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美しい田舎暮らし

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、私はNHKで最近ドイツ人で日本に移住した建築家のことを知りました。

場所は新潟県十日町市竹所。その番組は今は見られないようなので探してみると古いものですが短く紹介したYouTubeがありました。


過疎化の進む新潟の村落の空き家を見事に再生された方はカールさんというドイツ人。武道の習得のために若い頃に日本に留学して以来、日本の田舎に魅せられて、50歳で建築の仕事をリタイアしてからアルゼンチン出身の奥様と移住してこられたということです。

日本の古民家の作りがしっかりしているので最大限生かして雪の多いドイツの建築様式と融合させておとぎの国のような村を作られています。そして東京から移住してきた新たな住人の方々が緩いネットワークを築いて自然に溶け込んだ暮らしをされているのです。茅葺の家を断熱材などで機能的で快適にし、田園風景の中にたたずむその様子はとても美しく桃源郷のようです。

ベルリンの壁がまだある東ドイツに生まれて、生まれる前に戦争でお父様を亡くされたカールさんは日本語を自在に操り、日本の古い建築を大事にして、集落再生の立役者となられました。ビデオにもあったように桂離宮や写楽など、また軽井沢も海外から来た人が日本人よりもその良さを高く評価して、あとから日本人がその良さに気づく、ということはよくあります。竹所もその一例です。

あー、私のふるさとのことが思われます。奈良にもこのような景色はたくさんある!当たり前に思っていたこと、それどころか退屈だとさえ思えていたことに大きな魅力があったのかもしれない。

田舎暮らしは大変なこともたくさんありますが、見方を変えるとこのように温かくて人間らしい暮らしを取り戻せる可能性があるのですね。今の私の暮らしは便利でイージーで快適ですが、田舎に移住する人たちの気持ちがとてもよくわかります。これからテレワークが広がると皆が自分の感性に合った土地を選んで住むことができるようになるかもしれません。

本当に大事なことは何なのか。都会で競争して生きることに疲れたらほかの道もあるということもわかりました。

一人の人の力は小さくない。信じる力があればなんだってできるんだなあとカールさんには思わされました。私の中に新たな風が吹き込んできたような気がします。本格的な春が来たら一度車で行ってみたいと思います。日本中の田舎がその魅力を見出されるともっと住みやすくなるかもしれませんね。



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