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「“よい”人生ではないかもしれんけど、なかなか“オモロイ”人生やん」(河合隼雄ほか著『こころの声を聴くー河合隼雄対話集ー』新潮文庫を読んで)
河合隼雄の言葉はスッと腑に落ちる。それは僕が彼の思想に共感しているからというだけでなく、同じ関西の出身ということも大きい気がする。 河合はどんなに切実なテーマについて話していても、スッとユーモアを挟み、場を緩ませる。それは大阪人にとっては、ほとんど「マナー」に近いものである(と僕は勝手に思っている)。 また一方で、河合の言葉からは、その内に秘めている「厳しさ」がにじみ出ずにはいない。そんな一見矛盾するようなありようを端的に表現しているのが、冒頭で語られる「オモロイ」の解釈