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アメリと過ごす夏の終わりのイル・ド・フランス : 前編

突然ですが、フランス人の親友を紹介します。名前はアメリ。シドニー留学中、語学学校で出会った最初のクラスメイトでした。

今回は、このアメリを訪ねて晩夏のフランスを旅した記憶を書き留めます。

一緒にランチを食べたり授業中にペアを組んだりして、自然と仲良くなったアメリとポール(イケメンのゲイ)は、わたしがフランスを更に好きになる理由を与えてくれた大切な友達です。

ちなみに、ポールの方はと言えば南仏在住のため会えず、今回の記事では登場しませんが、アメリは「わたしパリに住んでるの!必ず家に泊まりに来てね!パリで待ってるよ!」と言ってシドニーで別れたパリジェンヌ。

…と思ってたんですけど、彼女の言う「パリ」は「パリ近郊」を含むらしく、実際に訪れてみてわたしはびっくりしたわけです。これはネガティブな意味じゃなくて、ただ単に想像と違って驚きましたよってことです。笑

友達はパリジェンヌ…?

謎の連勤が多すぎて休む間なく働き続け、体調を壊し、恋愛は最悪、親族には結婚を急かされ…と「なんかわたしの人生これは若干詰んでる気がするわ」と考えた当時のわたしは、仕事を円満に辞め、退職後に訪れてみんなと再会するぞ!と、願望だけはあった無計画ヨーロッパ周遊の旅を実現すべく、フランスへと飛び立ちました。

フランスはこのアメリの家、スイスはドイツ系スイス人のナディン、フランス系スイス人のデルフィンの家に泊めていただけることが確定していたので、とりあえず大阪とパリの往復航空券だけを購入して旅立ちました。

彼女達は宿泊料を受け取ってくれず(友達なのにそんなこと!と笑われました)申し訳なさすぎましたが、想像以上に素敵な旅を経験させてくれたことに本当に感謝しています。

そんなこんなで、まず目指すはパリ!

9月のとある日、シャルル・ド・ゴール空港に到着したわたしは到着ゲートを出てすぐにアメリの姿を見付けることができました。この時アメリとは約2年ぶり!

空港までひとりで車で迎えに来てくれたアメリ。「長距離フライトで疲れたでしょ?さあ、早速わたしの家に連れて行くね!」と言われたこの時わたしは、まだこんな家を想像していたんです。

パリのアパルトマンで、ひとり暮らしをするアメリ。…だと思っていたので、お土産はひとり暮らし向けの日本のアイデア商品や、アメリの好きな猫の雑貨をたくさん持参しました。

しかし、車の中で突然ママに電話し始めたアメリ。ママとのフランス語での会話を、わたしのために英語に翻訳してくれます。

「家に直行したかったんだけど、パン屋さんに寄ってパンを買ってねって言われちゃった!ごめんだけど、隣の村にあるパン屋さんに寄るね」

…ん?

この翻訳を聞いて、わたしは感じました。

あれ、これ実家なんじゃ…?
そして村ってことは、郊外に向かってる…?

実際、高速道路を走ること30分以上が過ぎて、車窓の先に見える景色が控えめに言ってド田舎になっていました。その違和感を乗せたまま、更に30分ほど車は走り続けました。

そして到着したアメリの家は、このへん。パリの市街と約80km離れた、イル・ド・フランスの東側にある小さな村が、アメリの生まれ育った場所でした。

わたしはパリに憧れやこだわりがある日本人ではなく、とにかくアメリをはじめとする友達と再会することが目的だったので、田舎であることにはまったく落胆しませんでした。

次に紹介する通り、アメリの家は本当に素敵なところだったんです!

La maison d’Amélie

でこぼこした土の道を進んで、坂を登ったところには数軒の家がありました。

赤い車を停めたアメリが「到着したよ」と言ってくれた瞬間は、まだ家の門しか見えませんでしたが、門と庭の雰囲気だけで、それがめちゃくちゃ素敵な一軒家であることはすぐにわかりました。

これまた写真に残せていませんが、ブドウが実っていたり、大きな木々には鳥達が遊びに来たり、植物や鳥が好きなわたしには理想的な庭が現れたんです。ここで読書をしたりBBQをしたりするんだと教えてくれました。素敵やなぁ。

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アメリの家に入ると、ご両親が本当にあたたかく出迎えてくれました。

「あなたがまさえね!日本人の!アメリがよくあなたのこと話してるわ。よく来たわね〜!」
的なことをテンション高めに連発してくれて、とにかくほっぺたにキスされる、ほんまにフランスに来たなこれは…と強く感じる出迎え方をしてくれました。笑

わたしはアメリの家に2週間ほど泊めていただいたんですが、別の町で仕事をしているアメリのお姉さんの部屋を使わせていただきました。

そしてその部屋は、今まで泊まったホテルや旅館、カナダ、イギリス、オーストラリアのホストが用意してくれた素敵な部屋を飛び越えて!本当に、人生で最高の部屋でした!

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はあ。なんでこんなに可愛すぎるんや。可愛すぎやしませんか?

こんな部屋、日本の家ではなかなかありませんよね。

住んだところが北向きの日陰の部屋ばかりだったわたしには、天井が斜めだったり天窓があったり…ずっと住みたくなる素敵な部屋でした。

この部屋のオススメポイントは、アメリパパがDIYした壁紙や天窓です。すごすぎませんか?写真に残すことを忘れましたが、トイレのタイルや洗面台の素敵なデコレーションまで難なくこなすパパでした。なんて素敵なパパなんや!

あと、気まぐれにベッドにやって来るにゃんこ。発音しにくくて名前は忘れましたが、まるまるとした気品のあるにゃんこで、めちゃくちゃ可愛かったです。ウサギが一番好きなんですが、この時ばかりは「なんやこのにゃんこ!かんわえええええ!」と悶えましたね。

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アメリによると、家猫ではなく野良猫なので普段は外に住んでいる子なんですが、餌をあげたり、予防接種をしたり、身の回りの世話はアメリの家族がやってあげているとのことでした。そんな最高の生き方を手に入れたにゃんこ、よくベッドに飛び乗って来て隣で寝ていましたが、可愛すぎる寝顔をする子でした。

あと、毎日のごはんのこと。幸せなことにアメリママの手料理でした。

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アメリママは料理が好きで、こんな風においしい家庭料理やお菓子をほぼ毎日作ってくれました。わたしの母とは違って、楽しそうに笑顔で料理する姿が印象的でした。こんな女性になろうと感じたことを、料理を失敗する度に思い出します。笑

すごく嬉しかったんですけど申し訳なくて、せめて準備や食器洗いを…と申し出たんですが、なんか高性能な食洗器や調理マシンがあったので出る幕なし。笑

そしてアメリママにもまた「ゲストにそんなことさせるなんて無理よ!」と笑われました。このあとスイスやスペインでも同じことを言われました。ヨーロピアンは歓迎スキルの平均値が高すぎます。惚れるわ。

食事と言えば、フランスはわたしの大好きなウサギを食べる習慣があるんですが、アメリは人が嫌がることを悪ノリして勧めるなんてことは絶対にしないので、それには本当に救われましたね。これを食べるのは無理や…と初日に話した、ウサギ・エスカルゴ・馬などがアメリの家の食卓で出されることはありませんでした。

しかし、アメリの親戚の家に泊まりに行った日にちょっとした事件は起こりました。親戚のおばさんに悪ノリで「それはツナよ!日本でもよく食べるでしょ?大丈夫よまさえ!」と言われて、何かの肉のパテを食べたんですが、それが実はウサギだったんです。吐く寸前まで気持ち悪くなりました…。

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アメリはシャイなのでカメラを向けると怒ります。笑
なのであんまり写真がありませんが、近くの公園に連れて行ってくれた時にこの写真を撮りました。

わたしにとっては、こんなに素敵な公園がすぐ近くにある実家なんて羨ましすぎることなんですが、アメリにはこんな田舎は退屈よと返されました。

そんな彼女、職場はなんとあの Disneyland Paris なんです!

仕事中は退屈しないんだけどね!と笑って話すアメリは、本当にホスピタリティ溢れる素敵なフランス人です。彼女は総合職の社員なので、色々なポジションを経験しています。当時はパスポートセンターでピシッとした制服を着て、年間パスポートを発券する仕事をしていました。

その Disneyland Paris に、なんと!

社員の友達枠として、無料で入園させていただきました!

その日ことは、次の記事に書きますね。観光客視点で見えた魅力だけではなく、社員としてのアメリの考え方で尊敬する部分、アメリの同僚と話したことで得た印象や、日本のTDRとは違ったスタッフの方々の志などを書く予定です。ぜひ紹介したいと感じる、素敵なスタッフの方々の毎日の努力によって成り立っている夢の国でした。

中編に続くよ!


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