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【総説編②】学習指導要領に立ち返ろう

前回の記事『総説編①』に続いて、今回は総説編②ということで、『中学校学習指導要領解説 理科編』の総説についてアウトプットを行っていきます。引き続き、①~③の3つの記事に分けて書いていきます。

今回アウトプットする項目はこちらになります

第1章 総説
 1 改訂の経緯及び基本方針 ⇒(ここまで総説①)
 2 理科改訂の趣旨 ⇒(ここから総説②
 3 理科改訂の要点        
 4 分野目標と内容の構成の考え方と本解説における内容の示し方

文部科学省.『中学校学習指導要領解説 理科編』.(2018)

それでは、いきましょう。

2 理科改訂の趣旨

(1)平成20年改訂の学習指導要領の成果と課題を踏まえた理科の目標の在り方

① 平成20年改訂の学習指導要領の成果と課題

PISA 2015では、科学的リテラシーの平均得点が国際的にみると高く、TIMSS 2015では、1995年以降の中で最も良好な結果になっています。
また、理科を学ぶことに対する関心・意欲や意義・有用性に対する認識が改善されている一方、諸外国と比べると肯定的な回答の割合が低い状況であること。さらに、「観察・実験の結果などを整理・分析した上で、解釈・考察し、説明すること」に課題が見られています。

② 課題を踏まえた理科の目標の在り方

課題に適切に対応できるように、小中高の学校段階において育成を目指す資質・能力を明確化するとともに、各学校段階での学びの過程についての考え方を示すことを通じて、理科教育の改善・充実が必要です。
また、学校段階ごとの理科の教科目標においては、育成を目指す資質・能力の「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」の三つの柱に沿った整理を踏まえて示すことが求められます。

③ 理科における「見方・考え方」

中学校理科における「見方・考え方」を「自然の事物・現象を、質的・量的な関係や時間的・空間的な関係などの科学的な視点で捉え、比較したり、関連付けたりするなどの科学的に探究する方法を用いて考えること」と示しています。

(2)理科の具体的な改善事項

① 教育課程の示し方の改善

 ⅰ)資質・能力を育成する学びの過程についての考え方

 理科においては、生徒自身が主体的に、探究の過程を通じた学習活動を行うとともに、自然の事物・現象に好奇心をもって関わり、その中で得た気付きから疑問を形成し、課題として設定できるようになることが目標とされています。
 また、学習過程は一方向の流れではなく、必要に応じて戻ったり、繰り返したりする場合がある。授業では全ての学習過程を実施するのではなく、意見交換や議論などの対話的な学びを適宜取り入れていきます。その際に、あらかじめ自己の考えを形成した上で行うようにすることが求められています。

 ⅱ)指導内容の示し方の改善

 各内容において、どの「見方・考え方」を働かせ、どのような「知識・技能」及び「思考力・判断力・表現力等」を身に付けるのかを示していきます。その上で内容の系統性と、育成を目指す資質・能力のつながりを意識した構成、配列となるようにするものとしています。
 また、「学びに向かう力・人間性等」については、各学年や各分野の「目標」において整理されたものを、共通的に扱うこと。

② 課教育内容の改善・充実

 ⅰ)教育内容の見直し

 国際調査で判明した、理科の好きな子供が少ない状況を改善するために、生徒自身が観察、実験を中心とした探究の過程を通した学習活動や、体験活動を増加させていくことが重要視されています。

③ 学習・指導の改善充実や教育環境の充実等

 ⅰ)「主体的・対話的で深い学び」の実現

 「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」の三つの視点を相互に関連させて、学習過程の質的な改善を行うことが求められています。その際「理科の見方・考え方」や「探究の過程」を通して学ぶことによって、「資質・能力」や「見方・考え方」を獲得していくものとしています。さらに、学習内容や日常生活において「見方・考え方」を働かせ科学的に探究すること「深い学び」につなげていきます。

 ⅱ)教材や教育環境の充実

 指導体制の強化や研修、実験設備の充実、ICT環境の整備などの条件整備が求められています。

最後に

今回は総説の部分のアウトプットを行っていきました。指導要領の根幹的な考えが書かれている部分で、学校教育の中で求められている具体的な事柄がまとめられていました。
次回は、理科の改定の要点についてまとめていきたいと思います。

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