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新人研修で感じた「信頼関係を築くこと」の大切さ。~人事のお仕事②~

サラリーマン生活最後のキャリアは、
とある事業会社の人事部での新卒新入社員の成長支援のお仕事。
4月からの集合研修の企画、運営に始まり、
外部研修やフォローアップ研修の企画。
集合研修後、各部署へ配属されたあとの1on1やメンター制度の対応などを
毎年1年間かけて実施していた。


受講者アンケートも廃止され、
平和に座学研修が進んでいるのかと安堵していたら、
またもやお客さま対応部署の研修担当責任者から、
アタシに対して苦情のメールが届いた。
 
「先日新卒社員1on1を実施しました。
その中で、どう考えても受け答えがまずいメンバーが2名います。
これ以上当部署では面倒を見れませんので明日から人事部に
お返ししたいと思います」
 
おいおい。
この研修計画は決裁を取って実施している会社の案件。
あなた方の都合で(アタシに言わせると)研修放棄するなんて。
 
そのメールには、
ご丁寧に1on1の様子を書き起こしたファイルまで添付されていた。
こと細かに、相槌まで再現され、記載されている。

一つ浮かぶ、疑問。
「これ、録音していたのではないか」

録音自体、百歩譲ってOKだとしても、彼らの許諾は必要であろう。
また翌日朝一でお客さま対応部署へ向かった。
 
「まず研修については、決裁されている年間計画に基づいていますので
きっちりやり切っていただきたい」

「それから今回の論点とは少しズレるが、お聞きしたい」
と前置きしたうえで、
「1on1の様子を録音したのか」問うた。

答えは「YES」

「それはもちろん新卒社員の了承は得ていますよね」

答えは「NO」
 
あっさりと認めたけれども、
こういうことをする人たちの言うことを今後、信用できるというのか。
 
「それはお客さま対応部署の人間としていかがなものか。お客さまとの会話を録音している旨、お客さまに許諾を得ていないのと同じではないか」
 
それまで勢いの良かったその責任者は急にバツの悪い表情になり、
黙りこくった。
新卒社員に対し誠意ある対応をするよう話をして、
その日の打ち合わせは終了した。
 
そういうことである。
改めて、お客さま対応部署の研修担当者と新卒社員の信頼関係の構築が
うまくいっていないことを理解した。
ボタンは一度掛け違うとなかなか元に戻せないのである。
 
つづく。

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