【読書】アップグレードを目指す人類~『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来 上』(ユヴァル・ノア・ハラリ)~
*この記事は、2019年8月のブログの記事を再構成したものです。
以前レビューした、同じ著者の『サピエンス全史』の続編にあたります。
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飢饉、疫病、戦争という人類にとっての3つの課題をほぼ克服した人類が次に目指すのは、不死と幸福、神性の獲得の3つであり、自らをアップグレードして「ホモ・デウス」(神の人)となることを目指すだろう、という観点で論が展開されます。
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もちろん「不死」と言っても、それは実質長命のことだし、幸福というのは個人の感覚に基づくものなので、人類全員が幸福である状態というのは難しいですよね。そして神性についても、ハラリはこう説明しています。
大事なのは、「目指す」という部分。「不死、幸福、神性を獲得する」とは言っていないわけです。
考えてしまったのは、以下の部分。
人間の欲望には、際限がないということですね。
心に残ったのは、以下の部分。
歴史から目を背けようとする人に、ぜひとも読んでいただきたい一節です。
がっくりきたのは、妊娠ブタ用クレートに閉じ込められたメスブタたちの写真。ブタさんたちはろくに身動きできないクレートに閉じ込められたまま5~10回の出産を繰り返し、その都度産んだ子たちから2~4週間で引き離されるという「非人間的な」環境で暮らし、最後はお肉になるわけです。もちろんトリもウシも似たような環境で飼われているわけであり、一瞬菜食主義者になりたくなりました(ならないけど)。
愕然としたのは、以下の一説。
ダーウィンの進化論が正しいかの議論は置いておくとしても、半数近くが聖書が完全に正しいと信じ、大学で学んでも数字はそう変わらないというのが衝撃でした。アメリカは私たちの印象よりずっとキリスト教国家であることを、再確認しました。
下巻は目下読んでいる最中ですが、これまたいろいろ考えさせられます。
見出し画像は、古いブタの貯金箱の顔の部分です。
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