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回復期のステップ } 03

こんにちは。私は摂食障害はじめ、精神疾患経験者で経験談から考え方、メンタリティーについて X @mgmgpai で質問やお悩みを頂いて Ameba blog @konpaichan でお答えさせて頂いています。

前回に引き続き摂食障害の「回復のステップ」についてシェアしていきます。


回復中期:回復過食期

今回は回復期で訪れる「回復過食期」についてフォーカスして書いていきます。

回復過食期って何?という疑問を解消してほしい。納得が心の支えになるはず。

摂食障害の回復のステップで「必ず踏むステップ」なので過食期を乗り越えなければなりません。

(注: 回復過食期がないと感じる方もいます、それは捉え方や食べた量が増えた事に対して「過食」と受け止めない気持ちの違いにあり、食べる量が増える現象は体のメカニズム的に起こる事です)


体のメカニズムは「栄養」から「体の働き」を促して「生きている(健康の継続)」こういうメカニズムですよね。

摂食障害さんは「栄養」が届いていない体(栄養失調)の時間があって体の働きが鈍ってしまったり、止まっています。動き出すまでに時間とエネルギーが沢山必要なんです。

更に目では見えない体の内側では「ダメージ」例えば骨の密度に筋力の低下や脳の萎縮、ホルモンバランスなどです。(イライラや感情のムラも体のダメージの一つです)

これらを「元に戻してあげる」修復の為のカロリーも必要です。単純に見た目をどうこうの話ではなく、目に見えない内側の修復や止まっていた機能を回復させる為の「変化」です。


「生きる為のカロリー」だけでなく「回復のエネルギー+修復の栄養+生きる為のカロリー」と必要な栄養が普通の倍以上あるんです。

必然的に体は食欲となって栄養を心に訴えてきます。これが所謂「過食欲」です。

回復に必要だから沢山食べたくなるので、過食欲を抑えたり我慢してコントロールすると回復から遠のき、いつまでも過食欲は止まらない状態となります。

回復過食期と過食欲のメカニズムを知っていると、不安な心が少し緩和されるのかと思います。思い返して食べてあげて下さい。(参考に下記のポストも合わせて読んでくださると幸いです)


以前書いた「3食3間」の食事のリズムから過食期に入りリズムは崩れます。が、「ルールを手放す」という回復期のステップでもあります。回復過食期にルールもリズムもバランスも必要ありません。

食事面でも心の面でも「マイルール」を手放していく時間です。質や量、カロリーやバランスを気にしている状態は「制限」となり心の負担にもなります。

制限やコントロールの目的は「痩せの維持」や「変化への抵抗」であり回復とは反対にあります。

症状から抱く感情ですが、それを自覚して食べていく過程が回復のステップです。

また、普通と比べて〜という前置きは不要です、回復期なので普通と比べて〇〇という文脈は無いのです。過食も治療の一つなので「割り切る」気持ちも必要だと思います。


回復過食期の私の1日の食事

朝:ご飯お代わり(この間も何かしら食べている) 昼:朝より沢山食べる(この間におやつをずっと食べる)夜:昼より沢山食べる(落ち着くまで食べる)

ご覧の通り、ずっと何かしら食べています。1日で2Lのアイスクリームを毎日食べていました。「え?そんなに?」と思う方もいると思いますがそれだけ食べても中々体は健康的になりません。

継続して栄養を摂って、かつ時間の経過が「心と体回復」に繋がります。とにかく沢山食べます。それの繰り返しと積み重ねです。

回復過食期の終わりは必ず訪れます(後期については次回書いていきます)沢山食べたい時期だと寄り添って、しっかり食べてあげる事が回復過食期の終わりに近付く方法だと思います。

「回復過食期を早く終わらせる為に過食する」これが私の回復期のモットーになっていました。その通りになってくれて自分を信じて良かったと振り返って思います。


回復過食期の心

体や心などの摂食障害のメカニズムを理解していても「心」が反射的に現実の変化を拒んだり怖くなったり、気にしなくていい事も気になったりします。

摂食障害は「精神疾患」で「心の病気」なので「抱く感情」というのは、そう簡単に消えてくれません。

"怖いものが突然に怖くなくなる" とか "不安がいきなり消えた" という感覚ではなくて、私の場合は「納得」に近い形で「今できるようになった事」をちゃんと拾って、回復を実感していきました。

摂食障害の自分からすると、想像できなかった自分の姿や生活に心が追いつかない時があります。特に回復過食期は「自分の意思でコントロールできない食欲」があるので、回復の意思があっても、変化や食欲に驚いてしまうものです。(慣れない時期があるのは自然な事です)

"変化して嬉しかった事・楽しい事"  "できるようになった事・誇らしく思える事" なんでもいいのですが、少しの前進や良い変化にフォーカスしていく方が心が楽でした。

「物事の捉え方を変える」と似ていると思うんです、これも「練習」なのかなと思っています。考え方も一つの「癖」のようなものなのです。

嫌なことばかり考えたり極端に悪い連想をしてしまうのも、自分の「生き辛さ」の原因でこれまで背負ってきた苦しみの理由です。

(私の場合)心の病気なのですが、単純に痩せたいからなった病気ではなく、どこか心の凹みがあってそれが摂食障害という凸と凹みがピタッとフィットしてしまったから発症した、そう考えています。

病気になった理由を手放す為の時間でもあるので(そうあって欲しい)怖い不安などの気持ちとも向き合うのが回復のステップです。

変化していく心と体を客観視して「やだ、怖い」と想う気持ちこそが「心の症状」です。それを手放す回復期です。

心の苦しさや生き辛さと、どう付き合い寄り添うか?が回復期と回復後の「これからの人生」において大事な課題です。(課題って堅苦しい表現ですが、それくらい重要だと思うのです)

発症の原因である「考え方」や「悩み方」が変わらないと、違う形で自分を傷つけたり追い込んでしまったり、摂食障害の再発もしかねない、と思います。(実際に再発率が高い病気でもあります)

体の回復と同時に心の回復までセットでやるのは「とても難しい」と思う方もいるかもしれません。中々イメージが湧かないと思います。

楽観的に考えれば「体の変化」に伴って「抱いた感情」にその "都度" 寄り添っていけばいいんじゃないか?と思うんです。

私はこうして、体と心のバランスをとって回復期を過ごしていました。

食べる→怖い→なんで怖い?(問いかけ)→変わりたくない心に気が付く→回復の理由を思い返す→回復に向けてまた食べる|(私なりの)これが繰り返しが心と体のバランスの取り方です

心が重りになって回復の為に必要な「食べる」という動作にブレーキをかけてしまうのですが、それを "心" で乗り越えて "体で体現(行動)" していくのが大切。

不安や怖いと感じる気持ちも「悪い事」ではありません。弱音だと仰る方が沢山いますが、そんな事はありません。

これまで頑張って痩せや容姿に関するマイルールの中で自分の心を守ってきたのでしょう。不安でも怖くもなければ、最初から摂食障害にはなっていなかったと思う。今は怖いや不安を手放すステップだから思う気持ちに罪はありません。

回復過食期では、これまでにないくらいの不安と葛藤が待っていました。前向きな気持ちでいられない事もあります、でも怖いを理由に進む足を止めてしまったら、次はもう命が無いと思っていました。

あとは、そうですね。「こんな辛い回復期をもう過ごしたくない」何て思ったのも回復のパワーになりました。

危機感や回復の理由を思い返してあげる事で回復過食気という何とも複雑な時間を納得の時間に変えてあげる事ができました。


危険な事


回復過食期で1番「危険な事」を最後にシェアします。食事記録やカロリー計算・g数やPFCバランス・体重測定や運動量での調整・下剤乱用etc... を行って【過食分を消費(なかった事にしようとする)】【数字を軸にする】これが危険なのです。

どう危険があるのか?をお伝えします。

まずエネルギーやカロリーを消費する理由は何でしょう?先程書いた通り「変化に対する恐れへの抵抗」だと思います。

回復というのは"体の回復"だけではなく"心の回復"も含んでいるので、抵抗を乗り越えていく練習を自ら行動に起こしていかなければなりません。

カロリーは体を健康にしてくれる栄養です。せっかく勇気を持って食べ進めて摂れた栄養やカロリーを消費してしまうと、回復に必要なエネルギーと生きる上で必要な栄養まで消費してしまいます。

食べても食べても体が元気にならない。つまり「回復過食期が終わらない」とも言えます。


"マイルールを手放そう"というのは何となく分かるかと思いますが「痩せに対するマイルール」を手放すだけじゃなく基準を作って達成しなければ...!という概念を手放していくと摂食障害の原因でもあった"悩み方"や"心の問題"と上手く付き合えると思います。


具体的には、数字を軸にした生活です。

体重やカロリーも高く(健康に近い数値や基準)見積もる事ができて一見「摂食障害ではない」目標設定だと思われますが、特定の数字や基準「以外の事」が起こったり予期せぬ事態に直面した場合、対応できない事に繋がります。

回復期ではご飯のg数や1日の摂取カロリーを定めて食べ進める方法を取っている方もいます。(合う・合わない(相性)があるので良い・悪いの話ではありません)

外食となればご飯のg数やカロリーなどを確認できるとは限りません。数字や基準に安心感を持ってしまうと、目視できない場所での食事が困難となってしまいます。

回復期の中でもこだわりの強いマイルールを持ってしまうとそれ以外に対応できない状態になりやすいので、ルールは作らない意識で過ごすと今後の自分の為になる「練習」だと思います。


なぜ、危険と表現するかまでお伝えさせて下さい。脅したい訳でも不安を煽っている訳でもありませんが危機感を持って欲しいと願っているからです。

SNSなどに左右されたり、繊細な心に入り込む誰かの意見や生活から自分を守る為にも危機感を持ってほしいと願っているので危険と表現させてもらいました。

自分から距離を持って、自分の納得を糧にして、回復中の誰かや健康な人と比較せず、回復期を過ごしていく事が心の回復に大事なステップです。


最後に

回復期の中でも苦しい時期の「回復過食期」について書いていきましたが書きこぼしている事もあるかもしれません。色々な事が人によって起こったり異なるので、自分の疑問や悩みはX@mgmgpai の固定画面から質問を送って下さい。

基本的なメカニズムは沢山勉強して私の選んだ言葉でシェアさせてもらっています。心の変化と対応はここに書いてある事を意識して実際に回復期を乗り越えた私です。が、私の考えも一つの選択肢程度で軸とする必要はありません。

最後にもう一度、何が大事なのかを書いて終わりにしようと思います。

回復過食期は「倍の栄養が必要」だからその分食べたくなるので「コントロールしたり消費をすると過食欲は止まらない状態になります。怖い・嫌だの気持ちが症状なので、これを乗り越えるのも回復のステップです。





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