見出し画像

76. 偶然性を楽しむ私の制作スタイル|決まっていないからいい

1|偶然性を楽しむ

2023THE FOCUS
ショウタイトル「Colors ONE」
12月末にMTGを行い、ショウタイトルや大きな方向性について決まった。
しかし、具体的な演出や内容については殆ど手付かずだった。
コンセプトがドーンとあるだけだった。

そんな状態でも曲のアレンジは進み、どんどんショウ制作はお構いなしに前に進んでいく/進めていく。これが私の制作スタイル。

そんな中で4月と5月に「2023THE FOCUS 春祭り」を迎え、このショウを今年のメンバーと共に創り上げていった。
第1回春祭り|4 / 23(日)
第2回春祭り|5 /  8 (日)
本稿ではこの春祭りで行った「イメージドリル」を例に、私のショウ制作スタイルについて記したい。


2|オープニングのイメージドリル|4/23日

春祭りでは、恒例のイメージドリルを行う。
"その場にいる見学者も含めたメンバーと一緒に、ショーを創っていく"
というものだ。

「Colors ONE」は大きなうねりから始まるイメージがあった。
ブラスメンバーを集めて丸くカタチをつくる。
簡単なイメージを伝えて、
「はい、何か考えてやってみてw」

そう伝えると、今度はバッテリーのところに行ってカタチをつくり始める。
ある程度揃ってきたら、今度はカラーガード。
こんな感じでショウをその場で組み立てていく。

途中でブラスの進捗を確認しにいく。
なんだか一生懸命に悶えているw
そこでもう一つ、アイデアやヒントを渡してその場を離れる。

そうこうしていくうちに、頭の中に浮かんでいたモヤモヤしていたイメージが徐々にカタチを帯びてくるから面白い。
1時間ほどすると全体がまとまってくる。
この段階になるとショウが一人でに歩き出す。
こうしてオープニングが出来上がっていった。

「Colors ONE」が産声を上げた瞬間だ。


3|バラードのイメージドリル(5/8日)

第2回春祭りでは、バラードをメンバーと一緒に創った。

ブラスをパパッとパート毎に集める。
「ここまでに16拍ね。こんな感じで。あとはよろしく!」
と簡単にイメージを伝えて任せて、他パートのところへ。

しばらくしてトランペットパートのところに行くと、まぁいつものように遊んでいるw。「もう少しこうしようか」と、手入れをして取り敢えずOK。

パーツが組み上がってきて、30秒程度のドリルがみえてきたところで吹きながら数回通してみる。

すると今度はバラードヒットの前の4拍の休みのところでた急に思いつきでソロトランペットを吹き始めたH氏。みんなびっくりして大爆笑。
これがすごく良かった!ということで、
ソロを入れることがその場で決定。
そんなこんなしながら、ワイワイと楽しく創ったバラードがこちら。


4|決めないから楽しい。

この創り方はWGIや昨今のDCIの創り方に近い。

メリットは多い。
・メンバーと一体感をもって創れる
・プロセスを共有する楽しさがある
・一緒にショウに感情移入できる
・ワクワク感を拡大できる
・クリエイティブな楽しさ/雰囲気がチーム内に造られる

一方で難しさもある。
・"その場でまとめ上げる力" が求められる
・判断することが多い
・マルチタスクに情報処理しなくてはならない
・メンバーに委ねる配分が多い
・偶然性に任せすぎる
・求められる責任と緊張感は凄まじく高い

子どもはみんなクリエイティブだ。
なんでも遊びに変えてしまう天才。
遊びながら創るととてもクリエイティブなものが出来上がってくる。その場のエネルギーに身を任せながら創っていく過程は、クリエイティブそのものだ。
ダイナミックで面白い。
また、みんなで遊びながら / 創りながら
一つのカタチがみえた時は言葉を越えた難い感動がある。

こうしたショウ制作の過程も想像しながら
「2023 THE FOCUS "Colors ONE"」
を観ていただければ、きっとこれまでの何倍もこのショウを楽しんでいただけると想い/願っている。
CIAO !!


76. 偶然性を楽しむ私の制作スタイル|決めないからいい


[Moromi Works™️ ]
- Show Design and Coordinate
- Music Arrangement
- Drill DesignRehearsal Design
- Marching Consultant
沖縄県出身 / 東京在住
好きな食べもの:沖縄そば / タコライス
1990年代に Blue Devilsでマーチ
多数団体にショウ制作や指導、大会審査員などの活動を行なっている。
Mail:moromi.works@gmail.com


[執筆希望のみなさま]
⑴「MEP™️」にご登録ください。(HP参照)
⑵ 後日、事務局よりご連絡致します。。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?