「光る君へロス」に陥って
終わってしまいましたねぇ。。。平安ラブロマンスを描いた「光る君へ」
結婚前は実家で父が大河を観ていたので、チラチラと観たことはあったのですが、自分の意思で大河を観ようと決めたのは、この作品が初めてです。
ほぼ世代の同じ吉高由里子さんの大ファンなんですよ、私。
連ドラの「最愛」とか夢中で観てましたから、大好きな彼女が十二単をまとって紫式部をやると聞いたら観ないワケにはいかんでしょ(笑)
普段は大河を観ない人種だけに歴史に深い興味はなく、平安時代に関心があった訳でもないんですが、吉高さんのお陰で平安絵巻にハマりました。
派手な合戦のない時代のせいでコアな大河の視聴者が離れたとかで、視聴率が低いとか下らんこと書いてるメディアもありましたが、むしろ女の私は戦が嫌いなので、雅やかで穏やかな平安の物語を堪能しました。
主役となった紫式部は生年や没年はもとより、本名さえ明らかになっていない謎の多い人物だそうです。
藤原道長と恋仲だったことをハッキリと示す史料は無いようなんですが、道長が彼女にちょっかいをかけていたのは歌が残っていて事実らしいです。
下級貴族の娘でも当時は女子が出歩くことは無かったそうなので、幼い頃に2人が河原で出会ったというのも創作ですが、一大ラブストーリーに仕立て上げた大石静氏の手腕はお見事だったと思います。
ドラマの視聴者であれば推しメンがいると思いますが、大河だけに登場人物が多く、魅力のあるキャラに溢れているので1人には絞れないですよね。
初期の登場人物で圧倒的に女性視聴者の支持を得ていた直秀は私も大好きなキャラで、非業の死を遂げた時はショックを受けたし、まひろと道長が泣きながら弔ったシーンは胸に迫るものがありました。
まひろの夫となった藤原宣孝も味のあるキャラクターでしたよねぇ(笑)
まひろが産んだ不義の子をそれと知りながら嬉しそうに抱くシーンが印象に残っていて、大きな愛でまひろを包んでくれた懐の深い人物だったと思います。
同じ既婚女性として、何より感服しているのが道長の嫡妻として完璧な賢妻ぶりを発揮していた源倫子で、黒木華さんの当たり役で素晴らしい女性でした。
元から雅な平安貴族顔である黒木華さんの、良家の姫君らしいおっとりした口調も良かったし、最終話のまひろと対峙した時の嫡妻としての演技が秀逸でした。
倫子は夫の道長から女性としては愛されなかったのが不憫でしたけど、彼女の方は夫を心から愛していたからこその最終話のはからいで、道長という男性は素晴らしい妻を娶ったものだと。。。内助の功とは、まさにこのこと。
「嵐が来るわ・・・」というラストのまひろのセリフが話題になっていますが、大河としては斬新なラストシーンでした。
最後にまさかの双寿丸と再会、ここでそれを持ってくるかという。。。戦を嫌った藤原道長亡き後、武士の時代が到来することを予感させるラスト。
恋愛ものと縁の遠いおじさん連中はあ~だこ~だとケチを付けていますが、私にとっては近年まれに見る秀逸な作品で、脚本の大石静氏やプロデューサーである内田ゆき氏、女性陣の健闘を称えたいです。
視聴手段が多様化している現代、テレビの視聴率がどうとか時代遅れじゃないですか?
泰平な平安の世を艶やかに描いた「光る君へ」は、私のように人の命を奪う戦を忌避する女性視聴者の心を震わせ、新たな大河ファンを掴んだと確信しています。
ただ、NHKには申し訳ないのですが、私が「光る君へ」を観たのは主演女優のファンだからで、次の作品である大河にはまったく関心がありません。
タイパ至上主義の忙しい時代にテレビ画面に1年間視聴者を引き付けておくのは難しい、という話で締めたいと思います(笑)