Manaka Abe

留学生のちょっと文体の整った日記、もしくは膿の浄化。 ロンドンのど真ん中(主観)にあ…

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留学生のちょっと文体の整った日記、もしくは膿の浄化。 ロンドンのど真ん中(主観)にある大学の、文系大学生(学士)の雑文帳。政治学・社会学・国際関係論あたりを齧っています。 留学・進学に関することはブログをご覧ください。

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  • 駄文・日記・ロンドンの毎日

    留学生としてのロンドンでの毎日。日記(駄文)とロンドンの毎日は重複するため勉強以外のことはここに丸投げ。

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    映画をみた感想、美術館に行った感想、本を読んだ感想などなど、何か心が豊かになったり、揺さぶられたりしたものを見た時の感想文。

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    大学でやったこと+α。

  • 今ここで大学院に行きたい気がするシリーズ

    今ここで大学院に行きたい気がする気持ちを検討した記事のまとめ。

  • 2023 スウェーデン

    2023年、スウェーデン・ゴッテンバーグ大学にサマースクールで滞在した(する)際の日記です。 UCL Tuition Free Summer Places & UK Turning Grant Scheme

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初めまして🏛

こんにちは。自己紹介がわりに、この記事を上げます。 ​完全に初めましての方へ完全に初めましての方、初めまして。19年間日本で高校生まで完遂した後に、ロンドン・大英博物館の裏にある大学(ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジと言います)に留学して、大学生をやっています。日本の高校を卒業した後に、1年間ファンデーションコース(進学準備コース)というものを履修して、大学に入学して、政治学・社会学・国際関係論あたりを齧っている最中です。政治学・社会学(社会理論)に関連した哲学分野につ

    • 【終】僕が君に花向けの言葉を贈ってやろう

      2024年6月7日をもって、私のUCLでの学生証は失効し、ひいてはそのうち実家に送られてくるだろう卒業証書(もしくはメールで送られてくるだろうPDFファイル)を待つのみになった。以下、大学を卒業できると仮定して文章を紡ごうと思う。 大学で何を学んだだろうか?国際関係論、記憶の政治、安全保障理論(特に社会学的観点)、リスク・レジリエンス。知らないものを学び知らないことの存在を知るということは、大学の学びらしくて好きであった。同時に、色々勉強したけど視点の問題から実際の仕事に役

      • 【日記】父におもうこと

        父を失い、10年以上が過ぎた。大学を出るということは社会に放り出されるということで、私はそれが人生の大きな区切りに思えて仕方がないので、一度色々思うことを記しておきたいと思う。ずっと出そうかな、いや出すまいと思っていたものを。 恐ろしかったのは、徐々に父が夢に出る回数が減っていったことだった。日単位が週単位となり、いつしか月単位となり、数ヶ月単位となった。まだ年単位にはならない。不可抗力で、私は父のことを忘れつつあるらしかった。最初は夢の中でも病床にいてコミュニケーションが

        • モロッコでお気に入りのパスティラを見つけよう

          見つけたいですよね? 序今回の記事では、この記事を読んでいるすべての人が知りたかったであろう、モロッコ(具体的にはフェズ)の伝統料理パスティラのレビューをしようと思う。 パスティラってなに?一応パスティラという食べ物の説明をしておこうと思う。フェズに行くならパスティラ!みたいな記事をよく読むと思うが、その実態は何なのか? モロッコのパスティラとは、パイ料理の一種である。中にフィリングをいれ、パイで包むだけのものと、パイで包んだ後上に粉糖とシナモンをかけていただくものがあ

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          食べる 他

          ポークピカタを食べたいと思った。小麦粉はないので、粉チーズを先にまぶしてから胡椒をたんまり溶かした溶き卵に浸して、バターを引いたフライパンに(油がないから)落としていく。焼いている途中で40%つまみ食う。美味しいじゃないか。£3の格安ロースから、ちょっと背伸びして£4の薄切りロースにしてみた。日本円だと600円から800円の飛躍であるが、最低賃金が£11の国なので感覚的には300円から400円である。1ポンド今200円くらいするんだってね。草。 近くのスーパーで作っているサ

          食べる 他

          【読書感想文】「本を守ろうとする猫の話」夏木草介

          私が「ファンタジーを読みてえ〜」と言っていたらバイト先の人が貸してくれた。イギリスに来て悲しいことの一つは本を読みづらいことだったので、本が好きな人がいてよかったと思った。 複雑なストーリーではない。本屋をテーマにして展開されるお話だけれど、たとえばビブリア古書堂みたいなちゃんとしたミステリーではない。本当は本を読む意味とか本を作る人の気持ちとかを考えて読んだ方がいいのかなと思ったけれど、それも違うのかなと思った。 一つ言うなれば、最後に向かっていくにあたって、主人公はお

          【読書感想文】「本を守ろうとする猫の話」夏木草介

          パリ・日帰り旅行(副題:印象派を追いかけて)

          バイトのシフトを出してくださいと言われて、ふうむ来週働きっぱなしかと思った。学業でできることは今のところないので、迷惑にならない程度に労働と娯楽のバランスを取りたい。 ちょうどこの前モネ好きならマルモッタンとオランジュリーは外せないですよ、と言われたことを思い出して、そうか日帰りパリを敢行するかと思い至った次第である。今週途中から大旅行に行くのに丸一日休んですみませんでした(懺悔)。 朝7時ロンドン発のEurostarをとって、20時パリ発にした。よって朝5時起床。朝6時

          パリ・日帰り旅行(副題:印象派を追いかけて)

          【読書感想文】「短歌ください 明日でイエスは2010歳篇」穂村弘

          俳句とか短歌とか、そういう短い文章でぱちっと決められたことばを楽しみたいと思った。 あれ私これ読んだことあるかもしれないと思ったけれど、令和2年に出ている本だから無いはずだった。令和2年i.e.2021年あたりに出た本なら流石に覚えている。絶対仲間が実家にあったんだ。 静かな展覧会でバルコニーの絵か何かを見ていたら、ちょっと遠くにいた同行人がスッと後ろに近づいてきて、「ちょっと左右非対称になってていいね」と想いもよらなかったことを言って去っていって、その時の冷えた展覧室と

          【読書感想文】「短歌ください 明日でイエスは2010歳篇」穂村弘

          【日記】ちょっと高いチェキを買った

          ちょっと高いチェキを買った。 日曜日の朝から昼というのはどうしてもやる気にならないので、なんとなく散歩に出ることが多い。食べ物がないので食べ物を探しに行っているということもできる。別に土曜日は夜のシフトだったし全然重くなかったんだけど。Noteを見ていたら毎週日曜日を無駄にしているようで笑った。 フジフィルムの路面店に入ったらちょっと高いチェキを売っていた。なんか見覚えあるなと思ってスマホのブックマークを辿ったら、3年前くらいにめっちゃ欲しくて買いたかった機種だった。ちな

          【日記】ちょっと高いチェキを買った

          【読書感想文】「何も共有していない者たちの共同体」アルフォンソ・リンギス

          数年前にTwitter(当時はまだTwitterだったのだ!)で流れてきて買った。数年経って哲学ブームが再来したのでようやく開いた。 難解な本だ。哲学を踏んでいる人はきちんとわかるのだと思う。アリストテレスのbarbarianとかの考え方を下に敷いている部分があるないうことくらいしかわからなかったので、哲学をきちんとやった人はもっともっと深く他の書物との連関がわかったはずだ。 それでも一応力づくで読み解いたので、考えたことを記しておこうと思う。理解度は40%くらいといって

          【読書感想文】「何も共有していない者たちの共同体」アルフォンソ・リンギス

          ロンドンの朝焼けを撮りにいこう2024

          卒業論文を書き終わったので、魂が抜けている。あと最後の課題の1500単語書いたら終わるのに…でも5月10日締め切りだから…魂を取り戻すのにはちょっくら時間がかかる。去年の春休みなんで全ての課題があんな締め切りギリギリだったんだろう?と思ったけれど、去年は普通に国家公務員試験の対策をしたり受けてたりしていたからだった。まだ一年前なの?もう5年くらい経った気がする。 半日(この際の半日は文字通り半日である)働いた後の日曜は残念ながら使い物にならないのだが、日曜日のんびりしてしま

          ロンドンの朝焼けを撮りにいこう2024

          【読書感想文】「白いお城と花咲く野原」 見田宗介

          こんな可愛らしいタイトルに反して、1980年代の朝日新聞に出ていた書評をまとめた本である。大学の課題の一環として読んでいた学術書がいつの間にか日常を侵食するようになり、その過程で「思想」や「歴史評論」等の日本語雑誌を読むことに抵抗が無くなったと同時に、日本の哲学というもののを知らなかったことを強く意識した。それは政治哲学をざっくりさらったときに感じる欧州における全体主義への反省のようなものすらも、私は日本に対して持っていないということで、同時に日本の大学で政治学をやっていたら

          【読書感想文】「白いお城と花咲く野原」 見田宗介

          英国卒論日記 【終】

          気づけば時は経ち、あと1週間で卒業論文の締め切りになって、結局言いたいことを綺麗に言うために試行錯誤していた。2週間寝かせた卒論は(その間に3000単語を2本提出したので)、蓋を開けてみたらぐずぐずに腐っていた。12000を絞って捻って書き直して9990になった。 寝て明日に持ち越そうと思ったが眠れない夜で、ペタペタとサンダルがわりのビーサンをつっかけて談話室に降りた。入寮して初めて行った談話室にはパソコンを抱えた個人が何人かいて、静かにパソコンを叩いていた。窓際に陣取って

          英国卒論日記 【終】

          23歳誕生日に添えて

          4月が来て、春のかおりがするようになって、また一年が経ったことを実感する。目を閉じて開けば23歳になってしまった。嘘だ。1年間もがいていたら23歳になっていた。 よし、これで正しい表記になった。 少しは大人びて、飄々と生活できた一年だったろうかと思う。感情的になることなく、学業と労働に真摯に取り組み、時間を過ごすことができただろうか。鬱屈としたものは全てここに吐き出して、背筋をのばして微笑んでいる姿を表出できていればいいと思う。鬱屈としたものを吐き出す先が実名とリンクして

          23歳誕生日に添えて

          【雑記】土曜日の次は日曜日

          今日は月曜日かと思ったら今日は日曜日だった。卒業論文を仕上げて(提出1週間前だ!)アルバイトに行った土曜日の翌日。 土曜日の朝から背中が痛い。今はちょっと良くなった。シフトに入っていた中で一番若かったのにおかしいなあと思いつつ、痛えなあとこっそりさすりながら老人ばりにバイトしていたら、専門知識のある同僚が見つけてちょっと私の背中を触って、「胸椎のあたりが硬いですね〜こう言うストレッチをしてくださいね」とぱぱっと教えてくれた。ドリンクを出したらお客さんの前で激痛が走って叫ぼう

          【雑記】土曜日の次は日曜日

          【読書感想文】「私に無害な人」チェ・ウニョン

          ネタバレになりうる内容を含みます。 韓国の短編集だ。韓国国内で大ヒットだったらしい。 若き頃の忘れられない記憶の話だと思った。少年期の記憶や経験や葛藤や悲しみを全て抱えて、人は社会に出ていくのだろうか。大人と言われる人たちは、そういうものを全てひっくるめて大きなつづりの中に詰め込んで、社会の中で個として歩んでいくのだろうか。そこにジェンダーとかマイノリティみたいな社会課題も織り交ぜられていて、しかしうるさいな〜〜と思うほどではなくて、そこがすごいなと思った。 二人のレズ

          【読書感想文】「私に無害な人」チェ・ウニョン