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王騎将軍が自らの運命に立ち向かうまさにその始まりともいえる『キングダム 運命の炎』


【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位:38/108
  ストーリー:★★★★☆
 キャラクター:★★★★★
     映像:★★★★★
     音楽:★★★★☆
映画館で観たい:★★★★★

【作品情報】

   原題:-
  製作年:2023年
  製作国:日本
   配給:東宝、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
 上映時間:129分
 ジャンル:アクション、戦争、歴史
元ネタなど:漫画『キングダム』(2006-)

【あらすじ】

500年にわたり、七つの国が争い続ける中国春秋戦国時代。戦災孤児として育った信(山﨑賢人)は、亡き親友と瓜二つの秦の国王・嬴政(吉沢亮)と出会う。運命に導かれるように若き王と共に中華統一を目指すことになった信は、「天下の大将軍になる」という夢に向けて突き進んでいた。

そんな彼らを脅威が襲う。秦国への積年の恨みを抱く隣国・趙の大軍勢が、突如、秦への侵攻を開始。残忍な趙軍に対抗すべく、嬴政は、長らく戦から離れていた伝説の大将軍・王騎(大沢たかお)を総大将に任命する。決戦の地は馬陽。これは奇しくも王騎にとって因縁の地だった…。

出撃を前に、王騎から王としての覚悟を問われた嬴政が明かしたのは、かつて趙の人質として深い闇の中にいた自分に、光をもたらしてくれた恩人・紫夏(杏)との記憶。その壮絶な過去を知り、信は想いを新たに戦地に向かう。100人の兵士を率いる隊長になった信に、王騎は『飛信隊』という名を授け、彼らに2万の軍勢を率いる敵将を討てという無謀な特殊任務を言い渡す。

失敗は許されない。秦国滅亡の危機を救うため、立ち上がれ飛信隊!

【感想】

映画『キングダム』シリーズ第3作目。今回の映画は、原作漫画でいう10巻~13巻の内容に加えて、8巻に収録されている嬴政と紫夏のエピソードを映像化しています。正直、物語の"谷間"みたいな感じがしたので、原作を読んでいるか読んでいないかで、だいぶ印象が変わるなと思う内容でした。

<メインイベントの導入のような立ち位置>

この映画のメインの話は秦と趙の全面戦争なわけですが、今回はその序盤までしか描かれていません。具体的には、信が"飛信隊"の名を拝命し、馮忌(片岡愛之助)を討ち取るために躍起になるところですね。このシリーズの十八番でもある、とてつもない量の兵士たちによる大乱戦は、その迫力ある映像とド派手なアクションが凄まじくて、2時間があっという間に感じてしまうぐらいにはスクリーンに釘付けになっちゃいました。なんですけど、前作から1年しか経っていないのに、構図としてはその前作とほぼ変わらなかったのと、いわゆる"ボス戦"がないのがちょっと盛り上がりに欠けるかなと個人的には思いました。信たちの戦いと並行して、お互いの総大将による決着みたいな要素があればもっと楽しめたんじゃないかなーとは思います。

<この映画がこれはこれでベストだと思ったわけ>

キングダム』について、映画から入ってこの後の展開をまったく知らない人には、上記のようにボス戦みたいなのもあった方がもっと楽しめたかもしれません。しかし、この後の展開を知っている身からしたら、物足りなさを感じながらも、この映画はこれでいいと思ったんですよ。なぜなら、この秦と趙の戦いは、王騎が過去と向き合い決着をつけるという『キングダム』史上最大級に熱いエピソードですから、、、!それを2時間に収めるのはとてつもなく難しい、、、というかほぼ無理なんじゃないかなと思います。だから、分割されて然るべきなんですよね。公式の発表はありませんが、ここまできたらこの映画はまだ続くと僕は思っています。さすがにあそこまでやっておいてここでおしまいっていうのはないでしょう。少なくともあと1~2作はやるんじゃないでしょうか。今回、タイトルに『3』がないのって、続編があるとしたらそれとまとめて『3』って意味合いが強いからじゃないかって思うんですよね。この映画を『3』、次を『4』っていう切り分けにするのではなく、やるとしたら『3-前編-』、『3-後編-』みたいな。あと何作になるか現時点ではっきりしないから、そういう書き方もせずに、ナンバリングも外したと推測します。で、王騎将軍の結末まで描き切って、実写映画は幕を閉じるのではという勝手な予想(笑)

<王騎がどんどん王騎になっていく>

それにしても、大沢たかおさんの王騎がシリーズを経るごとに、どんどん再現度が増していってる気がするんですよ。今回、彼は秦軍の総大将として任命されますが、正直あまり目立った動きはありません。ですが、あの風貌やしゃべり方、そして笑い方の「コココココ」がすごく自然で、どんどん王騎そのものになっていってるなと(笑)

<そんなわけで>

正直、過去作と比べるとちょっと地味というか、あまり変わり映えしない印象もありますが、戦国時代なのでやっていることは基本変わらないってのは仕方ないことですし、今後の展開を踏まえたときにその導入として重要な作品だと僕は思いました。嬴政の過去も知ることができますし、王騎の過去にも触れますし、この後にものすごく大きな流れが来る、嵐の前の静けさ(静かな映画じゃまったくないけどw)っていう感じがして、これは観ておいて損はないと思います。とはいえ、映画としての面白さという点では、僕は前作の方が好きですけど(笑)


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