mari

手製本に魅せられて、本や本のようなものを作っています。

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  • なんでもないわたしの10年前の日記 東日本大震災のころ

    10年前に書いていた日記です。2011年3月の日記から公開しています。東日本大震災の頃、なんでもない私が何を感じ、どう過ごしていたか読み返してみました。

最近の記事

子どもの日に思った父とDIYのこと

せっかく車を買い替えたのに、さっそく傷を作ってしまった。こんな傷を作ったのは初めてだ。20センチほどの線傷の一部は塗装を超え、恐らく金属層まで到達している。それから、狭い駐車場に停めた時に、隣の車に付けられたであろう傷も見つけた。 車にこだわりは無いけれど、このままでは錆びてくるし、目立つ傷を見るたびに気分が下がる。自宅のタッチペンだけでは対応しきれないので、実家に顔を出すついでに補修することにした。   父に傷のことを話すと、どれどれと嬉しそうに付いてくる。適当な研磨剤を

    • 2022年の制作を振り返る

      あっという間に一年が過ぎていきます。 何もできずに終わったようで、振り返ってみると「あれはまだ1年前のことだったのか」と思うことばかり。 2022年も、やっぱり製本から始まっていました。 1月 前年から引き続きご依頼いただいた初めての装丁依頼に全力で取り組んでいました。 2月 3月に出展するMOTOYAさんの『BOOK LOVERS』出店準備を行いました。   3月  喫茶frameさんで行われた『 #震災の記憶をめくる 』展で拙作『 #あの頃の新聞を綴じる 』を展示して

      • 「インディーズブックバザールvol.3」参加の記録

        2021年12月5日(日) 「ブックハンターセンダイ」が主催する「インディーズブックバザールvol.3」に出展した。「ブックハンターセンダイ」は、仙台在住のアマチュア文芸作家さんが組織している、本にまつわる活動を行っている団体だ。 この「インディーズブックバザール」は、文芸系の作品だけでなく、zineやリトルプレスなど「独立した存在として自由に作る本」を「インディーズブック」と呼び、取り扱っている。私のような物語を作る能力に乏しい、よく分からないことをやっている人間にも門

        • 「春一番盗んだバイクで走り出す そんな俳句を昔作った」

          枡野浩一 さんの短歌が好きです。 以前、又吉直樹さんのYoutubeチャンネルで、枡野さんの「本人が読む場所に書く陰口はその本人に甘えた言葉」という短歌を紹介しているのを見ました。そして、一瞬で心を掴まれました。「ああ、意地悪なことを言うのは、確かに本人に甘えているなぁ」と、妙に反省しました。 後でその短歌のことを調べたら、なぜか西荻窪にある書店「BREWBOOKS」さんのページに行きつきました。 BREWBOOKS – 麦酒と書斎のある本屋 なんと、枡野さんの直筆のそ

        子どもの日に思った父とDIYのこと

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          芥川龍之介『蜘蛛の糸』文庫本リメイク

          生前、様々な罪を犯した男は、お釈迦様の慈悲によって「蜘蛛の糸」という天国への切符を手に入れた。 けれど、元来の自分勝手さが災いして、その糸はあっさり切られてしまう。 どん底で見出した一瞬の希望から、再び地獄に落とされた男の絶望はどれほどだったろう。 いっそ、気まぐれな救いの手など無い方が諦めがついたのではないか。 男がどんな振舞いをするかなんて、お釈迦様、初めから分かっていらしたんでしょう? 【作品概要】 ・和紙にシルクスクリーンプリント ・タイトル活版箔押し ・文

          芥川龍之介『蜘蛛の糸』文庫本リメイク

          地震と活字

           夜、作業中に地鳴りを感じた。あぁ来るな、と思う。ある程度経験すると、大きな地震がくるかどうか事前に分かるようになる。来た。思ったより大きい。両足をしっかり床につけ、両手で机につかまる。そのまま辺りを見回して、倒れてきたり落下しそうなものが無いか確認する。問題ない。だんだん揺れが強くなる。おさまらない。どうなるのか。心拍数が上がる。感覚が冴える。アドレナリンが放出されて、危険に対応できるよう体が準備されていく。本能が叩き起こされる。こうなると、この後しばらく眠れない。ようやく

          地震と活字

          生きることと働くことについて考える

          最近、「働くこと」について考えることが増えました。 「将来、何になりたいの?」というのは、暗に具体的な職業名の回答を促していて、広く将来を考えるには的確な質問ではないのかもしれません。  職業や労働は、ありたい自分やその生活を実現するための手段の一つに過ぎず「人は、働くために生きるのではなく、生きるための手段として労働を選択する」ということを再認識しています。 「とにかくお金持ちになって、物質的に贅沢な暮らしがしたい」「多くの人から尊敬されたい」「人の役に立って感謝され

          生きることと働くことについて考える

          2021年の活動を振り返る

          2020年12月末、あるアーティストさんとご一緒した際に聞いた「『上手になったら出す』と言っている人は、いつまで経っても出さないから大丈夫」という言葉が心に残ったまま、2021年の明けを迎えました。 厳しいけれど、その通りだと思ったのを覚えています。この言葉は今でも私の中にあって、とても大切なものになっています。 そんな2021年を、少し振り返ってみたいと思います。 1月 平日は1日8時間以上仕事をしているのだから、そのペースで製本の練習ができるのではないかと思い、年末

          2021年の活動を振り返る

          「ワケあり雑がみ部」というワンダーランド

          「雑がみ」というゴミの分別区分があります。 厳密には「資源」で、リサイクル意識を高めるため、わたしの街では名称も「紙ゴミ」ではなく「雑がみ」とする工夫がなされています。 人は物に対して、その名前にふさわしい扱いをするもの。ゴミはゴミとして、紙は紙として扱われるようになる。不思議。 そんな廃品をアート活動に昇華したのが、「ワケあり雑がみ部」です。 https://twitter.com/art_node/status/1445547510022295561?s=20 収

          「ワケあり雑がみ部」というワンダーランド

          zineの価格について考える

           zineというのは、個人が自分の思いのままに発行する印刷物で、その交換や販売を行うイベントは全国で行われている。  その中で「zineの価格」というのは、これまでも色々なところで話題になっている。この半年で、4つのzine関連のイベントで出品・購入した経験から、今後のzineイベントへの参加スタンスを考えたい。今回は、本人がその場にいない展示販売形式のイベントを前提として考えてみる。 <基本的な姿勢> ・そのイベントで売れたzineの金額と、買ったzineの金額が同等で

          zineの価格について考える

          感想文『手製本始めてました!~約10年のざっくりした備忘録~』永都りすさん

          魔術書工房 永都りすさんの『手製本始めてました!~約10年のざっくりした備忘録~』が届きました。思ったよりずっしりしているのは、紙へのこだわりからというのがよく分かるzineです。 こちら、ミシン綴じでなく手かがりなんですよ(!)。 前書きの記載は、まさに私も思うところで。私がもごもご言葉にできずにいたことを、すっきり言葉で表現していらして、すごいなぁと思いました。 前書きだけで、こんなにドキドキする本はあるでしょうか。 そして、ページをめくるたびに本の完成度がどんどん

          感想文『手製本始めてました!~約10年のざっくりした備忘録~』永都りすさん

          なんでもない私の10年前の日記~東日本大震災のころ~

          2011年09月11日23:16 タイトル:「平成23年3月11日」 携帯の未送信ボックスに、アップ予定だった当日の記録日記を見つけました。 震災から12日後、電気と水が復旧して、やっと日記が書けるようになった時に途中まで書いて、なんだか更新する気になれず今に至っていました。 6ヶ月の節目。 私も少し思い出してみようと思います。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 被災当日のことを、記憶が薄れないうちに書き留めておこうと思います。 当日は仕事がお休みでし

          なんでもない私の10年前の日記~東日本大震災のころ~

          『ワタシのトリセツ』裏話

          『mariのトリセツ』/『ワタシのトリセツ』という、2冊組のzineを作りました。 このzineは、私がコミュニケーションですれ違ったことがもとでできあがりました。 その人は、連絡しても返信はくれないし、約束の期日も守ってくれない。送ると言っていたものも、いつまでたっても送られてこない。どうにも嚙み合わなくて、最終的に私は怒ってしまいました。 でも、よくよく話をきくと、お互いの感じ方(ものの見え方)が随分違っていて、それが原因で擦れ違っていたことに気づきました。 その人

          『ワタシのトリセツ』裏話

          なんでもないわたしの10年前の日記 東日本大震災のころ(はじめに)

          東日本大震災から10年の節目を前に、少し書き残しておこうと思います。 これまで、あまり震災については言及してきませんでした。それは、自分に当事者性が薄いと感じていたからです。 震災当時、私は津波被害の酷かった東北の小さなまちに住んでいました。ただ、私自身は津波の被害は受けず、お葬式に出るほどの身近な人は亡くならず、地震の揺れによる被害とライフラインの復旧以降は通常の生活に戻れました。 震災から10年。津波の被害もなく、身近な人も亡くならなかった私なんかの記録でも、残して

          なんでもないわたしの10年前の日記 東日本大震災のころ(はじめに)

          わたしのこと

           ものを作るのが好きです。作ったものを写真に撮ってまとめたりしています。 最近は「手製本」の世界にはまってしまい、深く広い製本の世界に魅了されています。

          わたしのこと