渋革まろん

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LOCUST編集部/京都演劇ガイドブック「とまる。」発行/座・高円寺劇場創造アカデミー舞台演出コース修了[14]/「トマソンの祀り」企画演出[15-18]/「チェルフィッチュ(ズ)の系譜学」(『ゲンロン9』掲載)でゲンロン佐々木敦批評再生塾第三期最優秀賞[18]

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PARAクラス「パフォーマンス(アート)のボーダレスな動きを探る」ゲスト紹介

【概要】PARAの講座クラス「パフォーマンス(アート)のボーダレスな動きを探る」では毎回、ゲストアーティストにこれまでどのような仕方で動いてきたかについてインタビューをしていきます。以下、ゲストでお招きするアーティストの方を紹介します。 【ⅰ】10月13日(木) 濵田明李濵田明李(はまだ・みり) 1992年高知県南国市生まれ。武蔵野美術大学油絵専攻油絵学科卒業。 パフォーマンスで作品をやり始めしっくり来る。その中では、達成を目指さなかったり、中止したり、その場所の特性を取

    • 「ちょどフェス」訪問記──"循環する多様性"に向けて

      地球温暖化のラディカルな波を感じざるをえない酷暑的な雰囲気ただよう日曜日、石巻の真野地区にオープンしたアートスペースDAISで第一回「ちょどフェス」が開催されました。 「ちょどフェス」は野外パフォーマンスを中心に展示や多国籍料理の提供も行う地域アートイベント。「ちょど」は「ちっともじっとしていないんです」という意味の「さっぱりちょどすてねんだおん」という石巻の方言から来ています。日常生活の様々なルールで抑えつけられていたエネルギーがいままさに爆発せんとするような力強さを感じ

      • 石巻DAIS訪問記

        先日、武谷大介さんが石巻の真野で始めた新しいアートスペースDAISにお邪魔してきました。 アートスペースの呼称で合っているのか甚だ不安ですが、不動産屋にも匙を投げられ放置されていたという廃屋をDIYで改修し、アーティストがレジデンス可能なスペースとして運営していくのだとか。 DAISという名称には、Diversity, Art, Interactive, Studioの頭文字をとったという説と、武谷大介の「だいすけ」に由来するという説があって、真実は定かではないのだけれど

        • Twitter感想ログ_2020/12

          うしお鶏・米澤柊 2人展「AB」 原形質性。輪郭の融解。ほんわり見える原形質性にフォーカスする傾向はどういうことなのだろうと、数年前から気になってる。アクセシビリティ(親密さのデザイン)の話とつながっている気がしてる。 じょいともさんのツイート見て、うしお鶏・米澤柊 2人展「AB」に行ってみた。ちょっと予想外で驚いた。(自己生成的)運動の享楽に観者を誘うのではなく、アニメの「肉」をコマ送りで検分するような提示の仕方。どう考えたらいいのかはまだよくわからないが面白かった。

        PARAクラス「パフォーマンス(アート)のボーダレスな動きを探る」ゲスト紹介

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          Twitter感想ログ_2020/11

          ファビアン・プリオヴィル・ダンス・カンパニー 『Rendez-Vous Otsuka South & North』トランパル大塚版を見た。場のレイヤーを重ねる工夫が二重三重に仕掛けられていて、星野リゾート版よりも圧倒的に優れている。わたしたちの空間認識には(実は)レイヤー感覚が備わっており、この感覚を通じて場に上書きされた複数の時間の記憶を読み取ることができるのだということがよくわかる。 只石博紀 「cursed172212211 / too old to camp」 2

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          「パフォーマンス・アート」というあいまいな吹き溜まりに寄せて――「STILLLIVE: CONTACT CONTRADICTION」とコロナ渦における身体の試行/思考

          [1-1]概要――「STILLLIVE」の背景をなす諸条件 12月13日(日)、13名のアーティストによる「STILLLIVE: CONTACT CONTRADICTION」(※1)というパフォーマンス・イベントを、ゲーテ・インスティトゥート東京で見た。わたしが体験したそれを書き留めておきたい。最初に「STILLLIVE」の概要と、極めて基礎的ではあるが、本企画の背景を成していると考えられるメディア的・歴史的な諸条件について簡単に概説しておこう。  「STILLLIVE」は

          「パフォーマンス・アート」というあいまいな吹き溜まりに寄せて――「STILLLIVE: CONTACT CONTRADICTION」とコロナ渦における身体の試行/思考

          演劇は〈ネット以後〉をいかに上演してきた/いくのか?――円盤に乗る派『ウォーターフォールを追いかけて』におけるドラマのアクセシビリティ/親密さについて

          架空の存在であってはならない。大きな声を出してはならない。誰でもここで生きることはできる。静かで自由な場所に、円盤はやってくる。誰も興味はないかもしれないけれど、それに乗るということはよい物語だ。人間のかたちをして生きていくとき大事なのは、いつでも円盤に乗れるようにしておくことだ。そこでは見たことのない、知らないものがなぜか親しい。価値は過剰にはならない。然るべき未来について考える。時間は経っているが、周りに気づかれるほど長くはない。帰ってきたときも、誰にも興味はもたれない。

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          想像力の〈脱‐法行為〉――4ヶ月後に「どうぶつえん」を思い出す

           とっても遅くなってしまったけど、ぼくは7月26日に開催されていた「どうぶつえんvol.12」に実は出演者として参加したのでした! その時にぼくは「書くことで間接的に参加したい」と言ったら、OK!ってことで、その日、小雨がぱらつく代々木公園でみんなのいろいろな行為を見ていたのです。  「やるぞ!」と思いつつ、もう4ヶ月の時が経ってしまった! でもだから、せっかくだから、当時ぼくが撮った写真でも見ながら、あの日のことを思い出していきたいと思います。 ※黑田菜月さんが撮影された

          想像力の〈脱‐法行為〉――4ヶ月後に「どうぶつえん」を思い出す

          Twitter感想ログ_2020/10

          2020/10前田愛美「総合住宅まなみ」「1さん、2さん、3さん」「カードゲーム」「作品さん.com」「ツール・ド・鬱」「ファイナンス」といった前田愛美の活動とも、作品とも、ある種の戯曲とも、生の日記とも言えるし言えない、不確かな〈私〉のあいまいなゆらぎがそのまま体感されるように設計されている。あるいはされてしまっている。 「みんなでできるfemale artists meetingを考える」田中義樹「ジョナサンの目の色めっちゃ気になる」上演されてた軽演劇を見た。梯子したか

          Twitter感想ログ_2020/10

          Twitter感想ログ_2020/05-09

          2020/05隔離式濃厚接触室(布施琳太郎)、河原ジャイアンリサイタル(小野峰靖)、パ/フ/ォ/ー/マ/ン/ス/ナ/イ/ト(CSLAB)これら集まりの形式を操作する一群の作品をむしろ〈演劇〉と名指してみることはできるだろうか? 〈オンライン演劇〉の問題(成立の条件)が、観客の位置をバーチャルに措定するところにあるならば、こうしたコンセプチュアルな作品群は、いまこの場に現前していない観客を、ある意味での幽霊的な存在として場に招き入れることに成功しているように見える。 うさぎの

          Twitter感想ログ_2020/05-09

          Twitter感想ログ_2019/11-2020/03

          2019/11情熱のフラミンゴ 『オー・プラネテス~汝はどこにいる~』美容整形アプリ「プラネテス」が提供する豪華客船の船旅で過去に犯した罪と傷に直面する男の物語。おそらくネタバレしない方がいい案件だが、反復される音楽のなかで無意識の加害が浮上してくる展開にかなりヤラレタ。 色々と思うことはあるが人は自らの加害性に直面することを避ける動物だから、本作のように無意識の夢へと誘い込む仕掛けで、無かったことにしているはずの加害性へと導く構造はとても演劇的だし、劇の反復があり得たかも

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          「campfiring」の雑感--小宮麻吏奈のパフォーマンスにおける喩のふくらみを中心に

          日時:2020年9月17日(木)22:30ー翌5:00 出演:青木彬、うらあやか、カニエ・ナハ、記録係(関真奈美+玉木晶子)、黒田大祐、小宮麻吏奈、田上碧、武本拓也、メグ忍者、山内祥太、山本悠、、Ad Mornings(苅部太郎、土本亜祐美、大和由佳、Zoé Schellenbaum、Jang-Chi、他)※記録係、 黒田大スケは会場には不在。 企画: 小宮麻吏奈 、メグ忍者 (オル太) 運営:オル太 0ここに今ぼくがいないこと 誰も知らなくて そっと教えてあげたくて 君を

          「campfiring」の雑感--小宮麻吏奈のパフォーマンスにおける喩のふくらみを中心に

          浮遊する霊園、縁取られる出会い―硬軟企画「超絶縁体ⅱ」について

           霊園に足を踏み入れたことなど久しくなかった。墓参りをした記憶は遥か遠く、親類縁者とは子供の頃に会ったきりで、血縁の墓があるかどうかもわたしは知らない。わたしにとって霊園は実質的なつながりをもたない浮いた場所だった。しかしそれゆえに縁取られる霊園がありうることを体験させてくれたのが、アーティストの硬軟が企画する「超絶縁体ⅱ」である。  7月25日(土)に開催された「超絶縁体ⅱ」は、昨年4月に続いて、2度目の開催となる。参加「出園者」はアグネス吉井、うらあやか、硬軟、関優花、

          浮遊する霊園、縁取られる出会い―硬軟企画「超絶縁体ⅱ」について

          記録▼ぬらりひょんの駆け出し/小林耕平x山形育弘「Post Shaped Piggy Bank」

          ぬらりひょんのような顔をしていると思う。帽子を忘れたと、小走りで向こう側の展示室にかけていった。小林を見送った。展示室と展示室のあいだの通路の空間の真白い壁のまえにコンパネのデスクが置かれている。赤い郵便ポストの置物、垂直に置かれた突起の複数がついたハンガー掛け(?)に刺さったオレンジのピンポン玉、黒い長靴が一足、クリアケース、万力で留め置かれた細長い木材の上部から生えた丸棒に、カラービニールの輪っかが通された棒、その机の状態を見ているがわたしは何を見ているのかわからなくなる

          記録▼ぬらりひょんの駆け出し/小林耕平x山形育弘「Post Shaped Piggy Bank」

          お布団『IMG_antigone_copycopycopycopy.ply(あるいは暴力による無意味な無のための新しい音楽のための暴力)』

          2019年10月31日[木]-11月4日[月] ◆作・演出 得地弘基(お布団/東京デスロック) ◆出演者 緒沢麻友(お布団) 田崎小春 津嘉山珠英(冗談だからね。) 永瀬安美 ※科白は観劇中にメモしたものなので、正確ではありません。 舞台には観客席からひし形に見える白いカーペットが敷かれ、舞台背面はスクリーンになっている。 暗転し、字幕が出たあと、四人の俳優が登場する。「Prolog」と字幕が出る。四人の女性は、台本だと思わしき紙束を持ち、『アンティゴネ』の物語を語

          お布団『IMG_antigone_copycopycopycopy.ply(あるいは暴力による無意味な無のための新しい音楽のための暴力)』

          暇がなければ旅行にだっていけやしない〜『LOCUST 2』巻頭言

           創刊号に引き続き、旅行誌『LOCUST』をお届けします。今号の特集は〈FAR WEST 東京〉。東京の西の果てを目指して、私たちは立川・福生・八王子・奥多摩と、西東京を代表する4つのエリアを旅行しました。  え? 西東京? なんて思いましたか。確かに西東京には、観光地にふさわしい目立ったイメージがなさそうです。都心からすると近すぎて見るべきものがなく、地方からすると遠すぎて西も東も大差がなく思えることでしょう。しかし本誌の論考で繰り返し問われるのは、そのように硬直化した

          暇がなければ旅行にだっていけやしない〜『LOCUST 2』巻頭言