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体は騙せない

こんにちは。私は摂食障害はじめ、精神疾患経験者で経験談から考え方、メンタリティーについて X @mgmgpai で質問やお悩みを頂いて Ameba blog @konpaichan でお答えさせて頂いています。

今回は摂食障害・摂食障害回復期の方から頂く質問やお悩みの中で多い内容をpickupして「心と体のメカニズム」について書くnoteです。

心は感情、脳の反射的な信号を「コントロール」できるものです。例えば、「あれ食べたい」という気持ちに対して、心で「でも、食べたら太る」と抑え込む。

ですが、体の反応や感情に訴えてくるサインには必ず「理由」があります。それが体のメカニズムです。このメカニズムのサインを心で抑制してしまうと、いつまでも解消されない心の苦しみに悩まされます。


「心の満足」は本当に自分が食べたい物を好きなだけ食べられる事、それに罪悪感を感じず繰り返せる生活(認めてあげられる事)です。それが、摂食障害からの回復だとも思っています。

心と体は「バランス」が大切で、心は騙せても抗えない体のメカニズムがある事を勉強して知識として知っておく事も今後の心と体にとって糧になると思います。



カロリー計算

Q .カロリー計算をして食べる量を調整・確認しています。食べても満たされないのはカロリーが足りないからでしょうか?

多くの摂食障害さんや回復期を迎えた方は「カロリー計算」をする事で心に安心感や基準(マイルール)を作っています。

ですが、その安心感や基準自体が「認知の偏り」である自覚を持てていない場合が多いです。どこかで見た「1日のカロリー量」なのか「基礎代謝の計算」なのか?

私は、摂食障害とその回復期には「カロリー計算」は必要ないと考えています。

なぜなら「心の満足」が基準になっていく事が、回復だと思っているからです。カロリーという数字は「幸せの数値」ではありません。

自分の心の満足があって、お腹も体も満たされていきます。例えば「ケーキを食べたい」と思っていても、心が「食べたらカロリーオーバー」と思い変化への不安から抑制して我慢をする。でも、体にも栄養は入らないし、心の満足も感じられない。また、その気持ちは解消されていないので再び「ケーキを食べたい」という気持ちになり、サイクルに陥ります。

心の満足が次第に体の満足になり、体が満足してくれば心も満足していくものです。

それを表してくれるのはカロリーという数字ではなく、心の本音にあります。基準は心にある意識で数字に囚われない練習が大切だと思います。


過食にならないか?の不安

Q .回復期で過食症に移行しないか不安です。恐れて食べる事を躊躇しています。でも、ずっと食欲があって葛藤しています。

多くの摂食障害回復期の方が「過食」というワードに敏感で恐れていると思います。解決の手段として、体のメカニズムから認知を正していくべきと思います。


Q .食欲って、そもそも何?A .生命維持に必要な体のサインです。

体は栄養がなければ動きません。心臓も血液も骨も筋肉も、考え感じる脳も臓器で栄養がなければ働きが低下していきます。

体に必要なエネルギーが入ってこなければ、脳が危険を察知して「食べて!」と指令の出します。これが「食欲」です。

摂食障害関係なく、人間の三大欲求でもある食欲は「理由」があるから存在しています。摂食障害から回復しても食欲は続きます、それが当たり前なのです。

Q .なぜ「沢山」食べたくなるの?A .それも、体の何かしらのサインです。

例えば「生理前に沢山食べたくなる」というのは、あるあるだと思います。

生理は" 1ヶ月間の時間で子宮に貯めていった血液のベッド "を不要だと認識した場合、新しくする為に排出する体のメカニズムです。血液が不足する事と排出する為に、カロリーが必然的に必要になるのです。だから「沢山食べたい」の気持ちに変わってサインを出してくれています。

例えば「頭を使ったら甘い物は欲しくなる」これもシンプルなメカニズムからくる体のサインです。脳は糖分をエネルギー源とし、また即効性もあります。それを脳は賢いので理解しているんです。

例えば「運動をしたら喉が渇く」これも一つの体からのサインです。汗をかいて水分がなくなったから、体温が上がったから、などの理由で自然と「喉が渇いた」というサインになって教えてくれています。

と、いう幾つかの例を切り取ってもシンプルかつ合理的な体のメカニズムから必要な「食欲のサイン」である事は理解できると思います。


Q .摂食障害回復期の過食期はどんな理由なの?

体に不足している分の栄養だけを欲求しているのではありません。不足していた時間に体の見えない内側でダメージを負った「体の働き」を「修理する為のエネルギー」も必要なのです。

なので、単純に倍以上はカロリーは必要です。時間が長ければ長いほどに負ったダメージも大きいので、必要な修復期間も長く大きいのです。しっかり食べて体を安心させてあげられる事が「心の満足」にもなるという事です。

過食の理由が分かったところで、心の抑制をしてしまうと引き起こされる体の反応も分かると思います。

理由があって出されたサインに答えてもらえなかった体は、伝わるように大きな声でサインを出します。「もっとエネルギーが必要です!」「まだまだ足りません!」と。


回復期である体に負担をかける心が「心の満足」だけでなく「体の満足」までも奪ってしまい、いつまでも「食欲」が消えないループに陥ります。

回復期の体が「沢山食べたい」と強いサインを出すのも、これまでの抑制に対して反動的に大きなサインを出しているという事です。

体のメカニズムから分かるように、心の欲求は脳や体からのサインであって心は騙せても体は騙せないんだと認知してみると納得がいく事もありますよね。


回復期の不安

よく頂く、悩みや不安の中には「過食」のワードに乗っかるイメージが摂食障害さんは深刻である事、非常に恐れているのが分かります。私もそうでした。理屈は分かっても、心の不安や恐怖は簡単には拭えません。

手放す練習の回復期間なので、焦らなくても大丈夫。でも体のサインを無視するリスクは知っておいて欲しいと思います。なぜなら、無視や我慢などが今の不安や恐怖を煽っているからです。


過食の基準の歪み

また、過食の基準も歪んでいる場合が多いので再度改めて向き合って欲しいと思います。

拒食、過食に対する排出行為(過食嘔吐など)があって成り立っていた「当たり前」を、本当の当たり前だと認識して「比較の基準」にしてはいけません。

その当たり前の土台が歪んでしまっているので、食べた量を考えるのも「以前に比べたら多くなる」のは当たり前なのです。

また、回復してからも食欲は生命維持の為にあり続けるので「消える」事もなければ「我慢」する理由もありません。


回復の基準

回復の基準は「健康の維持」があって、特定の状態(標準体重や生理回復)があって終わりではないのです。それを継続させる事が回復で健康です。

その為の練習期間なので今の段階は「慣れる」なのか「癖づける」なのか「当たり前に変えていく」のか?

摂食障害で染み付いてしまった認知の歪みを「手放す」なのか「癖を正す」なのか「当たり前を当たり前としない」のか?

これらを試行錯誤していく回復期です。維持していく上で自分を納得、認める理由を探しながら、体に安心感を与えていく時間なのです。


最後に

過食という言葉に戸惑う必要は本当はないんだと、カロリーなどの数字もこういった知識や体のメカニズムを知る事で、少し安心して納得してもらえたら良いなと思います。

参考になればと思います。








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