得そう」と思わせる絶妙な塩梅。 それが『ブラック・ミラ

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          【感想】私のバカせまい史『全国のライブハウスにある内田有紀のサイン史』

          「全国のライブハウスの楽屋の壁になぜか内田有紀のサインが書かれている」 自分がその都市伝説?ミステリー?を知ったのはTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の2019年11月4日放送回のオープニングトーク。 2019年ってコロナ禍になる前の時代なので隔世の感があるな… しかし「へぇ〜そんな謎があるのか」と思っていたのも束の間、放送直後に一部界隈で局所的に盛り上がり数日間でthe pillowsと175Rの2択に到達。 上記ツイートに寄せられたリプを見ていくと175R説

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          【感想】劇場映画『怪物』

          日本を代表する映画監督の是枝裕和とこれまた日本を代表する脚本家の坂元裕二。 これまで全く接点が無かったわけでもなく、お互いの作品をそれとなく意識してるっぽい雰囲気はあったものの共作は実現しなかった。 そんな2人の初タッグが突然発表されたのが昨年11月。 2人を引き合わせたのは東宝の川村元気プロデューサーだったそう。 Netflixドラマ『舞妓さんちのまかないさん』で出来たコネクションが活きたのだろうか? キャストは『万引き家族』から安藤サクラが再び是枝作品に出演。

          【感想】劇場映画『怪物』

          【雑記】HBOドラマ『サクセッション』とApple TV+ドラマ『テッド・ラッソ』と…

          この文章を書いているのは2023/5/28(日) 翌日にHBOドラマ『サクセッション』のファイナルシーズン最終話が、翌翌々日にApple TV+ドラマ『テッド・ラッソ』の(恐らく)これまたファイナルシーズン最終話が控えているというタイミング。 エミー賞のドラマ部門とコメディ部門を連覇中の傑作シリーズがほぼ同時に終わる。 『サクセッション』については昨年のシーズン3配信当時に書いた。 ファイナルシーズンを迎えても感想は特に変わらなくて、やっぱりクソ面白い! シーズン1から描

          【雑記】HBOドラマ『サクセッション』とApple TV+ドラマ『テッド・ラッソ』と…

          【感想】THE SECOND 2023

          M-1グランプリ2022終了からわずか4日後に発表された新たな賞レース『THE SECOND ~漫才トーナメント~』 ただ、個人的には発表当時はそこまでワクワクしなかった。 「もうしんどくね?」という印象の方が勝ってた感じ。 M-1グランプリ自体は毎年楽しみに見ているのだけど、これでは芸歴制限に伴う卒業が意味をなさなくなってしまうじゃないかと。 あんな異様な緊張感に包まれた舞台で芸歴的にはベテランの、しかも大会の趣旨的にはあまり売れてない(?)漫才師がネタやって審査されるの

          【感想】THE SECOND 2023