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エーマイナー

曲のコードには、Am(エーマイナー)や、Dm(ディーマイナー)といった、いわゆる「マイナーコード」と呼ばれるものがある。明るい響きを持つA、D、Gのような「メジャーコード」に対して、「マイナーコード」は物悲しい音の響きが特徴とされる。

「はい、これがAm(エーマイナー)ですよー。ジャラ~ン♪」とそれだけ聴かされると、確かに「物悲しい響きの音」として聞こえる。

ところが、これをメロディーという音の組み合わせの中で聴くと、必ずしもそうではないのである。ときに渋さを表現したり、最高の盛り上がりを作ることもあるし、ユーモラスな響きを持つこともある。要するに、音と音のつながりの中で、その音の役割やイメージも変化するのである。

これは音に限ったことではなく、人間だって同じことである。その人がそういう人として存在しているのは、そういうつながりの中で存在しているからである。

よく、「そこでダメだったらどこに行っても同じだよ」などと言う人がいるが、実際には全くそんなことはない。もしもいまいる場所でいじめられて、生きる気力を失いそうなら、その場所から全力で逃げればいい。その次の場所でもダメなら、またその次の場所へ逃げればいい。

「どこまでも逃げ続けろ」と僕は言いたい。大切なのは生き延びることである。心配しなくても、世の中に変化しないものなど何もないのだから、生き延びてさえいれば、ものごとは変化していく。

そして人間というものは、いちばん苦しいときにこそ、一番大切なものを掴むことができる。それが、その人だけでなく、その人の周りの人をも支え続ける。

だからこそ、どんなに苦しいときも、生き延びてさえいればいいのである。それだけで百点満点である。そのあいだに、どれだけ心が耕されることか。そこをくぐり抜けてきたなら、もう大丈夫。僕はそういう人にこそ、この社会の希望は托されるべきだと思っている。

俺すごいいいこと言った。

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