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【ボーイッシュ】 下着にまつわる気持ち

 私は男性になりたいわけではないため、性別適合手術などは一切していません。自分の身体に対して絶対的な嫌悪を感じることはないですが、それでもいわゆるレースでフリフリなアンダーウェアは着けられません。気持ち的にも見た目的にも。

なので最近は、パンツはボクサータイプ、ブラは盛らないタイプ(たまに押さえるものも)を着用しています。

下着の話を曝け出すのは恥ずかしいですが、誰かの参考に少しでもなれば嬉しいので下記に書いてみますね。あと、あとがきには私の学生時代の下着にまつわる葛藤なども書いているので、特に下着に悩む学生さんなど、良ければ読んでみてください。



【 ボクサータイプのパンツ 】

・ユニクロ:ショーツ(ボクサータイプ)

 ユニクロGUなら学生さんでも比較的入手しやすいし、頻繁に買い換えることも可能なお値段なのでオススメです。それに実家で洗濯する際などでもそこまで目立ちません。今までに色んなものを履いてみたなかで、個人的にはやっぱりユニクロショーツ(ボクサー)一番シンプルでお気に入りです。

↑ サイズ感に関して:洗濯していたら縮んできてヒップに食い込みやすくなってしまうので、私はいつも大きめのLサイズを購入しています。Lでもそんなに大きくないと思うので、参考にしてみてください(最初にMサイズで買い揃えてしまい、少し後悔しました)



ちなみに、デザインが凝ったブランド物のパンツにもレディース用のボクサーがあったりします。そういったものはたしかにお洒落でカッコいいのですが、履き心地があまりよろしくないというか、やたら股下が浅かったりローライズすぎたりが好きではなかったので履かなくなりました。

補足:ユニクロでは、ここ最近しばらくは上記のボクサータイプは店頭やオンラインショップの商品ラインアップから姿を消していたのですが、最近復活しました。ユニクロは定期的にデザインされた柄が入ったもの(柄がカッコイイ系が多いのも嬉しく、昔はコラボデザインなども)が出たり、柄がないものでも色が綺麗だったりするので、やっぱり今のところはユニクロがダントツ一番でお気に入りです。

ただ、ここだけの話、布が重なって作られていた部分などが最近のリニューアルでは重なっていなかったり、全体的な布の面積が小さくなっているような気がするので、コストダウンのために色々と形は少しずつ変わってきています(小声)



・GU:ボクサーショーツ(グレー、紺、ブラック)

 お次はGUボクサーショーツ。こちらはは上記ユニクロのボクサーが商品ラインアップから消えたときに代用品として購入し、一番落ち着いた色(グレー、紺、ブラック)のセットを履いていました。価格を抑えるためなのか、ユニクロよりも若干ローライズで、生地が弱いというか薄め? なので、ユニクロに比べて早くくたびれてしまう感覚がありました。ただ、デザインは究極にシンプルで色も落ち着いたものがあるのでオススメです。オンラインや実際の店頭などでも購入できるので、特に学生さんにオススメです。




・ブランド物 : ボクサーショーツ(デザイン物)

 高校の体育などで着替える際にはパンツがチラッと見えてしまったりするので、そういったときはウエストのバンド部分にブランド名が印字されているタイプを履いていました(当時、某Justin・Bieber のような感じで体操服のスボンから帯の部分だけ見えるようにするのが、なぜかカッコいいと思っていましたが、大人になって振り返るとちょっと恥ずかしい思い出です)

↑ここでは一例としてカルバン・クラインを出しただけで、他にも探せば見つけられると思います


補足:ただ、ブランド物は股下が浅め(ローライズ)だったりするので、一気にたくさん買うよりも少しずつ試してみるのがオススメです。
私は初めてレディース用のボクサーに出会ったとき、感動してデザイン物を一気にたくさん買い込んだ結果、しばらくして生地がパリパリして加水分解のようになってきて、デザインがひび割れたりしていました。

あと、物によってはお腹のバンド部分のゴムがキツかったりして、授業で一日中ずっと座っている姿勢などでは胃腸のあたりが痛くなっていました。見せパンしたい人にはオススメですが、履き心地に限って言うのであればユニクロGUの方が個人的にはオススメです(もちろんブランドによっては履き心地が良いものもあると思うので、一概には言えません)

あと書きながら思い出しましたが、たしか昔は「しまむら」みたいなところでもボクサータイプが売っていたような気がします……当時は柄がイマイチであまり買わなかったけど、探してみると意外と身近に売っているかも知れません。




【 盛らない感じのブラ 】

・PEACH JOHN:Peasy001(ブラック)

 一番悩むというか、選びにくいのがブラジャー

私の場合、学校行事などで友だちと一緒に泊まるイベントがあった際は、一般的なブラジャー(デザインはシンプルだけどワイヤーも盛る用のパットも入っている)を着用していました。

そういえば、高校生ってなんであんなに胸のサイズとかの話好きなんでしょう。思春期だから? 毎回そういう系の話題が上がるたびにギクリと居心地の悪さを感じて、さり気なくその場を立ち去っていました。


普段の高校生活ではもう少し胸が目立たないように、それこそスポーツブラなどを着用していました。スポーツで胸が揺れないようにしてくれるタイプのやつ。でもスポブラでもなんか変に、「胸とそれ以外」みたいに制服や体操服にシワが入ったりしていて嫌でした。さらに大学生になってからは、さすがにスポブラは……なんて変な意識が芽生えてしまって、また一般的なブラを着けていました(ちなみにいま振り返ると自分が気分良く過ごせる方が圧倒的にメンタルにも良いので、自分の好きな下着をつけていれば良かったなと思います)

ただ、一般的なブラジャーだと、どうしてもワイヤーだったりパットだったりで綺麗に盛れてしまうので(社会では盛るブラジャーが主流だもんね)ずっと悩んでいました。


そこで色々と試して最終的に落ち着いたのがPEACH JOHNのこちら。
ノンワイヤーブラトップ Peasy001


ナイトブラを探しているときに、たまたま購入してみたら意外と良くて。

最初はハートだったりチェックだったりと柄が可愛すぎるなぁ……と思っていたのですが、究極シンプルなブラックがあったので買ってみました。そしたら見た目がジムとかで着けてそうなブラというか、RPGの主人公みたいで良かったんです(

最初の頃は、朝起きたら普通のブラに着替えて大学に行っていたのですが、とある日だけ付け替えるのを忘れてそのまま大学に行ったら、胸が盛られてなくて、さらに最低限のパットは入っているので透けたりすることもなく、着け心地も柔らかくて良かったので、そこから常時これにすることにしました。


私の場合、元々の胸が大きくないので(しかも高校生のときから盛らないブラや押さえるタイプを着用していたら、少し小さくなったような)胸を抑えて固定する必要が少ないのですが、それでもやはりあるのはあるので、難しいんですよね。


このブラも盛らないだけであって服の上からでも膨らみは気になるし、おそらく私よりももう少し胸が大きい人だったら、走ったりすると揺れてしまうと思うので(ワイヤーが入っていないため)、胸を盛りたくないという範囲ではオススメですが、胸を抑えて平らに近づけたいという人には向かないかもです。


ただ利点としては、シームレスなのでブラのシルエットが出にくいのと、いわゆるなブラ紐ホックのシルエットもないので、夏場のTシャツなど薄着であってもそれらが背中に浮き出ないだけでも、だいぶマシかなと。

あと個人的にはブラジャーを着ける際の動作? ホックを留める動作などが嫌に感じる時があって。脱衣所のように鏡があったりする前だと、余計になんだかブラジャーを着けている自分の姿を見るのが嫌になってしまうときがあって、モヤッとしてしまうというか。だからこそ、このブラであれば頭からすっぽりと被るタイプなので、タンクトップとかを着るような感覚で着用できるのでそれも良きです。


人間の気持ちって複雑ですね、全然そんなことが気にならない時期もあったのですが、頭で色々考えるよりも早く心が「嫌だ」という感情が沸き起こることが多くなったので、いまは自分の気持ちを大切に、自分が心地よいと感じる下着を着用しています。




【 補正下着、胸を小さく見せてくれるブラ 】

・エヌスタイル:ハーフトップブラ(ノンワイヤー)

 SNS各所でもこの商品がオススメされていたので、実際に購入して着用してみています。たしかにこの商品だと、胸が小さく見えて平らに近づく(not 平らになる)のですが、やはり着用感が気になるというか、少し胸や胃が圧迫されている感じがあって苦しさがありました。運動時や外出してたくさん出歩く予定がある日、連日の着用は避けたい感じです(すべて個人的感想ですので参考程度に)


でも、たしかに胸はフラットに近づくし、いわゆる金具で留めるような「なべシャツ」のような形状でないので、実家住まいなどで洗濯時の心配などがある人にはオススメです。ちょっとお値段は高めなのでお財布には負担かも知れませんが、どうしても胸の膨らみが気になる方には、まずこれを試してみたら良いのではと思いました。

着る服のサイズ感や生地にもよりますが、オーバーサイズのニットやセーターなどでは、胸がほぼ気にならないぐらいのレベルまではいけると思います。さらにジャケットなど上着を羽織る場合は、胸のボリュームが少しおさまることで見た目のスタイルが若干細身に見えるので、人によっては「痩せた?」と思われるかも知れません(また別の記事で書こうと思いますが、シュッとした方が男性のシルエットに近づける感じがしますよね)ただ、極端に胸部をずっと締め付けていると身体には影響があることは確実なので、身体と相談しながら着用するといった感じです。


ただ、ボーイッシュあるある(?)の、胸の膨らみを目立たないようにするために猫背になってしまったり、座っているときも背筋を伸ばさずに少し屈んだ体勢になってしまうことからは解放されると思います。

完全ではないにしても、なんだろう、自分の視界が少し変わるというか、自分で真下を見たときに胸の膨らみをそこまで意識しなくなるというか。それも相まって気が気持ちが楽になるというか(胸は物理的に苦しいけれど)薄着になる夏場はまだどうか分からないですが、寒い季節に重ね着して着込む際などには、ほぼ胸の膨らみは気にならないんじゃないかなといった感じでした。



あとがき

 私も今まで色んな下着を試してみて、これじゃない、思っていたのと違う、ということを繰り返してきました。しかもそれはまだ現在進行形でもあります。もっと色んなデザインや種類から自由に選んでみたいし、ブラジャーの締め付け感からも解放されたいという思いがある。

あと、胸のサイズなどの話題が出る度に、周りの人から「胸小さいよね」みたいな不躾な目線が自然と飛んで来るのも毎回気が付いてしまう。そりゃそうだよ、胸が目立たないように抑えたり盛らないようにしているんだもの。そりゃ、女の子なのにおかしいと思うよね。そういうふうに感じて思う気持ちも、私だって十分に理解しているし分かってる。でもそれが私にとっては自然で心と合っていることなんだもの、しょうがないじゃない。

あとは、高校など学校で着替えがある際などは、周りの視線だったり、思春期特有の身体にまつわる話題から逃れられなくて嫌な思いをしてしまうこともいっぱいあると思います。私も沢山そんな経験がありました。

小学生や中学生などの時期に、どんどんと自分の身体が変化していくにつれて、下着やそれ以外にも、今まであまり気にしていなかったことに嫌悪を抱いてしまうこともあると思います。私は、中学生の頃などはいわゆるフリフリレースの下着を着けていて、それがとっても嫌で、でもその嫌な気持ちがなぜ沸き起こるのかハッキリとは分からなくて、罪のない下着を引っ張って破いてしまったりしたこともありました。


さらには、学校の健康診断やプールの授業などで一斉にみんなで着替えるとき、同性であっても身体を見たくもないし見られたくもないしと、ギュッと目を瞑って教室の隅っこで一気に着替えるようなこともしていました。


まだ狭いコミュニティである「学校」という場では、逃れられない様々な状況に直面してしまうことが沢山あると思います。さらには、そういったことに対する「なぜか分からないけれど、なんか嫌だ」という自分の気持ちは分かってもらいづらいことが多い。

でも、もう少し時間が経って歳を取って、生きる環境が変わっていって、少しずつ広い環境へと身を置くことができるようになっていったら、そんなことは我慢しなくて良いようになってきて、どんどんと自分の思うままに着飾ることが出来ます。


だから、いま学校やら狭いコミュニティで悩んでしまっている人は、もう少し時間が経って大人になっていったら、そんなことを気にしなくていいコミュニティや環境に身を置くことができるようになることもあるので、今はあまり悩みすぎないようにしてください、と言葉をかけたいです。


正直、あの頃の自分にも言ってあげたい。

当時の私は、性別のことで悩んで、自分でも自分のことがよく分からなくて、あまりに少数派すぎて、周りに似たような人も見受けられなくて。だから「自分は間違っているんだろうか」「自分だけが変なのかな」「どうしてこんな気持ちになるんだろう」と答えの出ない問いを永遠に自問していました。当時いくら考え込んでも答えは全く出ませんでした。

さらには「男女(おとこおんな)」と呼ばれたり、クラスで「レズだ」とアウティングされたり。見た目がボーイッシュだからという理由だけで「性同一性障害? 男になりたいの?」と、まだみんなが知っている単語や分類がそれぐらいしかなかったから、心は男なんだろうと決めつけられそうになったりと、自分でも分からないまま、周りに勝手にカテゴライズされたりしていました。


どこの図書館に行ってもLGBTQのようなことを言及した本はまだ少なくて、さらにはそれを閲覧室で見る勇気もなくて、いつも図書の棚に一人でひっそりと隠れながら、人が来たら違う本で表紙をカモフラージュして。

自分は一体どれに当てはまるのだろうと、ずっと「答え」を探し続けていました。


でも少しずつ時代の進化とともにインターネットやSNSで自由に的確に調べることが出来るようになってきて、SNS上では自分と似たような気持ちを抱いている人を何人か見つけることができて、自分の理解が進むのとともに少しずつ安心もしていきました。

それはまるで、自分の周りでモヤモヤと渦巻いていた漠然とした気持ちや悩みや考えが、少しずつ手で掴めるようになって、そしたら今度は手で掴んでじっくりと見つめて観察できるようになって。そしたら「これかな、あれかな」とより的確に自分について知ることができるようになった、そんな感じでした。

この記事がそんな若い人に届くのか、はたまた今の時代の学生はもう進んでいて、そんなことで悩んだりしていないのかも知れませんが(もしそうだったら、それが何よりです)、どこかの誰かの気持ちが少しでも軽くなったらいいなと思って、こんなにも赤裸々に下着事情を書いてみました(笑)


今度はまた趣味や髪型など、今まではずっと抑えていた「自分」という表現についても書いてみようと思います。


10年前と今で、やっぱり全然違う。

昔は「どうしても許されなかったこと」が、やっぱり今よりも沢山あった。

ジェンダーレスとか、LGBTQとか、多様性とか、そんな言葉だけ独り歩きし始めたのかなと勝手に冷めて半ば諦めたように思っていたけれど、少しずつではあるけれどちょっとずつ変わってきていると思う。もちろん、まだまだだけど、でも着実に新しい時代が来る予感がする。信じている。

こんなふうに少しずつでも良い変化があるのは、やっぱり色んな人の発信のおかげだなと思う。ありがたいなと思う。


私も少しずつだけど記事を更新していくぞう。


ブラジャー繋がりで……佐原ひかりさん著『ブラザーズ・ブラジャー』という、再婚相手の弟がブラジャーを着けていたことから展開される素敵な小説があるので、リンクを貼っておきます。
ふとしたときに感じる性役割などにまつわる違和感を的確に捉えつつも、最後には心が暖かくなるような素敵な小説だったので、少しでも気になる方はぜひ。


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