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69. スリークロス3年目の変改|シーズン観

1|関西奈良オープン (2023 / 2 / 26)

 奈良学園大学 元三郷キャンパス体育館で開催した「スリークロス関西奈良オープン」から、2023スリークロスシーズンは幕を開けた。
初開催から今年で3年目を迎えた。
これまでとは異なる「変化」が、様々なところに感じられた。

(1) 小慣れ感
(2) イメージの浸透
(3) シーズン観
ここに記しておきたい。


2|様々な変化

(1)小慣れ感
スリークロスのフロアサイズは約4:3で、正方形のフロアではない。
シネマスコープサイズだ。
「なんだそんなことか」と思われるかもしれないが、ショウを制作している側からみるとこの違いは意外と大きい。
横広の空間だからこその「遊び」がある。
 今回のいくつかのショウに「フロアサイズのイメージ」をもって創った気配が感じられた。この気配が、小慣れ感として感じられたのだろう。


(2) イメージの浸透
スリークロスは、(当然だが)歴史が浅い。
つまり、まだスリークロスのショウや雰囲気のイメージをもっている人も少ない。まだ観たことのない世界なのだ。
そんな中で奈良学園大学マーチングバンドは、昨年に続いてエントリー2年目を迎える。この経験値の蓄積の影響はは想像以上に大きい。

本番前の過ごし方やフロアでの時間の使い方、ショウの創り方など、様々なところにイメージが表出する。
会場や運営スタッフにも同様なことが言える。
会場全体を包んでいた「コンテストとは異なるカジュアルな空気」は、選手やスタッフがイメージを共有しているからこそのものだったと感じた。
アメリカでマーチした時に感じた「ワクワクした空気」が、こうして文化として定着してくのだと、腹の底からの実感があった。
関西会場の今後が楽しみだ。


(3) シーズン観
スリークロスは、リーグ制の大会だ。
オープンエントリーで、どこからでも参加できる。
シーズンを通して複数の会場にエントリーしながら、ショウを完成させていくことができる。それも、毎回毎回、大会後にクリティークを通して審査員からアドバイスを貰ったり、コミュニケーションを取りながら。

大会エントリーを通して
 - 審査員のコーチングを受けながら
 - ショウづくりのアドバイスをもらいながら
 - 技術を磨き続ける
ことができる環境が整う。
こんな環境下で、伸びない訳が無い。
挑戦すればするだけ、きっと楽しさが増すだろう。

ファンにとっても「変化を楽しめる大会」となる。
選手にとっては「変化を確かめる大会」となる。
この緊張感が、大会を一層楽しいものにする。

アメリカのWGIやDCIだって、シーズン初めはショウが未完成だったり、ユニフォームを着ていなかったりする。
シーズンを通して、
 - ショウを完成させていく
 - 技術を磨いていく
という文化が根付いているのだ。


3|リーグ制がつくる「シーズン観」

日本はこれまでトーナメント制の大会しかなかった。
スリークロスのようなリーグ制の大会がつくる「シーズン観」は、日本でマーチする殆どのチームやメンバーが観たことのない景色だろう。
リーグ制の大会がつくる面白さを、スリークロスを通して是非、楽しんでいただきたい。

リーグ制のもつ「シーズン観」の気配が、2023関西奈良オープンに感じられたことに静かな感動を覚えた。やっと種が芽吹いてきた。
ここまで実に3年の歳月を費やした。

"もっと近くで、ワクワクしようぜ"
スリークロスのスローガンが現実になりつつある。


69. スリークロス3年目の変革|シーズン観


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