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可愛い子には「不自由な旅」を〜子連れ南インド(Part③)

南インド最大の都市、ケララ州を親子三人で旅した2014年8月のお話し、Part③いよいよ最終回です!(Part① , Part②

今回は「不自由な旅、答えを問い続けること」について。

Part ②の最後に書いた「やはり自分達は外国人」「マレーシアはある意味特殊なんだ」と気づいた場面が、旅の途中で幾つもありました。それはフォートコーチンのフェリー乗り場での出来事から...。

■男女別のチケット売り場

フェリーで対岸の街へ出かけた時のこと。
ケララ州はクリスチャン人口が多いのですが、それでもここはインド。男女別に並ぶということに全っったく気付いていなかった私たちは、男性の列に並んでいたんですね...(苦笑)、親切な男性が「女性は隣の列だよ」と教えてくれました。フェリー内部では明確な区分けはないものの、なんとなーく男女別に固まっている印象でした。

■ひざ上を出してはいけない

この日はひざ上20cmくらいの短パンを履いていた娘、当時12歳です。見た目はまだ子ども(だと私的には思っていましたが...)。

フェリー内で近くにいた推定20代の女性グループのひとりが、娘の足を見て「はっっ」と息を呑んでいる様子が分かりました。

あぁやってしまった…!

「インド」を意識し気を付けていたものの、「もしかしたら同じインドでも、ここケララ州は大丈夫かも?」と油断してしまったんですね。なぜなら、

✔︎ コーチンはキリスト教徒が大半なこと
✔︎ 前日に短パンを履いた白人ティーンエイジャーを見かけたこと

↑こんな理由から。

でも、女性が息をのんだ様子をみて「これはまずい」と、すぐに薄手のパーカーを巻きつけて膝上部分を覆い隠しました。出先の海岸で動きやすいようにと短パンを履かせてしまい大後悔の母...💧

 親はまだまだ子供に思えても、12歳は微妙な年齢だったかのかもしれません。

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色鮮やかなパンジャービやサリー姿の女性たち!誰も足は出してません汗
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駅構内の売店、女性の服装がとにかくカラフル♪

■日本人を初めて見た地元の高校生

フェリーで対岸に渡ったあとは、息子のリクエストで電車に乗りました。住んでいるペナンは電車が走っていないので、旅先で電車に乗るのがお約束になっていたのです。

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↑駅のホームにて。

そして向かったのは、とある海岸。砂浜を散策していると、息子が「日本人の子供初めて見た!カワイイ!」と地元の女子高校生グループに囲まれ大モテ!

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いきなりのモテ期到来に困惑気味の息子(当時5歳)


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↑制服もパンジャービ、パンツとスカーフのくすんだ紫色が素敵でしょう?
そして娘が脚に巻きつけたパーカー、おわかり頂けるでしょうか…苦肉の策!

■制服のまま〇〇〇すると逮捕される?!

男子生徒も加わり、話が盛り上がります。元イギリス領だけあってみんな英語がとても上手。「もうすぐO-level(中等教育卒業試験)だから大変!」とのこと。マレーシアのインターと同じですね。

すると突然、茶色い制服のコワモテ男性数名が近づいてきたんです。

そして、地元のマラヤーラム語で高校生たちに何かを質問し始め、楽しい空気が一変、緊張感MAXに...。そしてなんと、男子高校生2人をどこかへ連行するではないですか!!

何が起きたか理解できずオロオロする私たちに、残った高校生たちが説明してくれました。

・ 茶色い制服の男性立ちは警察官である
・ 学校帰りに制服で寄り道をしていたので、代表2人が連れて行かれた

えぇーっ!制服姿で寄り道しちゃダメなんだ...しかもビーチってめちゃくちゃ健全だよね?と衝撃を受けたのでした。

その後、お説教を受けただけで高校生は解放されたものの、私たちのせいで目立って逮捕されたりしたら、申し訳なさすぎるので、心底ホッとしました...。

そんなワケで、この日は

✅ インドの行列は男女別に並ぶ
✅ 女子は子どもでも足を見せないのが無難
✅ 制服姿で寄り道すると逮捕の可能性あり!

の3つを学んだのでした。いやー、所変われば風習も大きく違うものですね💦

■娘の反応に気付かされたこと

旅にトラブルはつきものですが、私はこの程度では全く「不自由」は感じず、また何のお咎めもなかった息子に至っては、

ムスコ🧒🏻「インドの電車すごい汚かったね!なんでー?」

とかそんな呑気な感想!(ホントに電車ボロボロで汚なかった、笑)
でも、いちばんのトバッチリを受けた娘は、

ムスメ👧🏻「もんのすごい不自由!短パン履けないなんて暑くて耐えられないし、インド女子はかわいそう!私インドには絶対住めない!」

と怒ってましたね。そして「旅における各国の慣習への対応」についても、私と娘では捉え方がだいぶ違いました。

ハハ👩🏻
・郷に行っては郷に従え、その国のルールに従い不自由は受け入れるのが礼儀

ムスメ👧🏻
・理解はできるけど、その国の価値観を旅行者へ押し付けるのは違くない?
・互いの文化を尊重し合うのなら、非ムスリムが足出すのは自由でしょ?
・逆にムスリムが非ムスリム圏のビーチへ行ったら、ビキニで泳ぐの?

うーん…!これ、私には思い浮かばない発想だったので、しばし驚き考え込んでしまったんですよね...。

言われてみれば確かに、娘の説も一理あるのかも。私も自分の価値観を娘に押し付けいてたなーと反省したのでした。

みなさんは、どう思われますか?

■答えを問い続けることが大事

私はこの文化・慣習のギャップの埋め方について、結局どこにも正しい答えは無いんだと思います。

というか、それぞれの立場でどちらも正しいんです、きっと。

私も含め、人はみな自分が正しいと思って生きているし、娘が感じたことも娘の立場では間違ってはいない。それを踏まえて互いに歩み寄る他はないのだと。

そして、この「答えの無い問いを考え続けること」が、大事なのかもしれません。なぜなら、考えることを放棄しなければ

・世界には様々な文化があり、自分と違った考えや宗教観が溢れている
・人と違うのが当たり前になれば、楽に生きていける

と気付けるから。

「自分と人は絶対的に違う」という大前提を子供たちの心に刻み込みたくて、私は旅を続けているのかもしれません。

■マレーシアの共生は稀に見る成功

このインドの旅からペナンへ戻った後、マレーシアが多民族国家としていかに成功しているか(過去に多々衝突はあり、現在も様々な問題はあるにせよ)を改めて感じました。

極端な話、肌を覆ったマレー系とキャミソール+短パンはみケツの中華系が同じ店で食事をできる国は、世界でもそうそうないと思いますよ!

このマレーシア人の「他民族への干渉しなささ」について中華系のローカル友に尋ねたところ、

👱‍♀️「それがこの国で生き抜く術だから」

と言っていました。日本人にも大いに参考になる部分がありそうです。これからも「答えの無い問い」に向き合いつつ、子供たちと「不自由な旅」を続けていこうと思います。

***

南インド、見所がたくさん!衛生的にも治安的にも北部より安定していて、子連れでも楽しめると思います。他にもたくさんある写真、あとでアルバムで公開しますね!

そして、南インドを訪れたら「カタカリダンス」をお見逃しなく!出演者は男性のみ、目で演技するところなどが日本の歌舞伎にソックリなんです。

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顔に塗っている塗料はすべて天然素材、なんと目の中にも粉を入れて白目を赤くしている!(痛くは無いそう)メイクの準備段階から舞台裏が鑑賞できて、子供たちも飽きずに見入っていましたよ〜!


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