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僕はあと何回、満月を見るだろう

2023年8月16日(水)14:39 帰省中/母とカフェにて

坂本龍一さんが手がけたこのタイトルに惹かれ、
思わず手に取ってしまった一冊の本。

彼の病気が発覚して、
晩年に書かれた本だという。

「人は自分の死を予知できずー/人生を尽きぬ泉だと思う/
だが全て物語は数回 起こるかおこらないか/
自分の人生を左右したと思えるほどー/
大切な子供の頃の思い出もー/あと何回 心に浮かべるか/
4〜5回 思い出すのがせいぜいだ/
あと何回 満月をながめるか/
せいぜい20回/だが人は 無限の機会があると思う」

彼が音楽を手がけた『シェルタリング・スカイ』
という作品にて原作者のポール・ボウルズ
が出てきて最後にそう語るそうです

彼の本の中の引用として出てきました。

ーーー

私自身、死への恐怖を思うことが
歳を重ねるにつれて増えた気がします。

夜寝る前、「寝てる間に地震が来たらどうしよう」
出かける前、「交通事故に遭ったらどうしよう」
日頃からも「地球に隕石が落ちるかも」

ちょっと大袈裟なのかもしれないけど、
私にとってもは現実的な悩みだったりします。
私たちは、きっと死と隣り合わせに
生きているんだと思います。

本当に、生きていると
日常が、本当に、日常に感じます。
変な言い方だけど

この後に来る1秒は当たり前に呼吸をして
大切な人も元気にいると思うし。
鉛のように思い悩みを抱えて未来への不安を
抱いているのだと思うし。

それが明日も、明後日も1ヶ月後も
1年後も、10年後も、一生、、、
続くような感覚に陥ってしまうのです。

でも、そんなことがない、
ということを、このような作品に触れるたびに
感じる次第です。その現実を、改めて
理解するきっかけになります。

だからって、何かに怯えるわけでも
備えるわけでもありませんが。

でも、だからこそ今という時間の貴重さを感じたり
大切なひとを自分なりに大切にすること、
そういう時間があってもいいのかな、
と感じています。

なんとなく、彼の本を読んでいると
今日という一日も、何十年後かに思い出す
淡くて幸せで温かくて優しい記憶になるかもしれない
と思い、文章を書きたくなった次第です。

終わりも着地点もありませんが。
書き収めます。

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