HRテクノロジー2023。何が注目されているのか？そうでないものは？

by joshbersin -

ここ数年、HRテクノロジー市場は熱狂的な盛り上がりを見せている。150億ドル以上のベンチャーやPEマネーが投資され、スタートアップの数は驚くほど増えている。平均的な大企業は現在、80以上の異なる従業員向けシステム（OKTA）を持っており、この数は5年間で40％以上増加している。

この成長の背景には2つの理由があった。第一に、低金利の投資環境が数十億円を起業家に解き放ったので、新しいツールが数百種類も出てきたこと。2つ目は、パンデミック時に従業員の管理、雇用、サポートが大量に必要になったこと。リモートワーカーやギグワーカーは、スケジュール管理システム、リモート給与計算プラットフォーム、オンボーディングなどを必要としています。そのため、人事担当者は白紙の状態で、ほとんど制限なくツールやプラットフォームを購入することができた。

2023年は、成長の鈍化、市場の統合、新しいカテゴリーの定義が行われる年になるだろう。

1/HRテック市場は減速している。

私は楽観主義者だが、HRテックへの支出は鈍化すると考えている。約半数の企業が支出を増やす予定だが、削減する企業の数はほぼ倍増し（5%から8%へ）、この傾向は続くと思われる。

製品カテゴリの数は増え続けているが（詳細は後述）、従業員1人あたりの支出は緩やかになると思われる。減速しそうな分野は、採用、学習（古いシステムの負担が増える）、コア人事（HCMプラットフォームから従業員体験や人材情報システムへの価値創造へのシフトが見られる）、ウェルビーイングのための継続的なシステムなどのソフトウェアである。一般的に言って、Employee Experienceソフトウェアは、以下の他のホワイトホットな分野と同様に、大規模な成長を遂げている初期段階のカテゴリーであると言える。

また、クラウドベースのHCMシステムの価格も下がる可能性がある。Workday は依然として市場の寵児だが、その顧客でさえ代替の人材ツールを定期的に購入しており、Workday はプラットフォームのさらなる開放を余儀なくされている。

2/ HCM ベンダーの満足度は依然としてまちまち

コアHCMシステム（人的資本管理システム）の完成度は向上しているが（Workday、Oracle、SAP、ADP、UKG、Ceridianがプラットフォームをアップグレード）、Sapientの調査では、ベンダーの満足度は全体で7%低下していることが示されている。なぜこのようなギャップが生じるのか。ベンダーが手薄になっているからである。HCMベンダーはあらゆることをやろうとしており、この調査によると、全体の平均満足度は5点満点中3.5点程度で、目を見張るような数字ではない。(ちなみに、顧客に愛されているDarwinboxやHiBobなどの次世代HCMプラットフォームは、この限りではない。

大手HCMベンダーにとって、これは継続的な経営課題である。Workday、Oracle、SAP、UKG、ADPなどは、従業員の体験を変革するというビジョンを持った大規模な製品管理チームを持っている。しかし、このような投資にもかかわらず、「連動型」ソリューションを構築することは「スタンドアロン型」よりも困難であるため、彼らのイノベーションは鈍化している。昨年、Oracle と SuccessFactors はアーキテクチャーの大幅な見直しを発表し、Workday は Workday Extend をリリースして、実質的にシステム全体をオープン化したところである。

小規模でより焦点を絞ったベンダー（Eightfold, Beamery, Degreed, LinkedIn Learning, Docebo, Gloat, BetterUp, CoachHub, SoundingBoardなど）は、より集中した製品を提供しているため、顧客満足度はかなり高い（平均3.7-3.8）。このことは、もし市場が低迷すれば、これらの企業が買収される可能性があることを意味する。時間が経てばわかることだが、私は以前にもこのような傾向を見たことがある。ある12ヶ月の間に、TaleoはLearn.comを、OracleはTaleoを、SuccessFactorsはPlateauを、SAPはSuccessFactorsを、SumTotalはいくつかの会社を買収した。

来年注目すべき2つのビッグベンダーは、コーナーストーン（LMS最大手）とUKG（中堅企業向けHCMおよび労働力管理プラットフォーム最大手）である。iCims、Docebo、Phenomも買収を検討している。

3/ 減速しているとはいえ、多くのカテゴリーがホットである