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カナダ中銀(BOC)政策決定会合の解説と中国政治局会議の内容について

①BOC会合
政策金利を0.5%引き上げて4.25%としました。市場予想は0.25%と0.5%で分かれており、若干0.5%が優勢(0.32%利上げ予想が織り込まれていた)という状況でしたので、ややタカ派サプライズとなりましたが、現行の引き締めサイクルは終了に近づき、議論は追加利上げ幅とターミナルレートの水準にシフトしている印象です。
声明文では、インフレはまだ高いとしながらも、利上げが必要かどうか検討していくとのことです。第3QのGDPは予想より強く、超過需要とタイトな雇用市場が継続していることが強調されていました。一方で、消費は減速しており、住宅市場が停滞し続けていることから、金融引き締めの効果が出て、コアインフレ圧力の落ち着きについても明確に認めています。
今後はデータ次第になるということを強調しましたが、次回1月の会合までに11月と12月のCPIに加え、1月に発表されるビジネスアウトルックサーベイの内容を見て判断することになりそうです。現時点では0.25%の利上げが見込まれています。

②中国政治局会議
声明文が発表され、
・より積極的な財政支援
成長を取り戻すための中央政府による支出拡大。
・コロナ規制の更なる最適化
経済活動再開に関する施策を更に推進する。

この内容を元に中央経済工作会議に移り、各省庁が成長率など2023年の様々なマクロ目標の達成を含む目標達成のための具体策を立てることになります。早ければ来週にも具体策が発表されますが、ゼロコロナ規制が完全に解除される前提であれば財政出動の効果はかなり高まるはずで、中国と関連があるアジア各国の経済も合わせて回復してくる可能性があります。

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