2017/04 第102号「結ぶ絆から、広がるご縁へ」
三月九日付、信濃毎日新聞一面の『斜面』全文です。
「絆」は元々馬や犬をつなぎとめる綱のこと。夫婦などの断ち難いつながりを意味するようになった。東日本大震災発生の2011年、世相を表す漢字に選ばれている。声高な「絆」キャンペーンが響き渡った◆被災した宮城県東松島市の大学生片平侑佳さん(22)は翌年、思いを詩につづっている。高校3年の夏だった。〈潮の匂いは友の死を連れてきた(中略)もう一度だけ、君に会いたい。くだらない話をして、もう一度だけ、笑いあって、サヨナラを、言いたい〉◆