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学生からの質問「大学に行く意味って何ですか?」

こんにちは。MANAI 広報のヴィアナです。

3月21日(日)、データサイエンス講座の特別回がオンラインで開催されました。

「データサイエンスの分野で活躍されている方たちのキャリアパスを聞く」
という内容、だったのですが、そこで議論された質問がとても面白く、進路について悩みを持つ中高生のヒントになるかも、と感じたのでその部分だけ抜粋しますね。

1人目の質問は「中学3年で、将来やりたいことがない。どう見つけたらいいですか?考えるのが面白いので、理系に行こうかと思っている」というもの。

今回生zoomして下さった岩瀬央(いわせあきら)さん。画像の右側の方です。株式会社シンカーで取締役・チーフ・アナリティクス・オフィサー(CAO)をしていらっしゃいますよ。

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岩瀬さんの回答は
「大学でもやりたいことがなかった。30歳すぎで見つかった」という回答。何かする時は「いつも『これをやりたいか?』は考えている」んですって。

データサイエンス講座の講師の1人、デロイト デジタルの森さんは「コンサルに入りたいと思って入っていない」のだそうです!

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「中高生の時から『社会や経済、会社などの仕組みに興味があった』。大学時代OB訪問で、会社と個人との関係を深めるのがコンサルティング会社だ、と思い入社した」というエピソードを披露してくれました。

講師の荒谷さん(写真左)も「やりたいことが見つからなかったからコンサルに入った」のだそう。

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現在コンサルやCAOとして大活躍な方たちも、学生時代には「これをやりたい!」がなかったのですね……。もしかしたら、学生のうちから、やりたいことってなくてもいいのかもしれません。

マナイの代表・野村からは

「夢を持てとか目標を持て、というのは嘘。時代は変わったし、今やりたいことが10年後にあるかはわからない」という見方が。

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「『偉人はみんな若い頃に自分の情熱の傾け先を見つけた。夢を持つべき。自分を燃やす対象を見つけよ!』というプレッシャーがかかっていると思います。都市伝説ですよね、そんなの。やりたいことや没頭対象なんてやってみないとわからないんです。やりたいことをみつけるより、興味持った時にすぐに動けるということの方が大事です。とりあえずやってみるってすごく大事なんですよ」

ちなみに野村は、小学生の頃に『ミニ四駆』という動力付き自動車模型にのめり込み、そこから重心の概念や、問題発見のための対照実験プロセスも自然と身に付けたそうです。「とりあえずやってみる」を実践し、いろんなことを学んだ経験の持ち主なのです。

質問の「どうやって見つけたらいいですか?」には答えられなかったのですが、この生徒さんはデータサイエンス講座中にとあるプロジェクトをスタートさせ、今とっても夢中になっています。マナイはこの学生の質問に答えられるよう、Slackなどでコミュニケーションを取ったり、オンラインで話したりとサポートをしていく所存です。


2人目の質問は「やりたいことをうまく出来なかったことがあった時、それをどう乗り越えましたか?そして、なぜ大学に行きましたか?」

岩瀬さんは、直近の経験を話してくれました。
「AIスタートアップの登竜門といわれるコンテスト『HONGO AI』で絶対勝ちたかったんですけど、ダメでした。2019年のことですけど、未だに悔しい。まだ乗り越えていないです。僕の場合は、ひたすら落ち込んで時間が解決するのを待ちます。挫折とか失敗って大事ですよね。頑張るきっかけになるし、落ち込みながらも前向きに過ごすのがいいかと思います」

「なぜ大学に行ったか」には、講師たちから

・両親が高卒で「社会で戦いにくいぞ」と言われたから
・エスカレーター式だったので、親が敷いてくれたレールに乗った
・母から「中々面白いことに時間を使って勉強出来ない」、父から「大学は遊ぶ所だ」と聞いていて、一旦行った

など、本当にみなさんから違う理由が出ました。

荒谷さんからは「僕らの親の世代は大学行くのが当たり前という時代で、大学に行ったか行かなかったか、で分かれていた時」という見解も。

私の例ですが、建築を学びに大学に行くか専門学校に行くか考えていた時、祖母は60代で両親は40代。
「学費を出したい」と申し出てくれた祖母は強く
「女の子は手に職をつけるために専門学校ではなく大学に行ったほうがいい」と言っていました。

祖母の時代は女性が大学に行くの、とても珍しかったそうで、祖母は進学したかったけれど「お嫁のもらい手がなくなる」と祖母の両親から反対され、大学に行くのを諦めたそうです。
時代でものの考え方、大きく違いますね。

大学についての議論はもっと広がります。

「今中学3年生ですが、早く失敗した方がいいと考えています。高校生になったら起業して苦労や挫折を経験しようと思っているのですが、将来的に大学って行ったほうがいいのでしょうか。まだ『学歴』はあるんじゃないかと思っているので、大学に進学せず起業する方がいいのか、大学に行った方がいいのか迷っています」という意見が出ました。

それに対し森さんは
「大学ってそもそも何のためにあるのか、博士号って何のためにあるのかを言わない。大学は人類の知識の体系を作るシステムで、博士号はその体系を作るために唯一認められた資格。あらかじめこのことを知っていたら、博士号取ってましたよ」と。
また、

「国連ではある程度の地位につくには博士号が必要。アメリカでも管理職はMBAや博士号がないと無理。日本は例外なんですよ。全人類の知識の1ページをしたためる活動をするんだったら、資格を持っていないと道は開けない。それ以外の仕事をするなら、大学は必要ない。自覚的な選択をする情報が、中高生で得られるかどうかが大切」と、貴重な見解を下さいました。


独自の教育法で3人の娘を育て、Googleや一流企業の人事育成も担当する高校教師・エスター・ウォジスキー さんの書いた『TRICK スティーブ・ジョブズを教えYouTube CEOを育てたシリコンバレーのゴッドマザーによる世界一の教育法』という本にあった一節には

ティーンエイジャー専門スタートアップのインキュベーター(起業支援者)、リーンギャップのCEO、エディ・ゾンは、自分が作った最初のテクノロジー企業を、16歳で売却し120万ドルを手に入れ、大学の在学中にまた自分の会社を売却した。

ゾンは、学校が子どもたちの知性と創造性を損ねているという。彼はTEDトークでこう言っている。

「今、子どもたちに大学に行っていい仕事を見つけて成功するって言う大人が多すぎる。もっと可能性を追いかけろ、起業家になれって励ましてくれる人があまりいない。でも、言いつけを守っていたら世界なんか変えられない」

とありました。

進路についての悩み、学生にとっては避けられないトピックですよね。
マナイでは、いろいろな選択肢があることを皆さんに知ってもらえるよう、さまざまなお仕事をされている方から「ターニングポイントで何を考えたか」などのお話しを聞く機会を作っていきます。

特別回に話を戻します。

野村からは
「僕は学生時代『サンプルとしてこれやっといてよかった』ことを人に聞いてためになったんですが、皆さんありますか?」とメンターに逆質問が。

荒谷さんは
プログラミングをやっておいてよかった。プログラミングはロジックがきちんとしていないと動かない。こう動かしたいからこれをする、などの考えが必要。今はコンサルをしているが『何を出すか』を逆算して考えて組み立てられるのでとても役に立っている

岩瀬さんは
読書ですね。大学でビジネス書を読み始めたんですが、コミュニケーションとか汎用性の高いスキルを意識して鍛えられて、社会人で役に立ちました

森さんは
何でも役に立つし、生きてくる。僕の例ではないけれど、三国志がいいと言っている人がいます。学生時代、三国志にハマって、社会に出てから偉い人と話す時三国志の例を出すと盛り上がるんですって。ポイントは、生かせるかどうか。『どうやったら自分の得意な所に生かせるか』自分で探っていく必要があると思います」

予定していた時間をオーバーするほど活発な意見が出た今回。
さまざまな選択肢がある時代、選べるからこそ悩むんだな、と感じました。

これからも、セミナーやnoteで学生たちのヒントとなるような講座やインタビューを行っていきますね。

お問い合わせはこちらからお気軽にどうぞ!

広報担当:ヴィアナ

*開催スケジュール

1/31(日)開催済み
AIとは? AIの今後と解決できる課題は?

2/7(日)開催済み
AIの機能(認識・予測・分類)

2/21(日)開催済み
ディープラーニングとは?「AIブロック」「Scratch」を用いたプログラミングなど

3/7(日)開催済み
「AIブロック」「Scratch」の活用アイデア企画発表、AI社会でのスキルとマインドなど

3/21(日)開催済み
講義ではなく、希望する人のみの参加です。
「データサイエンティストのキャリア紹介&質問会」
デロイト デジタルと縁が深い、楽天株式会社の研究所所長や東京大学の某准教授、ベンチャー企業役員で、CAO(チーフアナリティクスオフィサー)を務められている方たちのこれまでの経歴や仕事内容などを紹介します。

3/28(日)開催済み
事前に共有された課題の最終発表

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