第3話:アラサー女子が、ワーホリってどうなの?
リーマンショックの真っ只中に
失業&失恋のダブルパンチ。
負け組人生まっしぐら…
絶望に打ちひしがれる中、唯一の生きる希望であった
「海外で働きたい」という夢に一縷の望みを託し
シンガポールのワーホリビザを自力で取得。
泣いてばかりの毎日からようやく立ち直り
夢実現の一歩を踏み出したのだけど
心の中ではますます不安が募るばかり…
「ねえ、これからの進路、どうするか決まった?」
「うん、私シンガポールに行くことにしたの。」
と答えると
「えっ、なんでシンガポール?!」
「何にために?目的は?」
「ワーホリって・・・遊びに行くの?」
というお決まりの質問攻め。
(お願いだから、理由は聞かないでぇ〜!!!)
っていつも心の中で叫んでいたんだよね。
恐らく、心の外にも漏れるほど大声で。
だって
目的なんて、何も決まっていなかったから。
シンガポールには一度も行ったことがなかったし
一人で海外に行くこと自体、初めてのこと。
想像すらできない。
文字どおり、まっさらな未来。
と言うと聞こえがいいが
その先のことは、何も考えていなかった。
いや、考えられなかったのだ。
ゴニョゴニョと口ごもる私に
心配した友人たちは、
「もういい歳なんだから、辞めておいたほうがいいんじゃない」
「ワーホリなんて、日本に帰ってきたときに就職できなくなるよ」
と、ごもっともな忠告やアドバイスをくれたのだけれど
「うん、そうだよね〜」
とヘラヘラと笑ってごまかすしかなかった。
内心では、幾度となく
決心がぐらつきそうになりながら。
つづく>>>
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