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いろいろあった2022年を振り返ってみる

2021年の大晦日に一年を振り返る文章を書いてからもう一年が経とうとしている。

今年は映画「カフネ」を作ったり、人生で二度目のクラウドファンディングに挑戦したり、いろんな人に出会えたり…

ちょっと長くなりそうだけど、振り返ってみます。

2021年はやりたいことをたくさん出来た一年だったから、しばらく少しだけゆっくり過ごそうと思っていた4月上旬のある夜、大学の友人から「映画『カフネ』のチームに入ってほしい」と連絡があった。その友人とはそれまでも何度も同じチームで映画を作ってきたこともあり、誘ってくれてすごく嬉しく思った。でも、その頃は映画から離れたいと思っていた時期でもあったし、他にも時間を使いたいことが色々あったから引き受けるかどうかすごく迷った。結局、自分が出来る範囲で少しづつ参加するという形でお誘いを受けることになった。

映画「カフネ」チームに入ってから初めて担当した仕事は企画書づくりだった。とはいっても、ワープロで作った企画書はすでに存在していて、僕はそれを誰が観てもわかりやすくデザインし直すということになった。企画書の要素は既に揃っていたので、それを観やすく配置してKeynoteで数ページの企画書にした。

企画書の表紙
企画書の中身(すみません、ぼかしてます!)

今見返すと、そんなに難しいデザインじゃなくシンプルな資料だけど、その当時はスタッフのみんなから結構嬉しい声をいただいて、この事がきっかけで信頼してくれる人たちも増えたような気がする。

この頃は、他のメンバーよりも少し遅く参加したこともあって、早くチームに馴染めるように出来るだけ毎週の会議やちょっとした集まりに参加することを特に意識して過ごしていた。

夏に行う予定だった、映画「カフネ」のクラウドファンディングの準備も話し合いを中心に少しづつ進めていたと思う。

7月中はクラウドファンディングに挑戦していた。前年に違うチームで行ったクラウドファンディングでは真剣に取り組む人とそうじゃない人の格差が大きくて、ほとんどのメンバーがあまり自分ごととして捉えられていなかったという課題点があったから、今回のクラウドファンディングではチーム全体で意識の格差が広がらないように注意しながら、話し合いを何度も何度も重ねて慎重に進めていくことにした。

準備で特に時間をかけたのは、クラウドファンディングサイトに載せる文章。「なぜ映画「カフネ」をこのチームで作りたいのか」を文章でどう書けば人に伝わるのかを考えに考えて準備を進めた。誰か一人の想いじゃなくてチーム全体の想いとして文章に載せたいと思ったから、まず、メンバー全員にこの映画に対してどういう気持ちで関わっているのか、どうしてこの映画を作るのか、このチームで何がしたいのかを聞いていくことにした。多分上手くかないだろうなと思いながらやっていたら、本当に上手くいかなかった。この問いに対して、ちゃんと考えている人と特に考えていない人がいて、その両者の間で少し格差があった。

メンバーがどう考えているのかをもっと詳しく知るために、一人ひとりにこの映画を作りたい理由やチームに入った理由を短い文章で書いてもらうことにして、その文章を読みながらどうしたらこの格差を小さく出来るのかをプロデューサーと話し合って答えを探った。

その時、同時並行でクラウドファンディングサイトに載せるPR動画の制作も進めていて、プロデューサーと編集スタッフとの3人でどんなものを作るべきなのか話し合って答えがなかなか見つからない数週間を過ごしていた。話し合いの末、PR動画ではメンバーのインタビューを撮影することになって、結果的にこの時、インタビューとしてメンバーと話し合いをした事が大きな課題だった格差を小さくすることに繋がった。また、この時期に「チーム全員の目標や目的を一つに言語化して物事に取り組む」という考え方から、一つに言語化しなくても「チーム1人1人が抱える様々な想いの集合体でこのチームは成り立つ」という考え方にシフトチェンジをした。そして、載せる文章はメンバーを代表して映画「カフネ」に初期から関わっているプロデューサーに書いてもらうことになった。

クラウドファンディングが6月23日に始まってから7月31日に終わるまでの間は驚くほど順風満帆だった。

クラウドファンディングでは必ず経験する、支援がストップする停滞の時期にチームのみんなは成功するかどうかを心配していたけど、その時点ですでに統計データ的には成功する確率が100%を超えていたから、自分一人だけ必ず成功すると確信を持っていた。でも、それまであまりにも順調すぎて、失敗が無さすぎて不安だった。それまでチーム全体では大きな失敗を経験していなかったから、ここら辺で小さい失敗を経験して失敗に対する耐性をつけておきたいと考えていたけど、結局失敗も問題も特に起きることなく、順調に終了した。この夏、僕は失敗がないことの怖さを身にしみて感じることになった。

https://camp-fire.jp/projects/view/589588

終了予定日の1週間前の夜、目標金額の1,500,000円のご支援が集まった。僕もプロデューサーも達成にはもう少し時間がかかるだろうと思っていたから、呆気にとられていた。その日、チームのLINEグループに達成したことを伝えると、みんなから喜びの声がたくさん聞こえてきた。前年のクラウドファンディングでは、一緒に喜んでくれる人がほとんどいなかったからすごく嬉しかった。

その日は、撮影前の最後の全体会議があった日で、帰り道にある一人のスタッフが「眞鍋がいなかったらここまでこれてなかった」と言ってくれた事は今でも鮮明に覚えているし、一生忘れられないと思う。

クラウドファンディングが終わり、いよいよ撮影が近づいてきた。自分は資金調達の担当だったこともあって、クラウドファンディングが終わってからやるべき仕事がほとんど無くなってしまった。だから、撮影現場でどう過ごしたら良いのか、みんなから居なくてもいい存在だと思われないかが心配だった。

撮影に参加するために三重県熊野市に向かうと、何日か前からすで撮影を進めていたチームのみんなが出迎えてくれた。正直、あまり歓迎されるとは思ってなかったから、現地入りしただけで喜んでくれるメンバーがいて凄く気持ちが楽になった。

現地では、宿舎の掃除をしたり、みんなのご飯を準備したり、色々な仕事をした。撮影に参加してから2日目、メイキングとして撮影していた写真をInstagramストーリーで投稿する「今日のカフネ」を始めることにした。始めてから数日間でチーム内で好評になって、「今日のカフネ」のおかげでチームのみんなとの会話が増えた気がする。最近は「今週のカフネ」という名前になって週に一度の投稿を続けている。

「#今日のカフネ」

今まで話した事がなかった人たちともいっぱい話す事ができて、困った時に頼ってくれたり、助けてくれたりもしてくれるようになった。いつも積極的に写真に写ってくれた子や、お腹が痛かった時に薬をくれた子や、落ち込んでいた時に慰めてくれた子や、、、そんなみんながいてくれて不安だった撮影も乗り越える事が出来た。

撮影が終わって、大学の授業が再開した。撮影前は毎週ほぼ必ず何かの会議が開かれていたからみんなと頻繁に会っていたけど、撮影が終わってからは時々ある試写で少ないメンバーとしか会えなくなった。

9月上旬ごろ、映画「カフネ」を試写ではじめて観た。すごかった。上映が終わった後、この映画ならどこまででもいけると思った。普通の学生映画みたいに作って終わりじゃなく、絶対に届けるべきだと思った。

何日か後、公式インスタグラムに感想を綴った。

先日、映画「カフネ」の1度目の試写がありました。
「カフネ」を観ながらクラウドファンディングでご支援してくれた方々や、いつも応援してくれている方々のこと、、そしてキャストさん、スタッフ、関わってくれている全ての方たちのことを頭に浮かべていました。完成まではもう少し時間がかかりますが、良い作品になるように頑張ります。

映画「カフネ」公式Instagramより

この映画は本当に多くの方が関わっている、正確にはわからないけど100人以上。その人たちのためにこの映画を届けたいなとその時思った。

11月、最初の試写から何度も編集を重ねた「カフネ」はそれまでよりももっと良いものになっていた。でも、チームの中で数人のメンバーとそれ以外のメンバーとの関係性が微妙になってしまうという問題も抱えはじめていた。音信不通になり、役割を放置する人もいて、「やるメリットが無いからやりたくない」と言う人もいた。「メリットが無いなら仕方ない」「報酬を払ってる訳でも無いから何も言えない」と言うメンバーもいて、どうにもこうにも改善できない状況が続いた。

チームで資金調達を担当している僕は不甲斐なさを強く感じた。お金で解決できるのに、チームにその資金が無いせいで状況を変えられない。もちろん、話し合いで解決するべきという考え方もあると思う。でも、自分の仕事はお金と正面から向き合うことだから、自分だけはお金のせいで生まれる問題やお金のおかげで解決できることから目を背けずに、お金を生む、お金を集めることにもっと力を入れなければいけないと思った。

クラウドファンディングとは違う継続的に生まれる収益があれば、少しでも状況は好転するかもしれないと考えて、チームでnoteメンバーシップを開設することにした。

というか実はメンバーシップをはじめることは5月から考えていて、いつはじめるべきか、どういう内容を投稿するべきかの結論がなかなか出せずにいた。でも、やったほうがいい理由が明確に存在する以上、もう先延ばしには出来ないと思った。

それに、昨年からずっと考えていた「創作を続けられるようにする」ということにも、クラウドファンディングだけでは実現できないという課題も見えはじめていたから、これを機に新しい方法に挑戦することにした。

12月5日、杵村組noteメンバーシップを開設した。投稿する内容は悩みに悩んで、チームのメンバーが映画制作の活動を通して考えたことを綴るエッセイにすることにした。これまでsnsで活動を紹介することはあっても、メンバーの考えや感情を出す場面がなかったから、そうしようと考えた。

メンバーシップは、お金が関係していることで普通にsnsに何かを投稿するのとは少し訳が違うしまだ探り探りの段階だから、関わってもらうメンバーは最小限にして進めることにした。だから今は僕の文章が多めに投稿されているけど、何ヶ月かたって追い風が吹きはじめたら、もっと多くのメンバーに書いてもらいたいと思っている。

目的は資金を集めることだけではなく、文章を書きたいけど書く場所がなくて書けなかったメンバーがメンバーシップのために書くという口実で文章を書けるようにするためでもある。僕もそのうちの一人で、これからはもっといろんな人が自分に合った媒体で創作を続けられるように様々な取り組みをしようと考えている。

でも、noteメンバーシップを初めてから数週間経った今もずっと、本当にこのやり方が正しいのかを考える事が多い。まだ収益を生んではいないし、いつ収益が生まれるのかもわからない。事情をよく知らない人からはお金儲けをしようとしているんだと懐疑的な目を向けられるし、実際に陰で馬鹿にされているところにも遭遇したりする。自分は今まで何度もそういう経験をしてきたから何を言われても気にならないけど、自分のせいでチームのみんなの印象を悪くしてしまうことは絶対に嫌だ。

だから、辞めたらその心配もなくなるし悩みもなくなるかもしれない。でも、半年後、やらなかったことでチームの首を絞めることになってしまうかもしれない。やらないで後悔するよりやって後悔する方がいいし、そもそも僕の決断は絶対に間違っていない。だから、続けていくことに決めた。チームを守るために。

12月10日、映画「カフネ」の関係者限定試写会が行われた。スタッフとキャストをはじめとする多くの関係者の背中を見ながら、映画館の後ろの方に座って「カフネ」を観た。エンドロールが流れた時、それまでやってきた全ての積み重ねが頭を駆け巡った。この感情を文章にしたい、メンバーシップに出したい、ここにいるみんなが感じていることを文章で読みたいと思った。

その時間は、凄く神聖で不思議な感覚になる時間だった。

それから

2023年には21歳になり、大学4年生になって就活も本格的になる。

この2022年は自分にとって凄く大きな一年で、ここまでお金に向き合うのは初めてだった。でも、今なんとなく、これから先も人生をかけてお金の問題に向き合っていくんだろうなと思う。

あと、僕はよく杵村組のことをベンチャーと言ったりするけど、2023年の杵村組ももっともっと成長していきたいし、自分自身もチームを守れる強い人間になりたい。



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