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職場のガオ子さん

バックオフィス職として勤める私の会社での話。

同じフロアの別部署に、私と同じくらいの年齢でガオ子さんがいる。

仕事はテキパキ正確だし、人当たりも別段悪くない。

お客さんへの応対も滞りない。

実はガオ子さん、その部署に異動してきたばかり。
そつなく仕事はこなすけど、どうしてもわからないこともある。

ある日ガオ子さんは、率先して他部署から来た仕事をした。
けれど、業務フローを明確にするために、その仕事は特定の担当が決まっていたらしい。
そういうルールがあることを教えてもらっているガオ子さん。
ついつい吠えてしまう。

間違えという間違えではないのだけれど。
ルールを教えてくれている人も嫌味じゃないのだけれど。
誰よりも間違えに敏感なガオ子さん。
上司の言葉にかぶせるようにする、自己弁護。
フロアに響く、平坦なトーンのガオ子さんの謝罪の声。

弱さを見せる勇気があってもいい。
だから、牙はしまって、ガオ子さん。



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